北本自然観察公園日記 2024年7月
【2024年7月31日(水)】
- 閉館間際に空の様子が一変。灰色の雲に覆われたかと思うと風が木々を激しく揺らし、やがて夕立となりました。雲間から太陽が顔を出したその隙を逃さず、カメラを片手に急いで外に飛び出すと…やっぱり!! ふれあい橋に見事な虹がかかっていました(写真)。
- 林沿いを歩くと、色んな種類のセミのぬけがらが次々に目に飛び込んできます。反対に注意深く探さないと見つからないのが、草にくっついたカマキリの脱皮殻や、網に引っかかったクモの脱皮殻です。セミとは違い、薄くひらひらとしていてすぐに風にさらわれてしまうので、あったらラッキー! 虫たちが成長している証です。
【2024年7月30日(火)】
- 一夜堤でじっと止まるクロシタシャチホコを見つけました(写真)。園内で見られる「樹皮に溶け込む模様のガ」の中では、翅を広げて5〜6cmと大型。目立たないようで存在感があり、この類のガの中では、問い合わせの多い種類です。幼虫はツバキ類の葉を食べるので、雑木林だけでなく民家の庭など身近な場所でも出会えます。
- 続々と夏の盛り〜秋の花が咲いています。標柱5番の林沿いではシラヤマギクやコバギボウシが見られました。標柱4番付近のハエドクソウやミズヒキなどの小さな花々も魅力的。道端でひっそりと見ごろを迎えていました。
【2024年7月29日(月)】
- あ、暑い!! 熊谷地方気象台では最高気温40.0℃を記録。雲も少なく、容赦のない日ざしが降り注ぎました。
- 鳥好きのスタッフにとって、野鳥が少ない盛夏であっても“無いと落ち着かない”のが双眼鏡です。とっておきの出会いを期待して、今日も巡視へ。子供公園口のミズキに集まるメジロを観察していた時のこと。何の気なしに視線を移した木の枝先に、何かが止まっていました(写真)。すかさず双眼鏡をのぞくと、今シーズン初確認となるウチワヤンマ! さらに、数十メートル先の枝にもう1匹! さらにさらに、めだかのT字路のヤナギの木の上にももう1匹! 思いがけず、昆虫観察に双眼鏡が大活躍した日でした。
- ★野鳥情報★ 高尾の森の上空をトビが2羽飛んでいました。
【2024年7月28日(日)】
- ここ数日、夕暮れ時の雷雨が続いています。人や園路に影響があっては大変とスタッフはドキドキ冷や冷やさせられますが、植物たちにとっては猛暑の狭間の良いお湿りになったようです。幹を覆っていた苔は緑を増し、まるで原生林を思わせる写真が撮れました。
- 園内各所でクモが増えてきました。一夜堤近くの園路沿いで網に隠れ帯を作っていたのはコガタコガネグモ。めだかのT字路付近では、ナガコガネグモがショウリョウバッタを捕らえて糸でぐるぐる巻きにしていました。また、腹部の緑色がきれいなサツマノミダマシは葉の上でじっとしていました。
【2024年7月27日(土)】
- 高尾の池のカイツブリのヒナが、親のくちばしから渡された何かを懸命に食べようとしていました(写真)。潜水が“十八番(おはこ)”の鳥なので、魚かエビかなと思いましたが、今日の獲物はギンヤンマ! 翅が邪魔をするようで、何度も吐き出してはくわえ直してを繰り返し、最後には頭からペロリと飲みこみました。
- 夏の恒例「セミのぬけがら調査」の1回目を開催しました。公園に生息する5種類のセミの鳴き声を聞き分けながら、林沿いを歩いてぬけがら探し。結果は、ニイニイゼミ168匹、アブラゼミ208匹、ミンミンゼミ13匹、ツクツクボウシ4匹、ヒグラシ2匹の合計395匹でした。参加者の方から「去年よりもニイニイゼミが少ないね」と気づきの声が上がりましたが、まさにその通り!! 例年、1回目はニイニイゼミが圧倒的に多いのですが、今年はアブラゼミが上回る驚きの結果。猛暑の影響でしょうか…? 2回目の調査は8月10日に行います。
【2024年7月26日(金)】
- 昨夜の雨風で上空のちりなどが吹き飛ばされたようで、今朝は秋空を思わせる青空と雲が広がっていました(写真)。一方、雑木林沿いではニイニイゼミに加え、アブラゼミやミンミンゼミ、そして今シーズン初確認となるツクツクボウシの大合唱が響き、まさに夏本番といった雰囲気でした。
- クワの葉の上に止まる、交尾中のツマグロヒョウモンを見つけました。何か違和感があってジッと見ると…おや、脚が少ない? じつは、本種を含むタテハチョウ科の仲間は前脚が退化しているため、6本ではなく4本脚に見えるのです。メスはその4本でちゃんと立っていましたが、オスはさらにもう一対をもたたんで2本脚になり、前につんのめるような姿勢に。交尾しながら飛ぶとき、チョウの場合、羽ばたくのはどちらか片方だけ。もう1匹は完全に相手にお任せ! なので、このペアの場合は恐らくオスがメスにお任せしていたために、止まったときにちょっとおかしな姿勢になったものと思われます。
- ★第8回ホタル調査★ 公園全体で215匹。雨のためか一週間前の半分ほどでしたが、まだ見ごろです。
【2024年7月25日(木)】
- ボランティアのみなさまとの園内管理作業で、標柱6〜7番付近にあるノジトラノオとハダカホオズキの生育地のお手入れをしました。希少な両種を傷つけないように、周りを覆っていたササやつる植物を丁寧に刈り取り。今シーズン1株だけ花を咲かせたノジトラノオには、すでに実がついていました。移動中にはカイツブリの親子やルリモンハナバチとの出会いも! 蒸し暑い中での作業でしたが、ご協力ありがとうございました。
- 各所でクサギの花が咲き進んでいます。標柱20番にやってきていたのはナガサキアゲハ。公園で見られる黒いアゲハの仲間は何種類かいますが、尾状突起がないのが本種の見分けポイントです。
【2024年7月24日(水)】
- 青空が広がっていた午前から一変。正午になると、冷たい風と激しい雷雨が通り過ぎました(写真)。たちまち空が暗くなり、それまでにぎやかだったニイニイゼミやアブラゼミ、ミンミンゼミの合唱はぴたりと止み、しばらくすると林の奥からヒグラシの声が聞こえ始めました。
- 標柱5〜6番にあるコナラの樹液酒場に珍しいお客さん。ウラギンシジミがやってきていました。早春に樹液を吸っているのを見たことがありますが、食べものの多そうな真夏でも利用するようです。樹液にやってくるチョウのほとんどはタテハチョウの仲間。シジミチョウの仲間がキタテハやカナブン、シロテンハナムグリたちと一緒にいる様子は新鮮に感じました。
【2024年7月23日(火)】
- 大暑を過ぎ、連日猛暑日が続いています。巡視中に標柱5番で出会ったのは、日差しでこんがり日焼けしたキアゲハ…ではなく、黒化型と呼ばれる翅の黒みの強い成虫(写真)。これは遺伝によるものです。まれにしか現れないので、ちょっぴりうれしい出会いでした。
- 今年も、センター前にプランタービオトープを設置しています。「キッズ生きもの研究室」を受講している小学生たちが4月に作ったものです。先月と比べて草丈がぐんと伸び、プランター全体に茂ってきました。水中にはコナギかミズアオイと思われる細長い葉がたくさん。花や実をつけるまで種類がはっきりしないので、どちらが咲くか楽しみです。
【2024年7月22日(月)】
- 標柱6番から7番へ向かう園路で、ヤマノイモが咲き始めました(写真)。近縁のオニドコロはクリーム色の小さな花ですが、ヤマノイモは薄暗い木陰でも目立つ白色。咲いても花被片が少し開く程度です。ところが、一部の花は内部が見えている…? どうやらヤマイモハムシがかじった痕のようです。
- 夏、散策する際に気をつけたいのは毒のあるケムシです。その中でも、最近見かける機会が多いのはヨツボシホソバ類の幼虫です。毒針毛を持ち、葉ではなく地衣類などの菌類を食べています。今日も木の幹の他にも、ふれあい橋、八ツ橋などの人工物で発見。他のケムシとは違う場所にいるので、知らずに触れないよう要注意です。
【2024年7月21日(日)】
- 最高気温35℃を超える猛暑日となりました。風が通り抜ける木陰が嬉しい〜! そんな今日の写真は、木々と空が織りなす自然のアート。まわりを囲む樹種によって、光と影の境界線がはっきりしていたり、曖昧だったり…。画材が異なるかのようなニュアンスの違いも、様々な種類の木々が入り混じるこの公園らしいところ。白い雲がふかふかの毛並みのようで、スタッフには空の形がウサギに見えました♪ みなさんには何に見えますか?
- さて、上を見たら今度は足元に注目! 標柱5番付近の地面に小さな赤い粒がパラパラと落ちていました。アオハダの実が熟し始めたようです。ちなみに、近くには先日の公園日記で紹介したルリモンハナバチがやってきていました。
【2024年7月20日(土)】
- 「生きものいきいき隊」で標柱19番近くにあるヒメアカネ湿地のお手入れをしました(写真)。埼玉県で希少種となっているヒメアカネをはじめ、トンボの仲間が産卵しやすい環境となるよう、ヨシやミゾソバ、ウキヤガラを刈り取って開放水面を広げる作業でした。作業中にはショウジョウトンボやニホンアカガエルなども見られ、一息つきながら観察。 今月上旬に咲き始めたタコノアシは、花序を伸ばしていました。蒸し暑い中、ご協力ありがとうございました!
- ふれあい橋の横の道に、大粒の黒いフンが落ちていました。これは何かいるぞ…とその真上を探すと、クヌギの葉にクチバスズメの幼虫がいました。もう終齢なのか親指ほどの太さ。しかも2匹見つかりました。 とがった頭と、ザラザラの体が特徴ですが、近縁のモモスズメの幼虫とよく似ています。ブナ科を食べるのはクチバスズメ、バラ科ならモモスズメと、食草を判断材料の一つにすると見分けやすいです。
【2024年7月19日(金)】
- 標柱19番の湿地でヘラオモダカがたくさんの花を咲かせていました。埼玉県では準絶滅危惧の植物です。細長い花茎の先につく白い花が、水辺に散らばる星のよう☆ さて、この写真のどこかに吸蜜にやってきたマドガが1匹います! 見つかるでしょうか…?
- 園路沿いの木に数羽のシジュウカラが集まっていました。繁殖期を過ぎて木の梢でさえずる姿も見なくなったので、こうしてしっかりと顔を合わせるのは何だか久々な気がします。ちょっと懐かしい気分に浸りつつしばらく観察していると、1羽がパッと飛んで何かを捕獲! くちばしには青虫をくわえていました。
- ★第7回ホタル調査★ 公園全体440匹。まだ見ごろが続いています。
【2024年7月18日(木)】
- 関東甲信の梅雨明けが発表されました! 写真はセンターと青空です。
- 巡視中、来園者の方からヒメカマキリモドキについて質問がありました。公園に生息してはいるものの、見つけるのはなかなか難しい…と、話をした数分後。なんとなんと、スタッフが交尾中のヒメカマキリモドキを発見! 大急ぎで先ほどの来園者の方に声をかけて一緒に観察。場所は標柱15番近くです。目当ての生きものに偶然出会えた幸運と喜びを分かち合いました。
- 水路に胸びれが鮮やかなオレンジ色に染まったヌマムツがいました。普段は巨大なモツゴのような見た目ですが、産卵期にはこうしてオスに婚姻色が現れます。カワムツと同種として扱われていた過去があり、以前はカワムツA型と呼ばれていましたが、2003年に再分類されました。本来、埼玉県には生息していなかった国内移入種です。
【2024年7月17日(水)】
- 今日から8月25日まで、夏休みシーズンに合わせてセンターは毎日開館します! 入口の「生きものマップ」の情報をたよりに散策に出かけるのはもちろん、開館中いつでも参加OKの「館内クイズラリー」へのチャレンジも大歓迎♪(写真) ぜひ、お立ち寄りください。
- 標柱5番で盛りを迎えているアキノタムラソウの花に、ルリモンハナバチが1匹、蜜を求めてやってきていました。幸せを呼ぶ青いハチ“ブルービー”として、毎年この時季になると問い合わせが多い昆虫です。そのほか、かわせみ池でカワセミ。南口で、南部鉄瓶のような模様の翅に藍色の金属光沢をもつハッカハムシなど、青い生きものをよく見かける一日でした。
- 標柱5〜6番間のハナイカダの実が黒く熟してきました。春に咲く花はあまり目立ちませんが、大きくふくらんだ実はなかなかの存在感。すぐ隣に看板が立っています。
【2024年7月15日(月)】
- 今朝、ふれあい橋で吸水をしながら、とびきり美しい翅をパタパタさせている大きなチョウがいました。しばらくすると翅を広げたので、その瞬間を激写! 後翅のエメラルド色に輝く帯からミヤマカラスアゲハかと思いましたが、その帯が上に向かって三角状に広がっていることや、後翅の裏に白帯がないことなど、全体の特徴からカラスアゲハと分かりました。
- 三連休最終日の「定例自然かんさつ会」では、ウラギンシジミの幼虫さがしに挑戦! ところが、今日はあっという間に見つかってしまいました。お尻についている2本の突起が花序からはみ出ていたおかげで、まさに頭隠して尻隠さず"状態(写真)。ひっくり返して全身を見ると(写真をクリック!)、「ウミウシみたい!」という海の日らしい感想をいただきました。
【2024年7月14日(日)】
- 生きもの調べ方講座「変形菌」を開催。今年も東京農業大学の田留健介氏に講師としてお越しいただきました(写真)。室内の講義では、不思議な変形菌の生態や分類、そして意外と世界で共通種が多いことなどについて触れました。野外実習ではマメホコリやツノホコリから始まり、シロウツボホコリやサカズキホコリの仲間、クダホコリなど13種類が見つかりました。特に人気だったのは、標柱4番付近の丸太についていたタマモチモジホコリと思われる種類。まるでミクロの花畑のような光景に驚きの声が聞こえました。
- めだかのT字路では、梢でさえずるホオジロをよく見かけます。今日は標柱5番付近を歩いている時、地面で何度も頭を振っている様子を目撃。「下に降りているなんて珍しいなぁ」と思い写真に撮ると、くちばしには羽化したてで柔らかそうなセミをくわえていました!
【2024年7月13日(土)】
- 野あそび教室「夏のみずべと どろんこあそび」を開催しました。シオカラトンボが飛び交う湿地がイベントの舞台。最初はおそるおそる…片足ずつそ〜っと池に入っていた子どもたち(写真)も、メダカやアメンボを追いかけているうちに全身どろんこ! 池の底からすくいあげたどろを、家族と体にくっつけ合ってひんやりパックを楽しんでいる子もいました♪ 梅雨の晴れ間の青空のもと、時間めいっぱいまで遊びました。
- 一夜堤を通りかかったとき、青緑色に輝くシルエットが見えました。昨年に続き、またもやオオアオカミキリを発見。本来は山地性の種類です。しかも今日はオニグルミの幹に産卵していました! 図鑑によると幼虫が食べる木の種類はサワグルミ。公園には生えていないのにどうしてるんだろう? と思っていましたが、こうして別の種類の木で命をつないでいたのですね。
【2024年7月12日(金)】
- 一日中雨模様。昼過ぎには風景が白く煙るほど激しく降りました。そんな中、公園のまわりの畑や草地の上を盛んに飛びまわっていたのは無数のツバメ。地面のスレスレを低く飛んで虫を追っていました。雨粒が乗った草の茎の上には、白いロウ物質でできた綿をくっつけたハゴロモの仲間の幼虫がいました。普段はまるで求愛中のクジャクのようにこの綿を広げていますが、今日は雨にぬれないようにするためか、シュッと閉じて歩いていました。写真は、セリの花で雨宿りをしていたツバメシジミです。
- 梅雨明けの発表もまだですが、ほんのちょこっとだけ秋の気配♪ シラカシの枝先にはたくさんのどんぐりの赤ちゃん! 標柱16番の林のふちには緑色のクリのイガ。センター周辺では秋の七草のひとつ、赤紫色のクズの花がモビールのように垂れ下がっていました。
- ★第6回ホタル調査★ 公園全体で345匹。見ごろが続いています!
【2024年7月11日(木)】
- 「木が傾いています!」と巡視中のスタッフから報告があったのが午前10時前。八ツ橋のたもとで日陰を作っていたコナラの大木が、13時半頃に倒れてしまいました(写真)。木の根元が腐っていて、横に張り出した枝の重さに耐えられなかったようです。人にも施設にも被害がなかったのは幸いでしたが、園路が枝で覆われてしまったため、通行止めにしました。現在、標柱2番から3番への通り抜けができません。明日の夕方の通行再開を目指して、撤去作業を進める予定です。
- 朝方にサーッと降った雨が止むと、きらびやか&カラフルな昆虫たちが現れました。南口には金ぴかのジンガサハムシ、標柱5〜6番のヤマユリの花の周辺には数匹のルリボシカミキリ。桜土手の細長いイネ科植物の葉にはアカハネナガウンカが5匹ほど集まっていました。
【2024年7月10日(水)】
- 初夏、八ツ橋の池のカイツブリのペアに3羽のヒナが誕生し、すくすくと育ちました。そして高尾の池のペアからもヒナが誕生!! しばらく姿が見られませんでしたが、今日は園路に近い場所に3羽そろって元気に泳いでいました!(写真)
- 林縁を歩いていると、トンボの仲間に出会う機会が増えました。いったん枝から飛び立っても、静かに待っているとまた近くに止まります。巡視中、最も見かけたのはナツアカネ。まだ未成熟でオレンジ色の体をしていました。他にもコノシメトンボやオオアオイトトンボ、ハグロトンボなど個性豊かな面々も登場。水平に止まったり、ぶら下がったり、翅を閉じていたり開いていたり... 種類ごとの過ごし方の違いも見どころです。
【2024年7月9日(火)】
- 標柱20番付近で、コナラの木積みの上にトカゲが現れました(写真)。園内でよく見かけるニホンカナヘビとは違い、全身がつやつやしたヒガシニホントカゲです。園内ではカナヘビより出会う機会の少ない種で、県内でも準絶滅危惧とされています。曇りの今日は、好みの木の上もあまり熱くなかったようで、しばらくじっとしていました。
- 陽射しはなくとも蒸し暑い日。標柱12番近くの湿地で吸水していた黒い影がヒラヒラと林の中へ。後を追うと、木の枝で大きな翅を開いて休んでいたのはクロアゲハのオスでした。吸水していたときは翅を閉じていましたが、休むときは開いて止まることが多いようです。
【2024年7月7日(日)】
- 連日の猛暑ですが、林沿いを歩くと時折心地よい風が吹いてきました(写真)。それに加えて、各所でヤブミョウガの白い花が見ごろを迎え、目でも涼を感じさせてくれました。
- センター前の身障者用駐車スペースの脇でアケビコノハの幼虫を2匹見つけました。片方は体が暗褐色で、緑の葉を背景によく目立ちますが、もう片方は緑がかった体色が葉にまぎれて難易度高め。とはいえ、トレードマークともいえる2つの目玉模様はクッキリ!
【2024年7月6日(土)】
- 館内で「七夕屋台」を開催しました。公園の竹の枝を使って、七夕飾りを作るイベントです。色とりどりの飾りや、願いを込めた短冊を作りつつ、公園にくらす竹に由来のある生きものについてスタッフが解説しました(写真)。みなさんの願い事がかないますように! 明日も開催します。
- 標柱5〜6番でヤマユリが大輪の花を咲かせました。しかも2輪! 辺りに甘い香りを漂わせていました。ナラ枯れで木を伐採し、日当たりが良くなったことが影響しているのでしょう。園内ではここにしかない希少な植物です。
- 標柱6番近くを巡視中、園路脇の草の上を飛ぶミドリシジミの姿が目に留まりました! 金緑色の輝きが見えたのでオスです。発生期の6月になっても姿が見られなかったので、一安心。止まったところを観察すると、翅は少し色あせている様子。しばらく前に羽化していたようです。
【2024年7月5日(金)】
- 花が好きな昆虫はチョウやハチの仲間ばかりではありません。めだかのT字路のしぼんだカラスウリの花にはクロウリハムシ。さらに標柱6〜7番では、クズの花が散った後のしおれた花びらをかかええて食べるササキリの幼虫に出会いました(写真)。ササキリは、幼虫も成虫も雑食性。自然の中ではイネ科の植物の穂や昆虫などの死骸を食べていて、飼育下では果物や野菜も食べます。
- 標柱3番付近で「ニーニー」とヤマガラの声がしました。あたりを探すと、枝の上でしきりに実をつついているところを発見。やっと大きくなってきたエゴノキの実の外皮をむしり、中の種子を出そうとしている様子。しかし、両足でつかんでいた実をぽとりと落としてしまいました。まだ食べごろではなかったのでしょうか…。
- ★第5回ホタル調査★ 公園全体で407匹。見ごろです!
【2024年7月4日(木)】
- 標柱15番のケヤキの幹で、羽化の最中のセミを見つけました! 昼間には珍しい光景。殻が泥をまとっていること、翅に色がついていることからニイニイゼミだとわかります。成虫の数が増え、公園中で「チィ〜」と合唱が聞こえるようになりました。
- 桜土手のソメイヨシノでクビアカツヤカミキリの成虫を確認しました(写真)。サクラ類やウメ、モモなどの木の内部を幼虫が食べ、木を弱らせたり、枯らしたりすることが問題となっている特定外来生物です。埼玉県内の各所へ分布を拡大していましたが、ついにここにも来てしまいました。公園内にもサクラ類やウメの木があるので、今後の動向に注意していきます。園内で見かけた際はセンターまでご連絡ください。
【2024年7月3日(水)】
- ボランティアのみなさまとの園内管理作業で、親子向けイベント「野あそび教室」の準備として、フィールドとなる湿地の整備を行いました。水際のガマやヨシ、ウキヤガラを刈り取り、周辺を草刈り。作業中には上陸間近のシュレーゲルアオガエルやギンイチモンジセセリが見られ、上空をヤマトタマムシが飛んでいきました。蒸し暑い中、ご協力ありがとうございました!
- 標柱5番でアキノタムラソウが開花。スジグロシロチョウが吸蜜に来ていました。ちなみに先月、多くの方の反響があったムラサキシキブは、花が終わって緑色の小さな果実ができています。秋に色付くのが楽しみです♪
- 南口の園路脇にいたニッポンマイマイ。草地や林のふちで見られる種類です。汗をかきかき巡視中だったスタッフには、山型に盛り上がった殻の形がまるでソフトクリームのように見えました!
【2024年7月2日(火)】
- ふじみ野市立福岡小学校3年生のみなさんが校外学習のため来園。野外観察はもちろん、工作や館内の展示見学を通して生物多様性について学びました(写真)。途中、夏の生きものたちとのラッキーな出会いも♪ 池を泳ぐカルガモの親子に、レースを広げたキヌガサタケ。ルリボシカミキリは子どもたちの目の前に飛んできました。お昼休憩をはさんで午後までの活動でしたが、さようならの直前まで活発に質問が出て、時間が足りないくらいでした!
- センター前の草むらの中から「プツン・ピチチ…ピチチ…」とツユムシの声が聞えてきました。近縁種のエゾツユムシやセスジツユムシに比べて鳴き声が小さいうえ、非常に高音のため聞き取りづらいです。頑張って探してみましたが、残念ながら姿は見つけられず。明るく開けた草地を好み、公園では初夏と秋の2回、成虫が発生します。
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