北本自然観察公園日記 2018年2月
【2018年2月28日(水)】
- あたたかな日差しとさわやかな風が心地よいお散歩日和。園内を散策される方が多くいらっしゃいました。巡視中、やぶの中から「ホゥ…ケキョ」と今シーズン初記録となるウグイスのさえずりを確認。さらに木道沿いの湿地では、合計3個のニホンアカガエル卵塊(写真)を発見しました! こちらも今シーズン初記録です。
- 自然学習センター再オープンに向けて、スタッフ総出で準備を進めました。明日からは企画展示「埼玉の自然の守りかた」も始まります。皆さまのご来館を心よりお待ちしております。
【2018年2月27日(火)】
- 公園内各所で咲き始めたウメ。その幹には、コケ類や地衣類以外に、線形の葉を幹から多数垂らした着生のシダ、ノキシノブ(写真)もよく見られます。常緑性なので冬でもよく目立ちます。
- ★野鳥情報★ 標柱21番付近でトラツグミ、高尾の森でアカゲラを確認しました。
【2018年2月25日(日)】
- 公園外での観察会「あらかわ探検隊」は、タヌキの登場とともに始まりました。河川敷を歩きながら発見したのは、ふわふわのガガイモのたねや、ネズミの骨が混じったイタチのふん。双眼鏡を使ってのバードウォッチング(写真)では、魚を食べるタカの仲間、ミサゴを観察しました!
- 北本市西部公民館で開催された、西部地域コミュニティまつりに出展。3月1日の再オープンに向けてPRしたほか、公園の豊かな自然を紹介しました♪
- 草はらの奥でウグイスカグラが開花。ピンク色の星形が可愛らしい、雑木林の春を知らせるお花です。
【2018年2月24日(土)】
- 森の中からチュル・チュルと聞こえてきたエナガの声。見ると2羽が一緒に移動していました。そのうち1羽を双眼鏡で観察すると、巣材になるコケを口いっぱいにくわえていました(写真)。どうやら子育てのためのマイホームづくりを始めたようです。温かく見守っていきたいですね。
- 北本消防署のご協力をいただき、消防訓練を実施しました。Q&Aシアターから出火した想定で、避難経路と誘導方法について確認。訓練は毎年おこなっていますが、来園者の命と安全を確保する立場として、スタッフ全員が改めて気持ちを引き締めました。
【2018年2月23日(金)】
- ボランティアのみなさん14名と、標柱6〜7番の園路に飛び出ていたアズマネザサを片付けました(写真)。桜の季節になると、多くの来園者がこの道を行き交います。一方でササやぶは「春告げ鳥」ウグイスの大切な生息地。生きものへの影響が最小限になるよう心がけ、作業を進めました。今回もご協力ありがとうございました。
- センターのわきでイタチに出会いました。冬から春先は草丈が低く、見かけることも多いのですが、今回は久しぶり。細長い身体をばねのように動かして、走り去っていきました。
【2018年2月22日(木)】
- 一日中気温が上がらず、身体にしみる寒さ。朝から小雨が降り、時折雪に変わりました。
- 2がそろった今日は、その形にちなんでカモにまつわるクイズを出題。写真の中にカルガモが5羽かくれています。さて、どこにいるでしょう? 一方、高尾の池では、マガモが求愛ダンスを披露。見事カップル成立と相成りました。
【2018年2月21日(水)】
- 湿地に大きな足あとを発見しました(写真)。形とサイズから考えて、これはサギの仲間。ほかにもカモの仲間やほ乳類の足あともあり、バリエーション豊かです。観察は、木道方面とめだかのT字路がおすすめスポットです。
- 枯れ葉の上に黄色いものが視界に入りました。キタキチョウがとまっているのかな? と思い、近づいて確認すると、あったのは翅だけ。身体は鳥類の糧となったのでしょう。冬をのりきる厳しさを感じました。
【2018年2月20日(火)】
- 風も無く穏やかな一日。陽だまりでは、ひと足早く咲き始めたタンポポにナナホシテントウがやってきていました(写真)。近くのススキの株の下ではクロヤマアリが活動中! 巣穴の土を運び出していました。
- 草はらでツクシを探そうと、目線をぐ〜っと低くして見ると… なんと、ノウサギのふんを発見! 2pほどの芽生えたてのツクシも見つかりました♪
- ★野鳥情報★ 南口近くでアトリ、 標柱5番近くの湿地でベニマシコ、高尾の森でアカゲラが見られ、めだかのT字路ではホオジロのさえずりも聞こえてきました。
【2018年2月18日(日)】
- スッキリとした青空が広がりました(写真)。風が強く吹き、定例自然かんさつ会の途中には、センター上空を2羽のトビが風にあおられて飛んでいきました。
- 林沿いの園路で、コウヤボウキの総苞(そうほう)が揺れていました。まるで枯草色の花のようですが、これは葉が変化したもの。秋に咲く本物の花や、その後に観察できるふわふわの冠毛など、季節ごとに様々な見どころがある植物です!
- ★野鳥情報★ 標柱2番近くの湿地でアカハラ、子供公園口付近で青いルリビタキに出会いました。
【2018年2月17日(土)】
- 生きものいきいき隊は「ヘイケボタルの保全を目的とした湿地整備」がテーマ。水路の川幅をひろげ、ヘイケボタルが好む流れの緩やかな湿地に造り変えました。水分を含んだ泥をかき出すのは大変でしたが、作業後は広い水面が出来ました。夏にホタルが産卵に来てくれるといいな♪ ご参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました!!(写真)
- 枯れ残っていた野菊の仲間のシロヨメナ。その根元に積もった落ち葉をどけてみると、そこにはもう若葉が出始めていました。山地では普通に見られる種類ですが、公園内に生育する野菊では一番の希少品。可憐な白い花が咲くのは秋が深まった頃です。
【2018年2月16日(金)】
- 林縁に生えるキヅタの実がだいぶ熟してきました(写真)。この時期に、この実を食べに群れでやってくる、 ヒレンジャクやキレンジャクを受け入れる準備はバッチリのようです。今シーズンまだスタッフは姿を確認していませんが、レンジャクご一行様、お待ちしていますよ〜!
- 昨晩はあまり冷え込まず、高尾の池が凍りませんでした。すると池は朝から水鳥たちでにぎやかに♪ ホバリングと飛び込みを繰り返すカワセミに、くちばしを水面に突き刺すようにして魚を捕らえるアオサギやダイサギなど…。野鳥たちの迫力ある狩りの様子を観察できました。
【2018年2月15日(木)】
- 巡視中、近所の保育園からお散歩に来てくれた子どもたちや、バードウォッチングを楽しむ方々など、多くの来園者のみなさんとすれ違いました♪ ウメの花が咲き進む標柱10番近くで、陽ざしに誘われて姿を見せたのは、カナヘビにツチイナゴ! 八ツ橋を分厚く覆っていた氷も、今日は半分ほどとけていました。
- 一夜堤〜標柱7番間の湿地の中に生えているカワヤナギの花芽が、少しづつ膨らんできました。白いふかふかの毛に覆われて暖かそうですが、ぽかぽか陽気の今日は、ちょっと暑そう?! 園路からは距離があるので、双眼鏡での観察がおすすめです。
【2018年2月14日(水)】
- めだかのT字路付近を巡視中、頭上の木から大きな鳥がふわりと飛び立ちました。白い翼に黒い斑紋、ノスリです(写真)。めったにないほど近くからの飛翔に大興奮。真っ青な空に吸い込まれるように、みるみる上空へ昇って行きました。
- ここ数日、公園のあちこちで目撃されているのがモズ。今日は視界に2羽同時に飛び込んできました。もしやと思い双眼鏡を構えると、やはりオスとメス! 熱い追いかけっこの真っ最中でした。また湿地からはチョコっとホオジロのさえずりも確認。そろそろ野鳥たちの恋の季節ですね。
【2018年2月12日(月)】
- 昨日の暖かさから一転、冬の寒さが戻ってきました。それでも生きものたちは元気いっぱい。めだかのT字路の湿地では、薄氷の下を泳ぎ回るメダカの群れが見られました。季節の変わり目ならではの光景です。
- そろそろ「緑」が恋しくなってきたなあ、などと思いながら歩いていたら、木漏れ日の下に青々と茂るシダを発見(写真)。常緑性のヤブソテツです。肉厚でつやのある葉は真冬でも南国のイメージ。やっぱり緑には癒されるなあ。
【2018年2月11日(日)】
- センター横の温度計で最高気温は15℃。高尾の池の氷もどんどん溶け、広がった水面にはマガモやコガモ、ダイサギなど水鳥が集まっていました。また、桜土手では成虫で冬を越す黄色いキタキチョウがひらり! 昆虫たちの活動スイッチが入るほどの暖かさでした。
- 木々から葉が落ちた痕跡である葉痕。ものによっては動物や人の顔に見えるので、定番の冬の観察ポイントです。その中でも特にゴマキの葉痕は、王子様のように見えます(写真)。冬芽を守っていた茶色い外套(芽鱗)が外れて、中の薄緑色の新葉が覗き始めました。
【2018年2月10日(土)】
- 野あそび教室「こどもはかぜの子! 木のぼりにちょうせん」を開催しました(写真)。登り方のコツをお話したら早速スタート! 見上げるような大木にも、みんな体当たりで挑んでくれました。つるにぶらーんとぶら下がったり、横に伸びた枝を平均台のように渡ってみたり…。同じ形の木はひとつもないので、遊び方も色々です。最初、大人の手を借りていた子もあっという間に上達!! 自分の力で高い枝まですいすい登って「見て見て〜♪」と得意気でした。
- 朝、めだかのT字路の園路にひょっこりとクイナが姿を現わしました。声はよく聞きますが、明るい場所に出てくるのはめずらしいです! さらに、同じ場所でベニマシコのオス・メス、一夜堤〜標柱7番には青いルリビタキが登場。午後、正門近くのユリノキにとまるノスリも観察でき、たくさんの野鳥と出会えた一日でした♪
【2018年2月9日(金)】
- 一日中おだやかな天気で、日向に解け残っていたの雪はぐんと小さくなりました。春らしく、シジュウカラのさえずりが園内各所で聞こえ、標柱12番近くなど湿地に生えるハンノキを見上げると、細長い雄花穂がいくつも垂れ下がって揺れていました。
- 一方で、朽木の皮の下で集団で越冬中のナミテントウたちを発見(写真)。鮮やかな模様は様々で個性的なのに、なんと同じ種類なのです。まだ、目を覚ますには早かったかな? 皮をそっと戻しておきました。ごめんよ〜!
【2018年2月8日(木)】
- ボランティアのみなさんと、草はらのクワの木の剪定を行いました。今週末に開催する、木のぼりをテーマにしたイベント「野あそび教室」のための事前準備。イベント中の安全のため、枯れかかっている枝や、込み入った枝を丁寧に切りました。切った枝は一か所に集めて、昆虫たちのすみか作りも! ご協力いただいたみなさま、どうもありがとうございました(写真)。
- ザクザクと、霜柱を踏んだときの音が心地いい♪ 標柱3番〜4番までの北里の森の斜面で、5p以上の超ロング霜柱を見つけました。
- アオキの実が真っ赤に染まりパッと目を引く一方で、あまり目立ちませんが同じアオキのつぼみも膨らんできました。今はまだブロッコリーのような見た目ですが、春に赤紫色のシックな花を咲かせます。
【2018年2月7日(水)】
- 今日の写真は湿地の常連さん、ハクセキレイ。尾を上下に振りながら、素早く走り回るのが特徴です。めだかのT字路ではよく似たセグロセキレイと共に観察できます。
- 南入り口方面から派手なドラミングの音が聞こえてきました。雑木林の方を探すと今日は本物、コナラの幹にアカゲラがとまっていました。やはりご本家は迫力が違います。
【2018年2月6日(火)】
- 空気の冷たい日が続いています。開花の早かった標柱10番の梅林に行ってみると、咲いていた木は2本だけ。花が多い方でも50輪程度でした。早春の花ウグイスカグラはまだ、つぼみもできていない状態。早く暖かくなって〜!
- 一夜堤で派手なドラミングが聞こえてきました。大型のキツツキ? と探してみると、音の出所はなんとヤマガラ。タネを割ろうと、足で抑え込んでつついていました。つかまっていた幹が空洞であったため、反響して大きな音になったようです。
- センター内の工事が進んでいます。展示室にぎっしり詰まっていた足場が一部解体され、シンボルのハンノキが見えてきました(写真)。スタッフも負けじとイベント・展示を急ピッチで準備中。再オープンは3月1日です♪
【2018年2月4日(日)】
- 今日は立春♪ 午前中は陽ざしが暖かく、お散歩が気持ちの良い日でした。センター近くでは、シロバナタンポポやオオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウといった春の花々が咲き始めています。先日積もった雪もだいぶ溶けて、湿地には水がたっぷり(写真)。そろそろやって来るニホンアカガエルの産卵時期に向けて、準備は万端です!
- 日本野鳥の会埼玉の探鳥会がありました。エドヒガン付近でアトリの小群、公園のあちらこちらでジョウビタキのメスを観察。澄んだ青空を悠々と旋回するノスリの姿に、歓声があがりました! また、高尾の池にはコガモたちの「ピリッ ピリッ」という鳴き声が響いていました。
【2018年2月3日(土)】
- 家族で楽しむバードウォッチングを行いました。双眼鏡の使い方を練習したら、いざ出発。もちろん小さな子が双眼鏡を使うのは難しいのですが、だからこそ自力で観察した時の感動は大きいものになります。お家の人に励まされながら、緑色に輝くマガモの頭を見つけられた子の満足そうな顔! スタッフがセットした望遠鏡では迫力ある野鳥の姿も確認でき、大人も子どもも熱中した1時間でした(写真)。
- 節分にちなんだ生きものを探しながら公園を歩くと、まず気付いたのはクズのタネ。毛むくじゃらのさやから小さな「豆」が出てきました。「鬼」と言えば、日増しに大きくなってゆくオニグルミの冬芽や、雪の中で若々しい葉を広げるオニシバリ。センター裏ではヤハズエンドウ(豆)の芽生えを発見した他、やぶの中で鬼退治のキジ♂も見つけました。
【2018年2月2日(金)】
- シーズン2度目の積雪! 早朝は木々の枝先まで真っ白に(写真)。しかし溶けやすい雪だったのか、夕方には今日降った分はほとんど無くなっていました。その分、園路にはぬかるんでいる部分も。散策の際は、長靴がオススメです。
- 午前中、高尾の池に一部水面が広がっていました。そこには久々にマガモの一群。彼らはすでに繁殖期で、ひと組がつがいになっていました。熱々のカップルがいるので氷がとけた?…なんてことはないですね。
- 駐車場の入り口を雪かき中に見つけたのは、ノウサギの足跡。しかし痕跡ばかりでなかなか実物には出会えません。いつか見てみたいな、なんて思っていたら、夕方、ノウサギが駐車場を走り抜けていくのを目撃しました。
【2018年2月1日(木)】
- 地蔵口近くの園路に茶色い実が落ちていました。サッカーボールのような形がユニークです♪ これはヒノキの“球果(きゅうか)”。公園内には数か所、植栽のヒノキがあります。手に取ると、割れ目の間から種子がポロポロッとこぼれ落ちてきました。種子は5mmに満たない極小サイズで、薄いひらひらとした翼があります。観察するとき、土や落ち葉の上から探すのは至難のワザですが、雪上に散っているものは見つけやすいです。
- ★野鳥情報★ ふれあい橋付近の湿地にアカハラ、11番の梅林でヤマガラ。来園者の方からは「めだかのT字路にアリスイとミソサザイがいたよ」と教えていただきました。
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