北本自然観察公園日記 2021年10月
【2021年10月31日(日)】
- 夕方、センターの屋根のいちばん高い所にアオサギがとまっていました。やわらかな光がもれる雲をバックに佇むシルエットが、まるで「風見鶏」のよう! 右、左と時折向きを変えたり、翼を伸ばしてリラックスしたりする様子が見られました。
- 園路を歩いていると、足元から小さなガが飛び出しました! ナミテンアツバです。注意深く後を追い写真に収めましたが、少しでも目を離すと見事に落ち葉に紛れてしまいます。年に一度、秋ごろに羽化し成虫で越冬します。アツバの仲間はよく似た種類が多いですが、翅にある黒い点が本種のオスの特徴です。
【2021年10月30日(土)】
- 社会貢献活動(CSR)に三菱電機株式会社関越支社のみなさまが来園しました。例年どおり、高尾の森の下草刈りを実施(写真)。希少な植物たちを守るため、継続して行っていただいています。ご協力ありがとうございました!
- 標柱8番付近でコカブトを発見。カブトムシのメスを小さくしたような見た目で、胸部がへこんでいます。オスは頭の先端にある小さい一本角がトレードマーク。ミミズやイモムシなどを食べる肉食性で、公園ではなかなか出会えません。
【2021年10月29日(金)】
- 雲一つない秋晴れ!(写真) めだかのT字路で空を見上げると、ノスリが旋回していました。
- 園内各所で、オオアオイトトンボを良く見るようになってきました。本種はこの季節に、水面近くの木の枝などに産卵します。晩秋まで観察できるのも特徴です。
【2021年10月28日(木)】
- 園内管理作業では、ボランティアのみなさまと一緒に標柱10番付近の土留め柵の補修を行いました。あわせて、園路上の落ち葉をはき、落ちていた枝なども片づけました。ご協力ありがとうございました。
- 日向はぽかぽか陽気でした。標柱13番付近でアサギマダラがひらひら♪ すぐ近くのアキノノゲシは黄色い花が終わり、綿毛を飛ばしていました。
【2021年10月27日(水)】
- 一雨ごとに季節が進み、標柱16番近くのエノキの黄葉が始まりました(写真)。一方、標柱19番ではケヤキの落ち葉が園路を埋めつくしています。葉の付け根には小さなタネがたくさん! ぜひ、手に取って観察してみてください。
- 巡視中、虫たちの卵が目にとまるようになってきました。ススキの茎にはオオカマキリ、センターの壁にはハラビロカマキリの卵鞘。ゴツゴツとしたクワの木の幹には、白い綿のようなジョロウグモの卵のうがくっついていました。
【2021年10月26日(火)】
- 冷たい雨の朝から一転。厚着で歩いていると汗ばむくらいの陽気となりました♪(写真) 湿地を歩いていると、道脇をヒョウモンチョウの仲間がひらり。見ると、公園では珍しいオオウラギンスジヒョウモンでした。色あせた傷だらけの翅をいっぱいに広げ、気持ちよさそうに日光浴をしていました。
- 冬鳥の種類がどんどん増えています。先週までに確認されたカシラダカ、アオジ、シメに加え、今日は標柱5番付近でジョウビタキのオスを発見! めだかのT字路の湿地からはアリスイの鳴き声が聞こえてきました。高尾の池ではオシドリのメスが1羽見られました。
【2021年10月24日(日)】
- キッズいきもの研究室4回目「伝えよう! 生きものの情報」を開催しました。スケッチや写真、実物である標本を比較し、それぞれの情報の利点と欠点について意見を出し合い、考えを深めました(写真)。最後は昆虫の標本作りを通して、生きものを標本にする意味についても学びました。
- 標柱7番〜南口の湿地で、ガマの穂が綿毛を広げはじめました。また、少し前まで多くのチョウが集まっていた標柱10〜11番間のトネアザミもそろそろ花は終盤。綿毛の種を飛ばし始めています。
【2021年10月23日(土)】
- 冷たい風が吹きました。日陰は特に寒く、お日さまが恋しい…。園内の生きものたちも同じようで、夕方、日が当たって温かくなった八ツ橋の手すりにアキアカネがずら〜り!(写真)写っているのは片側だけですが、実際には両側の手すりに並んでいました。
- 標柱5番付近の湿地をチョコチョコと歩いていたのはキセキレイ。カメラを向けるとスッと飛び立ち、近くの木に止まりました。
【2021年10月22日(金)】
- 雨が降ったりやんだりの一日。そんな中でも鳥たちは元気に動き回っていました。カワセミは鋭い声を上げながら湿地や池の上を一直線に飛んでいき、ヤマガラはエゴノキの実をついばむのに夢中!(写真) あずまや近くの木陰では、渡り途中と思われるキビタキのメスが見られました。
- 深まる秋を象徴するかのような、鮮やかな赤い実が増えてきました。ノイバラ、カラスウリ、ガマズミ、ヤブコウジなどなど…。一口に“赤”と言っても、深紅から夕焼け空のような橙色に近いものまで、種類によって様々です。
【2021年10月21日(木)】
- 上尾市立大石小学校2年生のみなさんが来園(写真)。ガマの穂やアキアカネ、大きな網を張るジョロウグモなど、秋ならではの生きものを観察しました。湿地では青空を舞うトビ、ノスリ、オオタカなどの猛禽類が次々に登場し、盛り上がりました!
- 巡視中、チョウの仲間が多く見られました。陽だまりでルリタテハが3頭まとまって日光浴。園路脇のカントウヨメナの花の周りを、キタテハやキタキチョウ、ウラナミシジミがひらひら♪ 標柱19番付近では、旅の途中のアサギマダラとの嬉しい出会いもありました。
- ★野鳥情報★ 高尾の池にトモエガモがいました。
【2021年10月20日(水)】
- 西高東低の冬型の気圧配置により風は強かったものの、澄んだ青空が広がりました。桜土手からは白い雪をかぶった富士山がくっきり!(写真) 奥多摩、秩父まできれいな山並みが望めました。
- 高尾の池に100羽を超えるコガモが集結!! その中にハシビロガモが1羽混じっていました。ふいにトレードマークである大きなくちばしを開いたので、すかさず撮影。すると、中に細かな櫛状の突起が確認できました。これで水中のプランクトンなどをこしとって食べます。観察の際はぜひご注目ください!
【2021年10月19日(火)】
- 川越市立仙波小学校3年生のみなさんが来園しました(写真)。「秋を楽しもう!」をテーマに公園を散策。林沿いの園路に落ちたアオハダの実やコナラのどんぐり。湿地上空を舞うトビや、草むらにひそむクビキリギスを観察しました。
- 標柱15番付近で、ころんと丸いヤマノイモの“むかご”を発見!(今日の写真をクリック) 大きさは1cmほど。タネとは違いますが、ぽろっと落ちるとそこからも新しい芽が出ます。また、センター横の緑のカーテンや標柱4番付近では、ハート型の葉が美しい黄色に染まってきていました。
【2021年10月17日(日)】
- 朝から雨が降りヒンヤリとした空気。日に日に秋らしさが増しています。
- 子供公園口近くのカラスウリの葉裏で、トホシテントウの幼虫をたくさん見つけました。ぱっと見ただけでも1つのつるで大小10匹以上! もっといるかな? と下からのぞき込むと、食痕のついた葉の葉脈がきれいに透けて見えました(写真)。寒い日が多くなり落葉する頃、木の幹などに移動して幼虫で越冬します。
- ★野鳥情報★ 子供公園口付近でビンズイに出会いました。
【2021年10月16日(土)】
- 生きものいきいき隊で、ふれあい橋横の土道で増えている外来植物のシンジュやニセアカシアの除去を行いました。ロープ柵や周囲の木々に絡んでいたクズやカナムグラなどもあわせて刈り取り。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました(写真)。
- 巡視中、サトクダマキモドキに遭遇。名前は、サト(里)にすむクダマキ(クツワムシ)モドキ(クツワムシに似た昆虫)という意味で、確かに見た目はそっくり。でも、生態は大きく異なります。ツル植物が多い草地を好むクツワムシに対して、本種は樹上性。さらには、空を長距離飛べる、メスも鳴くなどなど…。あげたらキリがないくらい異なる点があり、もはや別の名前を付けてあげればよかったのでは? と思ってしまいます。
【2021年10月15日(金)】
- 標柱3番近くで、朽木から生えるたくあんを発見!?…ではなく、黄色い変形菌のアメーバがきのこにまとわりついて、捕食しているシーンでした(写真)。アメーバはじわじわときのこを溶かし栄養を得て、しばらくすると移動します。
- 暖かな場所でひなたぼっこをしている生きものたちを見かけました。標柱15番付近のススキの葉の上ではハヤシノウマオイ。そのほかに、ツチイナゴやカナヘビの赤ちゃんも!よほど気持ち良かったのか、近づいてもじ〜っとしていました。
【2021年10月14日(木)】
- 写真は、高尾の池を仲良さげ〜に泳ぐ2羽のマガモです♪ 換羽(かんう:古い羽が抜けて新しい羽に生え換わること)が進み、オスの頭は深緑色に変わってきました。
- 朝、100羽ほどのヒヨドリが、ふれあい橋の上空をにぎやかに鳴きながら飛んでいきました。公園周辺では一年を通して見られるものの、こうして南へと渡っていく大きな群れが観察できるのは、この時期ならではです。また、一夜堤付近ではアサギマダラを今シーズン初確認! こちらも渡りの途中です。
【2021年10月13日(水)】
- 朝からしとしと雨模様(写真)。巡視中、落ち葉の間からぴょんとニホンアカガエルが飛び出してきました。標柱14〜15番にかけての坂道の途中では、アズマヒキガエルとの嬉しい出会いも! 大人の両手にようやく乗るくらいの立派な大きさ!! 園路の端でしばらくたたずんだあとで歩き出すと、林の奥へと消えていきました。
- ここ数日、毎日のように高尾の池で確認されているカワセミ。今日もお昼前の雨が降りやんだタイミングで現れると、ホバリングをしたり、池に飛び込んで魚を捕らえたり! アクロバティックな動きを見せてくれました。
【2021年10月12日(火)】
- ボランティアのみなさまとの園内管理作業で、標柱9〜10番間の園路の補修を行いました。傷んだ土留め柵を交換し、一部は新設。さらに土入れをして路肩を補強しました。ご協力ありがとうございました!(写真)
- 標柱10〜11番にかけて見られるトネアザミの花に、トラマルハナバチが集まっていました。後ろあしには大きな花粉の塊…。ということは、まだ巣は継続しているということ。そろそろ新女王バチが生まれ、活動は終わりを迎える時期だと思いますが。
- ★野鳥情報★ 高尾の池では、今日もオシドリのオスが1羽見られました。
【2021年10月10日(日)】
- 手作り実験教室「太陽光と生きもののヒミツ」を開催。地球にそそぐ熱や光を生きものたちはどのように利用しているのか、実験を通して確かめました。UVライトを使った実験では、人には見えない紫外線を花やチョウの標本に当てて、鳥や昆虫が見ている世界を体感(写真)。また、光を集めて輻射熱(ふくしゃねつ)で水を温める装置を作り、野外に設置。温度の変化により、太陽のパワーを感じました!
- 早いもので、八ツ橋の池を彩っていたワタラセツリフネソウの花はもう終盤。実が熟すと同時に葉が黄色くなってきました。草紅葉が見ごろを迎えようとしています。
【2021年10月9日(土)】
- 標柱6〜7番間のハダカホオズキ。日に日に赤く熟した実が増えています。熟しているのは今のところ3割ほど。緑色から赤色まで様々な状態が見られ、これはこれでカラフルで結構きれいです♪(写真)
- めだかのT字路付近のヨシ原の中から、クイナの鳴き声が聞こえてきました。少しずつ冬鳥の気配が濃くなってきたようです。また、夕方には秋らしいひつじ雲(高積雲)が浮かび、その雲をバックにヒメアマツバメが飛び交っていました。
【2021年10月8日(金)】
- 標柱13番付近を巡視中「ルー、ルー…♪」と何やらさびしげな声が聞こえてきました。もしや、と辺りを探すと、公園では非常に珍しいヒロバネカンタンのオスを発見!(写真)よく似たカンタンよりもやや翅が広いこと、捕まえて裏返したときに腹部に黒い線がないことで見分けられます。南方系の種類で、関東地方では主に暖かな海沿いに多く見られます。
- 来園者の方から情報をいただいて高尾の池に向かうと、オシドリのオスが1羽やってきていました。絢爛豪華な繁殖羽に変わる前の落ち着いた装いですが、くちばしの色は鮮やかな赤色です。
【2021年10月7日(木)】
- 霧雨が降ったり止んだりの園内。連日青空を飛び交っていたアキアカネたちは、雨の止み間をうかがっては、一斉に飛び出したり、枝先に止まったりを繰り返していました。それとは対照的に「もっと降らないかなあ」とでも言いたそう(?)なニホンアマガエルにも出会えました(写真)。
- 標柱7番付近で黄色い花をつけていたヤブツルアズキ。ちょうど熟したさやがはじけ、中から飛び出した種子が見られました。さすがは小豆の原種、黒っぽいですが姿形はそっくりです。
【2021年10月6日(水)】
- 園路沿いでは黄金色の毛が美しいキンエノコロが所々で群生しています。その中で毛の色が紫がかり、粒々が小さめなのはコツブキンエノコロという別の種類です(写真)。こちらも園路沿いの明るい草地で見られます。
- 標柱16番の草はらでメタリックに輝く昆虫を発見! アカスジキンカメムシの若齢幼虫でした。成虫は光沢のある緑に紅色の斑紋が美しいことで有名です。
【2021年10月5日(火)】
- 小学校団体の利用がありました。秋晴れの園内をのびのびと散策。八ツ橋からは、ミゾソバやワタラセツリフネソウの花畑やアサザの花をながめ、まわりの湿地ではモズの高鳴きを聞き、五感をたくさん使った観察ができました(写真)。
- ぽかぽか陽気、日向ぼっこに最適な1日でした。湿地の近くではオオアオイトトンボがひらひら飛び、ヨシの葉にはコバネイナゴがたくさん! 二ホンカナヘビもよく見られました。
【2021年10月3日(日)】
- 巡視中、ジョロウグモの巣に枯れ葉のようなものが引っかかっているのを発見。でもどこか違和感を感じてよく見ると…その正体はコウモリガという蛾でした(写真)。本種は、昼間は枝葉に紛れてじっとしており、さらに夕暮れの短い間しか活動しないため、普段はなかなか目にする機会がありません。クモの巣を観察していると、日中は出会えない生きものの存在を知ることができます。
- めだかのT字路から標柱13番間で、ヒメジソがたくさん咲いています。小さな白い花を2つずつ咲かせています。
【2021年10月2日(土)】
- 台風一過の今日は朝から気持ちのいい青空が広がりました。満開のワタラセツリフネソウとの共演がgood!(写真) そして、スッキリとした空をオオタカやノスリがくるり♪ 気温も上がり、雑木林からはツクツクボウシの声が聞こえてきました。
- 巡視中、八ツ橋から水辺をのぞいてみたら、透き通った池の中にミナミメダカがた〜くさん! まさにめだかの学校でした。また、標柱19番近くではエリマキツチグリやシロツチガキがにょきっと生えていました。
【2021年10月1日(金)】
- 台風の影響で一日中雨…(写真)。生きものたちはひっそりと影をひそめていました。ふだんは葉や枝の上に水平に止まるアキアカネは、できるだけ濡れないように縦に止まり、キジバトは大きなアオキの根元で雨宿りしていました。
- 園内各所でクサギの実が見られます。光沢感のあるコバルトブルーがとってもおしゃれ♪
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