北本自然観察公園日記 2024年12月
【2024年12月30日(月)】
- 穏やかな冬らしい天気の一日。青空には飛行機雲が広がっていました(写真)。あたりの湿地ではハクセキレイ、セグロセキレイ、メジロ、ジョウビタキなどが活発に食べものを探していて、来園者の視線を集めていました。
- 巡視中、園路外のエリアの点検をしていたところ、奥の方で、中型犬が枯草の中に跳ねたように見えました。迷い犬かなと思いながら双眼鏡を覗くと、いたのはキツネ!!! すぐに奥へと消えていきましたが、標柱16番側に回り込んでみると、再び姿を確認することができました。今年ラストの勤務日に、一足早いお年玉をもらった気分のスタッフでした。
- 2024年の公園日記の更新は今日が最後です。一年間、ご覧いただきありがとうございました。年明けは1月2日から開館します。みなさま、良いお年をお迎えください♪
【2024年12月29日(日)】
- 本日から年末年始特別開館のスタートです。今朝は、県内の多くで今季の最低気温を更新する冷え込みでした。園路脇の霜柱は大きく伸びてざくざく。湿地は霜で真っ白。巡視をスタートした9時台でも、氷の結晶がきれいに観察できました。
- 来園した方の多くが通る「ふれあい橋」。欄干に何やら土の塊がついていました。橋の北側から覗き込むようにして(※)見てみると、きれいなとっくり型のハチの巣でした(写真)。ドロバチの仲間で、その名も「トックリバチ」。片方には穴がなく、羽化前のようです。※:安全に気をつけて、無理のない体勢で観察しましょう。
- ★野鳥情報★ ふれあい橋の近くでキセキレイ。かわせみ池でカワセミが見られました。
【2024年12月28日(土)】
- 2024年の最終回だった定例自然かんさつ会で、参加者のみなさまと越冬中のウラギンシジミ探しをしてみました(写真)。その結果は、10mほどの区間で5匹。先日、同じ範囲で10匹見つかっていたので、スタッフにとってはやや予想外。12月とは言え暖かい時間帯があったので、移動した個体がいたようです。さて、今年も定例自然かんさつ会にたくさんのご参加をいただき、ありがとうございました。年明けは1/4(土)から再開です!
- 今シーズン12/20から連続して確認されているタシギたち。初日は3羽だったのが、26日には4羽に。今日は桜土手近くにも1羽いて、公園内で合計5羽でした! 正門近くの湿地が見やすいです。
- ★野鳥情報★ 標柱20番近くと5番近くでルリビタキのオスに出会いました。
【2024年12月27日(金)】
- 自然学習センターの内装工事が順調に進んでいます。今日の写真は、新しくなった工作室の様子です。壁と床が新しくなって、明るく落ち着いた雰囲気となりました。会議室については、明日のイベント「しぜん工作教室」で初利用します!
- 関東の冬らしい青空が続き、そろそろ雨が欲しいよねえ〜とスタッフ同士で話をしていたところ、お昼ごろからみるみる暗くなり、大粒の雨が音を立てて降ってきました! 短い時間で上がってしまいましたが公園の生きものたちにとって恵みの雨となりました。
- ★野鳥情報★ タゲリが3羽、湿地の上空を鳴きながら通過していきました。
【2024年12月26日(木)】
- 「冬休み!だれでもバードウォッチング」を開催。小さなお子さんから大人の方まで、幅広い年齢のみなさんの参加がありました。風もなく穏やかな陽気のなか、4羽並んで食べもの探しに夢中のタシギや、枝に止まるモズを観察。上手くタイミングが合った方は、10羽ほどのイカルの群れやカワセミとのラッキーな出会いもありました♪
- 標柱16番の草地の奥で、葉裏の1cmほどの塊が目にとまりました(写真)。白っぽい色とそのトゲトゲした形から、最初は虫にカビが生えているのかと思って近づきましたが…。その正体はムツトゲイセキグモ!(写真をクリックで拡大)近縁のマメイタイセキグモと同様に「投げ縄」を使ってガを捕らえるクモで、全国的な希少種です。図鑑によると活動するのは7〜9月。季節外れの驚きの発見となりました。ただ、くっついていたのは落葉樹のムクノキの葉裏なので、すぐに葉っぱと一緒に落っこちてしまいそうです。
【2024年12月25日(水)】
- めだかのT字路〜標柱10番の湿地沿いを巡視中、土の上を歩くアオヘリホソゴミムシを見つけました(写真)。ヨシ原にくらす種類で、体長は8mmほど。翅のふちは少し緑色を帯びていて、頭と胸の赤色と合わせてクリスマスカラー(?)な種類です。本来なら土の中などで越冬している時期のため、ヨシ刈り作業に驚いて出てきたのでしょう。
- 今シーズン最多の33種類の野鳥が観察できました! 標柱2番付近の湿地にはジョウビタキのオスとメスの姿が。近寄ったり離れたり、縄張りを意識している様子でした。また、センター上空をヒメアマツバメが飛び交っていました。
【2024年12月24日(火)】
- ボランティアのみなさまと園内管理作業を行いました。霜柱によるぬかるみの対策として、めだかのT字路に仮設木道を敷設(写真)。標柱4〜5番に敷いてあった仮設木道の一部を移動させるため持ち上げると、そこにはアズマヒキガエルが3匹も! 嬉しい出会いとともに、年内最後の作業が無事終了しました。ご協力ありがとうございました。
- 標柱12番のオニシバリの葉の上に、クモヘリカメムシがじっと止まっていました。越冬のため樹皮の隙間や落ち葉の下などに身を隠すカメムシが多いなか、冬でも葉の上で目にすることがある種類です。よっぽど見つからない自信があるのでしょうか。
- ★野鳥情報★ 八ツ橋の池の堰でカワセミがハンティングをしていました。
【2024年12月22日(日)】
- 年末恒例の「竹を切ろう 門松作り」を開催しました。午前コースは、センターから少し歩いた場所にあるモウソウチク林で竹を切り倒すところからスタート。ボランティアの方による実演のあと、参加者のみなさんにもノコギリを使っていただきました。「一本でもこんなに重たいんだ」「硬くてなかなか切れない…」と、竹林管理の大変さを実感する声がたくさん聞かれましたが、苦労した分、完成した喜びはひとしお! みなさま、ぜひ良いお年をお迎えください。
- コロコロと、園路にヒノキの球果が落ちる季節になりました。地蔵口、標柱5〜6番間、標柱2番付近などで見ることができます。そういえば、同じヒノキ科のサワラの球果ってちゃんと見たことがないなあ、と思い、巡視の途中に標柱10番の足元を探してみると…ありました! 大きさは約6oで、ヒノキの半分。同時期に見られるはずなのに今まで気づかなかったのは、落ち葉や土に紛れるくらい小さかったからのようです。
【2024年12月21日(土)】
- 今日は冬至。一年で最も昼が短く、夜が長い日です。冬のこごえる寒さはこれからが本番ですが、高尾の池をはじめ多くの水辺がお昼ごろまで凍りついていました。
- 地蔵口の園路脇に生える一本のサンショウ。夏の間は通りかかるたび、爽やかな葉の香りをかいだり、アゲハの幼虫はいないかな? と探したりして、何となく気にかけ続けていたスタッフでしたが…。冬になって久々に見に行き、思わずニッコリ! 葉が落ちたあとの枝に残った「葉痕(ようこん)」と目が合いました(写真)。
- ★野鳥情報★ めだかのT字路で今日もタシギが見られました。
【2024年12月20日(金)】
- 巡視中、標柱16番の草はらの上空に、直線で並んだりクロスしたりして何本も伸びる飛行機雲を見つけました(写真)。まるでブルーインパルスが展示飛行をしたかのよう。思わず足を止め、しばし来園者の方と一緒に鑑賞しました。
- めだかのT字路に今シーズン初確認となるタシギが飛来! トコトコと歩きながら長いくちばしを枯草や泥の中に差し込んで、食べものを探していました。茶色地に複雑な模様のある羽が、背景の湿地にじつによく溶け込みます。「いた!」という喜びそのままに双眼鏡やカメラのファインダーをのぞいても、次の瞬間には「あれ?どこだっけ」…というのが“タシギあるある”です。越冬期は数羽の群れで過ごすことが多いので、1羽いたら、周りを探すともう何羽かいる可能性が高いです。今日は3羽見られました。
【2024年12月19日(木)】
- 写真は、公園正門近くからのひとこま。湿地のヨシの刈り取りが終わり、集草の作業が進行中です。昨日夕方の雨で空気の乾燥はいったん和らぎましたが、刈った草の重みが増し、湿地に足が取られる重労働となりました。近くではジョウビタキが見られました。
- 一方でスタッフは、昨日から来所しているインターンの大学生と一緒に水路のメンテナンス作業。落ち葉と一緒に土砂を上げ、堰を確認してまわりました。うれしかった発見は、水の中で越冬しようとしていたニホンアカガエルが計5匹も出てきたこと。産卵のシーズンが楽しみです♪
- ★野鳥情報★ 桜土手の上空をノスリが旋回していました。
【2024年12月18日(水)】
- ときおり冷たい北風が吹き抜け、上空に筋状の雲が何本も伸びていました。木々は枝先に少しだけ葉を残し冬枯れの様相。写真は、今年の夏〜秋にシラヤマギクの群落がみられるなど、ナラ枯れによる伐採で大きな変化を見せた標柱5〜6番の林の現在の様子です。
- 風が強かったこともあってか鳥たちはまばらでした。いつもなら発見のたよりにする鳴き声も今日はあまり聞こえず…。巡視中、目の前に姿を見せて初めて気づくことが多かったです。湿地の木の上にはカワラヒワ。標柱20番の林にはカケスの群れ。標柱21番の草地からはビンズイが数羽飛び立ち、枝に止まったところを観察できました。
【2024年12月17日(火)】
- ニュースレター「四季」冬号が完成しました。浅黄色の表紙に描かれた、湿地に降り立つキセキレイが目印です。ボランティアのみなさまと一緒に今年一年を振り返りつつ、県内外各施設への発送作業を行いました(写真)。ご協力ありがとうございました!
- 季節が進み、見通しが良くなった園内。枝に止まっている野鳥を探して、あちこち見まわしていると、今シーズンもウスタビガの繭がらを発見! あずまやの裏のアカメヤナギの高い位置にぶら下がっていました。黄緑色が残っているので、この秋に羽化したものでしょう。こうしてずっと暮らし続けてくれるよう、雑木林の環境を保つための管理作業を行っていきます。
- ★野鳥情報★ 標柱5〜8番の湿地からクイナの声が聞こえました。
【2024年12月15日(日)】
- 午後、高尾の池の周りがにぎやかでした。池の奥の氷がとけて水面が広がったところでは、マガモのオスが盛んに羽ばたいて水しぶきを上げたり、水中に潜ったり。池畔の樹上では数羽のカワラヒワが鳴きながらシデ類の実をついばみ(写真)、その下をエナガとシジュウカラの混群が飛び交っていました。
- 日当たりの良い草地で、もぞもぞ…と何かが動いたような気がして足元をよく見ると、アヤモクメキリガがいました。体長4cmほどのガの仲間です。初冬に羽化して成虫で越冬。早春まで出会う機会がある種類です。その名のとおりの木目(もくめ)模様は、冬の景色に溶け込むカモフラージュ。夜行性なので昼間に見つけられてラッキーでした。
【2024年12月14日(土)】
- 年内最後の「生きものいきいき隊」でした。活動のテーマは前回に続いて、高尾の森の希少植物の保全とコナラ林の再生。北風でかじかんだ手足をほぐすため、準備体操をしてから(写真)林床のササ刈りを行いました。作業の合間には、一足早くお正月の縁起物であるカラタチバナやヤブコウジの赤い実を観察。また、木についていたムネアカハラビロカマキリ(外来種)とハラビロカマキリ(在来種)の卵鞘を比較しながら、見分け方なども解説しました。ご協力ありがとうございました!
- 高尾の池でハンティングをしていたダイサギ。今日は少し視点を変えて、食べている魚の種類に注目してみました。捕らえた瞬間をすかさず観察すると、最初にドジョウ、次はギンブナ、ヌマムツ、そしてまたドジョウ…と、様々な種類の魚を食べていることが分かりました。
- ★野鳥情報★ 標柱19番〜20番間にルリビタキのオスがいました。
【2024年12月13日(金)】
- 今朝、熊谷地方気象台では−1℃と今期最低気温を記録。高尾の池は全面結氷しました。この冷え込みを合図に、昨日まで青葉を残していたクワが一気に落葉。標柱11番付近では、園路を埋め尽くすほど積もっていました(写真)。黄色や褐色の葉をつけていたエノキやケヤキ、ミズキもあと数枚を残すほどに。ふれあい橋の周りでは、ゆる〜い表情に見えるクズやクサギの葉痕が観察できました。
- 見通しが良くなり、本格的なバードウォッチングシーズン到来! 巡視中、各所でシジュウカラやヤマガラ、コゲラ、メジロの混群に出会えました。また、標柱11〜12番間の湿地にはカシラダカやアオジ、標柱7番付近のアカメヤナギにはシメが止まっていました。
【2024年12月12日(木)】
- 高尾の池で初氷を観測しました。真ん中にドーナツ状に水の部分が残り、全面結氷とまではいきませんでしたが…。薄く張った氷の上には早速セグロセキレイが一羽降り立ち、食べものを探して歩き回っていました。近くにはカワセミもいました。
- 昨日に続いて赤い実の話題。標柱20番でヒヨドリジョウゴの実が熟していました。上から見ると、ヘタのついたミニトマトみたい! それもそのはず、トマトと同じナス科の植物です。でも毒があるため残念ながら食べられません。漢字で書くと「鵯上戸」。野鳥のヒヨドリが好みそうというのが種名の由来ですが、実際はどうなのかというと…。今日見かけたヒヨドリたちがつついていたのはノイバラ、そしてムクノキの実でした。
- ■内装工事進行中■ 「ネイチャーQ&Aシアター」を含む1階展示室奥のエリアが休止中です。
【2024年12月11日(水)】
- 今年はコマユミが超豊作!(写真)標柱3〜5番にかけての北里の森沿いを中心に、各所でた〜くさん実っています。朱色の仮種皮に包まれた種子の上には、くるんとカールしたえんじ色の果皮がちょこんと乗っかって、まるでベレー帽をかぶっているかのよう。また、標柱20〜21番間のマユミにはメジロの群れがやってきていました。
- 毎年恒例、湿地のヨシ刈りが始まりました。本日作業を行ったのは、標柱19番からかわせみ池にかけて。少し前までヨシ、ウキヤガラ、ミゾソバなどに覆われていたエリアがすっきりしました。きっと様々な鳥たちが見られることでしょう。明日以降も引き続き各所の刈り取りと集草、耕耘を行います。公園の湿地環境を維持していくため、みなさまのご理解とご協力をお願いいたします。
【2024年12月10日(火)】
- ボランティアのみなさまとの園内管理作業で、竹林のお手入れをしました(写真)。年末恒例のイベント「竹を切ろう門松作り」へ向けての準備のための作業です。下草を刈り、枯れ竹を切り倒して整備。作業中、園内では少ないサンショウの幼木を数株見つけたので、刈らずに残しておきました。林縁では狂い咲きのホトケノザやコスミレが見られ、休憩の合間に観察できました。ご協力ありがとうございました!
- 標柱15番のケヤキの樹皮を歩く、4mmほどの甲虫がいました。大きな複眼がチャームポイントのメダカチビカワゴミムシです。川岸や湿地の他、畑の周りや雑木林など場所を選ばず出会えますが、数は多くありません。園内では、越冬前のこの時期によく見かけます。
- ★野鳥情報★ 標柱20〜16番の上空をハヤブサが飛んで行きました。
【2024年12月8日(日)】
- 二十四節気の「大雪」。日没後は一気に気温が下がりました。そんな今日の写真の主役は、夜空に浮かぶ月…ではなくその左上に輝く土星(写真をクリック)。望遠鏡をのぞくと“輪っか”も見えました! このあと18〜19時頃、土星が月に隠れて再び現れる「土星食」が起こります。撮影したのは17時頃ですが、時間を追うごとに土星が月にどんどん近付いているのが肉眼でも分かりました。幸い雲もなく観察にはぴったりの夜。みなさんも南の空を見上げてみてはいかがでしょうか♪
- “虫の冬越し”をテーマに、「定例自然かんさつ会」でエノキの落ち葉に隠れるゴマダラチョウの幼虫や、木肌そっくりの翅のキノカワガを観察しました。センター近くでキヅタの葉裏に止まるウラギンシジミを紹介していると、参加者の子どもがその少し上をゆび指して「コレもでしょ?」とひとこと。なんとキタテハが止まっていました。落ち葉そっくりの見た目にスタッフはすっかり見落としていましたが…。やはり子どもの目はスゴイなぁと感心しました。
【2024年12月7日(土)】
- 野あそび教室「はっけん!自然のカタチ リースを作ろう」を開催しました。落ち葉を光に透かしたり林に寝転んだりして、自然にひそむ色んな形を探したあと、本日の主役、ぐるぐると伸びる形が特徴のクズつるのもとへ。好きな太さのつるを編み込んでリースを作り、部屋に戻って飾りつけをしました♪ 拾ったイチョウの葉や、緑色のヒノキの葉、ヘクソカズラやノイバラ、センダンの実を毛糸で結んで…完成〜!(写真)子どもはもちろん、大人も夢中で手を動かし、個性あふれる素敵な作品ができました。
- 標柱17番から16番へと上る坂の途中、コナラの幹に赤い点が見えました。大きさは3mmほどですが、目をひくそれはカイガラムシの一種。真っ赤なグミのような見た目、そしてブナ科の木にいることから、カシノアカカイガラムシのメスと思われます。園内で見られる大型種、オオワラジカイガラムシに近い種類ですが、本種はロウ状物質をまとわずツヤっとしています。
【2024年12月6日(金)】
- 黄葉は最盛期を少し過ぎて、今は落葉のピーク!! 卵型のエノキの葉はくるくると回りながら、薄く大きなクズの葉はたゆたうように散る様子が見られました。中でもすごいのはクヌギ!(写真)細長くカーブを描いた葉が青空を次々に滑ってゆく様は、大海原へ漕ぎ出すボートのようでした。
- 夕方、風がおさまると高尾の池は周囲の景色を映す水鏡に。水鳥たちで大いににぎわい、マガモ、コガモ、ダイサギ、バン、クイナ、カワセミが見られました。
- ■内装工事進行中■ 1階の館内展示を大幅に縮小しています。「ネイチャーQ&Aシアター」は今週末は上映しますが、12/13〜休止予定です。明日は館内で音の出る作業を予定しています。ご了承下さい。
【2024年12月5日(木)】
- 記録的な猛暑となった今年の夏、窓辺で涼を与えてくれていたセンター横の緑のカーテンを撤去しました(写真)。来年のために、ウマノスズクサやセンニンソウの根元から伸びるつるを切らないようにして網を回収。壁にひっつくジャコウアゲハのさなぎが見やすくなりました。
- 桜土手にマメハンミョウがいました。普通は真夏の昆虫ですが、今も生きているなんて! いかに今年が暖かかったか、ということでしょう。翅は黒地に黄色いライン。頭部は鮮やかな朱色をしています。黒・赤・黄という有毒昆虫特有の警告色を身にまとったこの虫は、体内に猛毒のカンタリジンという毒素を持っています。
- 冬尺蛾の季節! 標柱9〜10番間、そして12番付近でクロスジフユエダシャクのオスを今シーズン初確認しました。飛ぶ姿をずっと視線で追いかけましたが残念ながら止まることはなく、林の奥へと飛び去っていきました。
【2024年12月4日(水)】
- 師走とは思えないほどのぽかぽか陽気が続いています。例年だと池に薄氷が張ってもいい頃ですが、まだその様子はなし。水の中も温かいようで、木道沿いの流れではミナミメダカの群れが元気に泳ぎ回っていました。また、標柱13番の浅い池の泥底には、ダイサギらしき大きな鳥の足跡がくっきりと残っていました(写真)。
- 駐車場入口のモウソウチクに絡まるエビヅル(ブドウの仲間)の葉が赤く色づいていました。黄色やオレンジ色に染まる種類が多い中、エビヅルは公園やその周辺で数少ない「赤く」紅葉する植物です。
- 巡視中、鳴き声がした方に目やると、北口の電線に一羽のビンズイが止まっていました。セキレイの仲間ですが、水辺よりも林を好みます。ほぼ毎年、公園では冬に数羽の群れが見られますが、薄茶色の羽が風景に溶け込んで探すのが難しいので「ズィー」と聞こえる鳴き声をおぼえるのが発見の近道♪ 似た鳥としてよくタヒバリが挙げられますが、こちらは開けた草地のような環境を好みます。
【2024年12月3日(火)】
- 冬の日ざしが黄葉した木々を透かしながら園路を照らしていました(写真)。標柱3番付近では、コアジサイが黄緑色からようやく濃い黄色へ。同じ種類でも場所によって染まり方に違いがあり、比べて観察するのもおすすめです。
-
10月頃、標柱5〜6番間で咲き乱れていたシラヤマギク。花はすっかり終わりましたが、今は冠毛が目立っていました。公園で見られる野菊の中では、本種とノコンギク、シロヨメナが長い冠毛を持っています。カントウヨメナ、
シロヨメナ、ユウガギクは1mm以下の短さです。 2024年12月5日:記事を修正しました。シロヨメナは長い冠毛をもっています。
【2024年12月1日(日)】
- このところの朝晩の冷え込みで、木々の落葉が進んでいます。湿地内のヤナギ類の多くはすっかり葉を落とし、青空に枝ぶりが映えて見えました(写真)。一方雑木林では、青葉をのこしているもの、黄葉が見頃のもの、枝先でわずかに枯れ葉が揺れるものまでさまざま。今年も残すところあとひと月。日ごとにうつろいゆく木々の変化に注目です。
- 園内各所の常緑樹の葉裏にウラギンシジミが止まっていました。一週間以上同じ場所から動かず、本格的に越冬体勢に入った様子。中には、翅についばみ痕(ビークマーク)が刻まれた個体も。無事、春を迎えられることを祈りつつ、見守りましょう。
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