北本自然観察公園日記 2021年5月
【2021年5月30日(日)】
- 日中は気温がぐんぐん上がり、夏のような陽気に! 夕方になると入道雲が出て猛烈な雨が降りました(写真)。
- 湿地で吸水するモンシロチョウとスジグロシロチョウの集団。よく見ると全てオスでした。実は、吸水に集まるチョウのほとんどがオスであることが知られています。体温を下げるため、また生殖やメスを探して飛び回るのに必要な成分をとるための行動と考えられています。
【2021年5月29日(土)】
- スダジイの小枝にとまるコミミズクを見つけました(写真)。といっても野鳥ではなく、セミやヨコバイに近い昆虫の方。冬場に幼虫を見つけることはあっても、成虫は意外と見つからない虫です。
- ふれあい橋近くの湿地でアサギマダラを目撃しました。南方で越冬した個体が、繁殖場所である本州中部の山地へと移動する途中にこの公園を通過していきます。
- 子供公園口付近でハエドクソウの花が咲き出していました。米粒ほどの小さな花ですが、よく見れば赤いガクに白い花弁、薄緑色の花筒と、なかなかに上品な姿です。
【2021年5月28日(金)】
- センターからかわせみ池へと向かう木道沿いの湿地(写真)には、小さな生きものたちがい〜っぱい! 湿ったコケの上を飛びはねる小さなニホンアカガエルや、スイスイと泳ぐモツゴやミナミメダカの稚魚。アメンボやヒメアメンボ、シマアメンボなど、たくさんのアメンボの仲間も観察できました!
- 標柱16番の草はらでクリの花が咲き始めました♪ 白いひも状に見えるのは、小さな雄花がたくさん集まったもの。その根元付近に1つか2つ、雌花があります。
【2021年5月27日(木)】
- 巡視の時、薄暗い場所を抜けて開けたところに出たときに、木の葉からこぼれ落ちたしずくが、一瞬きらりと光りました…。と思ったのですが、あれ、しずくが空中に静止して光ってる!? 不思議な現象に目をこすりながら近づくと、しずくの正体は腹部が銀色に輝くシロカネイソウロウグモでした。大きさは3oほど。ジョロウグモなどの巣に居候する種類で、ご丁寧にもしずくのような形をしています(写真)。
- 標柱13番のすぐそばでニワトコの実が熟してきました。
【2021年5月26日(水)】
- ボランティアのみなさまとの園内管理作業で、木道の補修を行いました。傷んだ箇所をベニヤ板でふさぎ、滑りやすくなっていた階段下や傾斜部分に滑り止めの金網を敷設しました。ご協力ありがとうございました。
- かわせみ池近くで産卵中のクロスジギンヤンマを発見。ギンヤンマはオスとメスが連結して産卵しますが、本種はメスが単独で行います。途中、パトロール中のシオヤトンボにアタックされていましたが、せっせと水草に産んでいました。
- ★野鳥情報★ めだかのT字路付近の茂みから、オオムシクイの声が聞こえてきました。
【2021年5月25日(火)】
- 標柱20番近くの草地で、モンシロチョウの飛翔集団を見つけました。おそらく、1頭のメスをオスが追いかけているうちに集団になったのでしょう。写真を撮って数えると…なんと全部で7頭いました!!(写真)
- 朝、八ツ橋近くの木の枝に、突如としてぶんぶんと羽音をたててうごめく塊が出現! その正体はセイヨウミツバチの群れ。春〜夏にかけて、ミツバチの群れの一部は新しい巣へと引っ越す「分蜂(ぶんぽう)」を行い、このように一時的に集まることがあります。攻撃性はないので、そっとしておけば大丈夫。午後にはもう塊はなくなり、数十匹の働きバチが残るのみとなっていました。
- ★野鳥情報★ 高尾の池でカワセミが見られました。
【2021年5月23日(日)】
- 久々の青空に草木の緑が輝いていました!(写真) 湿地ではヤナギの綿毛、柳絮(りゅうじょ)が風に乗ってふわり。八ツ橋の池では、これまたふわふわの羽のカイツブリが水面にぷかり♪ 毎年この時期に見られる“ふわふわコラボレーション”です。
- 春先、まるで針のように細く頼りない姿だったナナフシモドキの幼虫。雨をしのぐため葉裏に隠れていたのか、ここ最近は姿を見かけませんでしたが…。本日、2匹並んでいるところを発見! 5cmほどの大きさに成長していました!!
- ★野鳥情報★ 桜土手付近でホトトギスが鳴いていました。
【2021年5月22日(土)】
- 巡視中に出会う昆虫たちも、夏らしくなってきました! めだかのT字路付近でベニシジミの新成虫を発見。春型よりも翅が少し黒っぽい夏型の個体でした(写真)。また、湿地の近くではサラサヤンマのメスが見られました。
- 標柱20番付近のマユミの木にキバラヘリカメムシがいました。最近、大きくなりはじめた実がお目当て。ストロー状の口をさして汁を吸います。実が増えていくにしたがって、このおしゃれなカメムシを見る機会も増えてきます。
- ★野鳥情報★ センター近くの茂みから、メボソムシクイの鳴き声が聞こえてきました。
【2021年5月21日(金)】
- 高尾の池近くの園路沿いで、ネジキが咲き始めました。釣鐘型の小さな花が無数に並ぶ姿が可愛い♪(写真) 例年は枝の高いところに花をつけますが、今年は根元から伸びた枝先でも開花しているため、目線の高さで観察できます。
- 雨が降ってしっとりとした一日でした。枯れ枝からはプルプルのタマキクラゲ、湿地ではカエルたちの大合唱が響いていました。また、木々の花や実が濡れてツヤツヤに輝いて見えました。
【2021年5月20日(木)】
- ハエトリグモの中でも出会えると格別嬉しくなるのがヨダンハエトリのオス。特別珍しいわけではないですが、さりとていつでも見つかるわけでもない種類です。頭部を彩る紅白のバンドに、正面から見ると白いひげを生やした粋なおじいさんのような風貌。いつも見惚れてしまいます。15番付近の草地で出会う機会が多いです。
- センターの2階から外を見ると、木々の梢を紙吹雪のように舞う多数の白い「チョウ」。どこかにとまるわけでもなく、ひらひらと舞い続けていました。これは、実はキアシドクガという昼行性の蛾で、半透明の白い翅と黄色い脚が特徴。ドクガ科ですが無毒の種類です。
【2021年5月19日(水)】
- 園内各所でエゴノキが満開です!! 今年は例年と比較しても特に花付きが良く、毎年見ているスタッフでさえ、近くを通るたび思わず感嘆の声をもらしてしまうほどの見事さです。めだかのT字路付近では、園路に枝が被さって美しい花のトンネルを作っていました(写真)。
- 標柱16番の林沿いにあるリョウブ。ここ数日“ある昆虫”に出会えないかと、欠かさず葉っぱをチェックしていました。そして本日、ついに葉脈に沿って伸びた特徴的な食べあとを発見! そっと近づくと…いました、いました。水玉模様がおしゃれなシラホシカミキリです。
【2021年5月18日(火)】
- 一日中、雨模様…。そんな今日は、しっとり濡れた地面からベニタケの仲間が、朽木からキクラゲがにょきにょき♪ 実が熟し始めたクワの木では、ミスジマイマイも見られました(写真)。
- 標柱19番の近くでヒゲコメツキのオスを発見。インパクトのある目立つ姿をしていますが、公園ではなかなか見られない昆虫です。5〜7月頃に成虫になり、小さな虫を捕食します。
【2021年5月16日(日)】
- オニグルミの葉にとまる謎の虫。全身に綿あめをまとったような姿で葉を食べていました。これはクルミマルハバチの幼虫。ハバチの仲間は、成虫になっても毒針を持たない「刺さないハチ」たちです。
- 標柱5番付近でコナラの幹に絡まって咲く、テイカカズラの花が満開になっています。まるで巨大なクリスマスツリーのようで、その圧倒的な迫力は感動もの。園路から少し離れているので、双眼鏡を使用しての観察がおすすめです。
【2021年5月15日(土)】
- 写真は八ツ橋の池の様子。ヨシやウキヤガラの茂みから、カイツブリの「キュルルルル…♪」という元気いっぱいの鳴き声が聞こえてきました。
- めだかのT字路を歩いていると、コムラサキが目の前に止まりました。傷の無い翅を見ると、羽化したてのようす! 角度によって紫色に輝く美しい翅を期待しつつ、開いたところをみると…あれ? 茶色? 実は紫色の輝きがあるのはオスだけなのです。
【2021年5月14日(金)】
- 昨夜の雨に濡れた林沿いを歩くと、くっきりとした緑陰に季節の流れを感じます(写真)。林縁で目を引いたのが赤い実たち。ウグイスカグラにヤマザクラ、オオシマザクラが真っ赤な実をつけていました。
- オオヨシキリやウグイスの元気な鳴き声に混じって、最近よく耳にするのが「一筆啓上仕り候」とききなしされるホオジロのさえずりです。今日もセンター近くの梢で自慢の歌声を響かせていました♪
【2021年5月13日(木)】
- 園路沿いの草地で目立つようになったジョウカイボンの仲間。肉食性の甲虫類です。ちょっと変わった和名は漢字で書くと「浄海坊」。これは、平清盛の法名(ほうみょう)とされていますが…その意味は定かではありません。今日は標柱2番付近で、黒い頭部と赤い胸が鮮やかなクビボソジョウカイを見つけました(写真)。大きさは1cmほどです。
- 北里の森沿いでコアジサイが満開になりました。白い小さな花が多数集まって咲いています。花自体は白いのですが、少し離れると淡い紫色に見えます。これは横に開いたおしべの軸が藤色をしているため。このおしべの色が、なんともいい味を出しているのです。
【2021年5月12日(水)】
- ボランティアのみなさまとの園内管理作業で、ビオトープ見本園に茂っていたカラムシやアズマネザサの刈り取りを行いました。合わせて、カントリーヘッジの整理(写真)と、センター近くの粗朶(そだ)積みのお手入れも実施。ご協力ありがとうございました!
- 「愛鳥週間(バードウィーク)」がやってきました! 野鳥に親しみながら保護の重要性を知ってもらおうと、毎年、5月10日〜16日までの期間に設けられています。鳥たちはただいま、子育ての真っ最中! 巡視中に出会ったスズメは、巣で待つヒナたちのため次々に昆虫を捕らえては飛び去り、大忙しの様子でした。温かく見守ってくださいね♪
【2021年5月11日(火)】
- いつもは雑木林よりはるか高いところを飛び交っているツバメたちが梢より低く降りてきて行ったり来たりしていました(写真)。これは食べ物となる小虫たちが湿気のせいで低い場所を飛ぶため。「ツバメが低く飛ぶと雨が降る」とはよく言ったもので、しばらくすると、ぽつぽつと雨が降り出しました。
- 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、明日から5月31日(月)まで公園の駐車場を閉鎖します。公園及びセンターはご利用いただけます。ご不便をおかけしますが、ご協力をお願いいたします。
【2021年5月9日(日)】
- 一夜堤から子供公園口の園路沿いのあちこちにあるアマチャヅルに、トホシテントウの新成虫が集まっていました(写真)。また、標柱16番の草はらでは、クロスジギンヤンマにも出会えました。
- しばらく前からタチヤナギの真綿のような種子が湿地周辺で舞っていましたが、2週間ほど遅れて開花したアカメヤナギの種子がいよいよ飛び始めました。低木のタチヤナギと高木のアカメヤナギでは種子の量がケタ違い。これからが本格的な柳絮(りゅうじょ)の季節に入り、時には吹雪のような景色が見られます。
【2021年5月8日(土)】
- 八ツ橋の池の水漏れ対策のため、堰の補修を行いました(写真)。湿地の生きものたちのためにも、欠かせない作業です。
- 湿地の近くでタヌキ発見! しかも2頭!! 水辺をじぃ〜っとのぞいて何か食べものを探しているようでした。木の実のほかに、魚類や両生類、甲殻類も食べる雑食性です。
- 今日は「世界渡り鳥の日」。渡り鳥たちの生息環境を保全するための普及啓発を目的としたキャンペーンです。公園で元気よくさえずっているツバメやオオヨシキリも、じつは、日本から3000q以上離れたフィリピンやマレーシアなどの東南アジアの国々から渡ってきています。初夏は、身近な場所で渡り途中の鳥と出会うチャンス! ぜひこの機会に、旅する彼らのくらしに思いをはせてみてください♪
【2021年5月7日(金)】
- どんより曇り空からの雨…。園内各所で、盛んにシュレーゲルアオガエルが鳴いていました。さらに耳をそばだてると、キンヒバリの澄んだ音色も聞こえてきました。
- 標柱4番付近のサワフタギの葉でシロシタホタルガの幼虫(写真)を発見! 派手な模様は警告色で、触れると毒液を分泌して身を守ります。近縁のホタルガはヒサカキやサカキなど生垣に使われる植物を食樹とするため、市街地でも見かけます。一方、本種はサワフタギの仲間の植物しか食べず、埼玉県の平野部ではほとんど見られません。
【2021年5月5日(水)】
- 園路沿いの明るい場所で、オヤブジラミが咲き始めました。真っ白に見えますが、近づいてよく見ると、花弁はピンク色に縁どられています(写真)。こんな時ルーペがあると便利。自然観察がより楽しくなります。また標柱19番付近でエゴノキ、センター近くでスイカズラも開花しました。
- 5月5日は端午の節句。しょうぶ湯につかると暑い夏を丈夫に過ごせるといわれています。公園内の一夜堤付近にはショウブの群落があります。効能があることを知ってか知らずか、その合間をカルガモがゆっくりと泳いでいました。
【2021年5月4日(火)】
- 一日中、すっきりとした青空が広がりました(写真)。気温もぐんぐん上がり、センター近くに設置した温度計は28℃に! 歩いていると少し汗ばむくらいの陽気でした。
- 様々な種類のアゲハチョウがひらひら♪ 後ろ翅の白い模様がトレードマークのナガサキアゲハのメスに、羽化したてのクロアゲハ。水色のラインが美しいアオスジアゲハ! 巡視中、あちこちで吸蜜している様子が見られました。
【2021年5月3日(月)】
- 標柱19番近くの湿地でホトケドジョウの稚魚を発見!(写真) ざっと数えたところ、周辺で20匹以上見つかりました。1〜3cmほどの小さな体で、活発に泥の上を行ったり来たり…。水底の色に馴染んでいるので、根気よく探してみましょう。
- アオハダの葉裏にとまっていたワカバグモが、交尾中のウスイロクビボソジョウカイを捕らえていました。捕獲した方も、された方も肉食性の虫。まさに弱肉強食の世界でした。
- ★野鳥情報★ オオヨシキリのさえずりを今シーズン初確認! ふれあい橋近くの湿地から聞こえてきました。
【2021年5月2日(日)】
- 天気がコロコロかわった一日。午前中、曇り空が晴れてきたなと思っていたら急に雨が降り始め、お昼過ぎには青空が広がりました。雨が上がったタイミングで外に出てみると、水分を吸った植物たちがツヤツヤに♪ 標柱13番近くのヘビイチゴの実も輝いて見えました。
- 夕方、めだかのT字路はカエルたちの大合唱に包まれていました。アマガエル、シュレーゲルアオガエル、トウキョウダルマガエルの声があちこちから! さらに、クイナの「クイーッ」という声も響いていました。
【2021年5月1日(土)】
- ノイバラの花に来ていたアシナガコガネ。全身がうす緑色の鱗片に覆われた小型のコガネムシです。その名のとおり、後脚が長いのが特徴です(写真)。条件のよい場所では無数に発生することがあります。ただ発生期間は短いようで、いつの間にか姿を消してしまいます。
- 標柱15番の草はらに、コバネヒメギスの幼虫がたくさんいました。大きさは、大人の小指の爪ほど。水辺などの湿った環境でよく見られるヒメギスと外見がとても良く似ていますが、本種は乾燥した草はらを好む傾向にあります。
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