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北本自然観察公園 自然観察記録 2006年1月

2006年3月10日更新
                                           埼玉県自然学習センター


【2006年1月31日(火)】
○ハンノキの花が咲きはじめました。房状の雄花序が伸びてきて、実体顕微鏡で見ると花粉を出しはじめているのがわかります。雌花は、雄花序の付け根のあたりにまとまってあります。このハンノキの花粉も人によっては花粉症の原因になるようです。

【2006年1月29日(日)】
○水路の中にニホンアカガエルが2匹いました。例年だと2月の上・中旬から3月にかけて卵を産みます。今日は暖かだったので、そろそろ冬眠から目覚めて活動をはじめたのかもしれません。卵を産み終わると本格的に暖かくなるまでまた冬眠に入ります。

【2006年1月28日(土)】
○今日の「手作り実験教室」は「紙をつくろう」がテーマでした。材料はクワです。和紙の材料になるコウゾと同じ仲間ですし、公園内で増えすぎて困っている植物でもあるのでちょうどいいということで材料にしました、公園内からクワの枝を取ってきて、樹皮の下の形成層部分をはぎ取ります。これを重曹で煮て繊維をほぐし、さらにフードプロセッサーで繊維をばらばらにします。こう書くと簡単なようですが手間がかかり、2時間かけて1グループでハガキ大の紙1枚がやっとです。

【2006年1月27日(金)】
○このところ、歩道の土が昼間解けて夜凍る、を繰り返しています。お昼を過ぎると、道がぬかるむところが、所々あります。するといろいろな足跡が付きます。大人の靴、子供の靴、登山靴のように靴底のパターンがハッキリしたものあれば、ブランド名がわかることもあります。そして、大きなイヌや小さなイヌ、タヌキやイタチ、鳥の足跡がわかることもあります。

【2006年1月26日(木)】
○今年は2階から見えるマサキの実がまだたくさん付いています。冬鳥の小鳥類がなかなか来ない、少ないといわれていますが、そんなことも影響してるのかもしれません。そういえば我が家の庭のピラカンサも、いつもの年ならとっくになくなっているのに、今年はまだたくさん実が残っています。

【2006年1月25日(水)】
○2階にある荒川ビオトープのモニターでクイナが見つかりました。一生懸命土を掘っています。ミミズか何かを掘り出そうとしているのでしょうか。たいていはすぐどこかに行ってしまうのですが、かなり長い時間同じ所にいました。公園内でも声はよく聞こえます。

【2006年1月24日(火)】
○湿地の中にたくさんあるタチヤナギの芽がずいぶんとふくらんでいます。冬芽を覆っている茶色い帽子状の芽鱗(がりん)がとれて、銀色の産毛に覆われた芽が見えています。同じヤナギの仲間で、公園内ではタチヤナギより数の少ないアカメヤナギは、この帽子状の芽鱗がありません。

【2006年1月22日(日)】
○昨日の雪は、日かげでは10p近くあります。雪の後は、動物の足跡がはっきり見えて、獣道も探しやすくなります。獣道は公園の中のどこを通っているのかな、最近見かけないけどノウサギの足跡はないかな、小鳥類も探しやすくなって、公園を歩くのが楽しくなります。

【2006年1月21日(土)】
○朝から雪。今日予定していた「里山ボランティア」も中止です。どんどん雪が降り積もって、雪景色に変わっていきます。雪の解けにくい八つ橋の雪かきをしたのですが、やってもやっても、すぐ真っ白になってしまいます。公園内は、1回雪が降るとヨシがかなり倒れるので、見通しがよくなります。

【2006年1月20日(金)】
○夕方、高尾の池の近くを歩いていたら、ヤナギの林の中でただならぬ動物の声がしました。声のする方を見ると、かなりの大きさの鳥が地面の上をばたばたしています。大きさと色合いからノスリではないかと思いますが、運悪く双眼鏡を持っていなかったのではっきりとはわかりません。先ほどの声は、明らかに鳥ではなかったので、このノスリが捕まえたネズミか何かの声でしょう。その後、ノスリは何かをくわえて、3m位の高さの枝に飛び上がりました。

【2006年1月19日(木)】
○高尾の池の氷が溶けて、今日はずいぶん賑やかになりました。今朝のカウントでは、マガモが21羽、コガモが73羽いました。アオサギもいます。公園内ではルリビタキの姿も見かけるようになりました。

【2006年1月18日(水)】
○葉っぱがなくなってさびしくなった落葉樹も、よく見ると春の準備をしています。そんな冬芽をよく観察してもらおうと、センターで冬芽の図鑑をつくって配布しています。図鑑を持ちながら公園内を探してみてください。ところどころの木についている番号札は、図鑑と対応しています。

【2006年1月17日(火)】
○晴れて風が吹くと、小さな綿ぼこりのようなものがフワフワと空を舞います。ガマの穂が「破裂」して、乾燥した日には綿毛のようなものが少しずつ風に飛ばされていきます。その綿毛の中には、よく見ると細かいタネがあります。綿毛が飛んでいるのを見つけたら、捕まえてみてください。

【2006年1月15日(日)】
○冬、落葉樹の葉が落ちると、鳥の巣が目立つようになります。そして、こんな所に巣をつくっていたんだ、と驚くことがあります。2階窓の目の前にも、ヒヨドリのものらしき巣がありました。たくさんの人が観察をする窓から1mくらいしか離れていない場所で、だれにも気づかれずに子育てをしていたようです。

【2006年1月14日(土)】
○冷え込みがゆるみ、高尾の池の氷が半分くらい溶けました。そして、久しぶりに高尾の池でカモが泳いでいました。マガモが雄雌2羽ずつです。そろそろ「お相手」を決める時期のようで、1羽の雄が雌の前でリズミカルに首をすくめ、それに呼応して雌も首をすくめています。首をすくめる回数が雄より雌の方が少なくて、なんとなくおかしかったです。

【2006年1月13日(金)】
○昨日からセンターの建物の塗装工事がはじまりました。屋根の壁の塗り替え作業です。2月下旬まで足場とシートに囲まれてしまいますが、通常通り開館します。2階からの展望もだいぶ遮られますが、隙間はあけてもらいましたので、高尾の池は観察できます。

【2006年1月12日(木)】
○キリギリスの仲間、シブイロカヤキリモドキのオスが車庫の中からでてきました。生きているのか死んでいるのかわからないような姿でしたが、このまま成虫で越冬します。4月〜6月ころが交尾期で、そのころジャーと連続して鳴きます。「シブイロ」というように全体は枯れ草色で、顔が黒色なのが特徴です。

【2006年1月11日(水)】
○久しぶりに穏やかな日で気温も上がり、午後には高尾の池も氷の一部が溶けました。バンが1羽水面で採餌しながら泳いでいます。高尾の池で水鳥が泳ぐ姿は、12月中旬以来だと思います。このところ高尾の池では、アオサギやセグロセキレイ、ハクセキレイ、先日はベニマシコが氷の上を歩いていました。

【2006年1月9日(月)】
○昨日と今日の閉館時間間近に金星の観察会をしました。地球より内側で太陽のまわりを回っている金星は、今月の13日には太陽と地球の間に入り(内合)、月でいえば新月の状態になります。今はその少し前のため、日没直後に西の空低く、細い三日月のように見えます。今日の日没は16時46分。17時くらいになってやっと細い金星が見つかりました。閉館時間より前に星が見える時期はこれでおしまいです。

【2006年1月8日(日)】
○外来種の鳥ガビチョウがちょっと暗い林の中で落ち葉をひっくり返しながら餌をとっていました。雑食性で昆虫や木の実を食べるようです。地上で採食するシロハラやアカハラとそっくりで、彼らと餌の競合が起きている可能性が高いようです。ガビチョウは各地に分布を広げていますが、この餌の取り方のため、積雪の多い地方にはあまりいないようです。

【2006年1月7日(土)】
○桜堤に抜ける道沿いのアオハダの木が赤い実をたくさん付けています。直径7oくらいの鮮やかな赤い実が数個ずつまとまって付きます。シロハラがこの実を食べていました。幹を爪でちょっと削ると、内側が緑色なので、「青膚」という名前になったようです。

【2006年1月6日(金)】
○2階の窓の目の前にあるエノキにカマキリの卵が6個付いています。ハラビロカマキリの卵嚢(らんのう)が5つとオオカマキリの卵嚢が1つです。2階の床くらいの高さなので、地上4m位になります。雪の多い地方では、卵の高さと雪の深さの関係がよく言われていますが、このあたりではどうなのでしょうか。

【2006年1月5日(木)】
○Q&Aシアターの出口の横にある窓ガラスにキジバトがぶつかって死んでいました。ハトの仲間は飛ぶスピードが速いので、気が付いたときにはもう遅い、という状況になってしまったのだと思います。それにしても、その窓は小さく、ひさしも大きく出ていて、ドロバチ用の竹もぶら下がっています。上部にはバードセイバーもあるので、ごく狭い隙間を通り抜けようとしたことになります。猛禽にでも追われて、あわてていたのでしょうか。「再発防止」のため、低いところにもスノースプレーで鳥のシルエットをつくりました。

【2006年1月4日(水)】
○お正月休みの間も、高尾の池の氷は厚みを増していたようです。どのぐらいの厚さなのか計ってみようとスコップで突っついて割ろうとしたのですが、刃が立ちませんでした。10p以上の厚さがあるようです。人が乗っても大丈夫でしたが、これはまねしないでください。

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