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北本自然観察公園 自然観察記録 2004年10月

2004年12月10日更新
                                           埼玉県自然学習センター


【2004年10月31日(日)】
○標柱15へ向かう園路際に、アケビが10〜15cmの紫色で楕円形の実を付けています。つる性の落葉木本で、4月から5月にかけて、紫色の花を付けていましたが、秋の深まりとともに、秋の味覚を代表するといわれる実を付けています。アケビの味を称して、バナナにシナモンが混じったような上品な甘さという人もいる一方、甘いがそれほど美味しくないという人もいます。いずれにしても、最近、果物屋では高い値段が付いているようです。また、野生の実が食べられるかどうかは鳥との競争になります。アケビの名前は、実が熟して割れた様が、人の「あくび」に似ているところから付けられたといわれています。アケビは利尿に薬効があるそうですが、漢字の「木通(あけび)」は「小水が通じるつる木」から付けられたそうです。

【2004年10月30日(土)】
○あずまやに近い北里の森に、コウヤボウキが白い花を咲かせています。キク科の落葉小低木で、関東以西の本州、四国、九州に分布し、日当たりのよい山地や丘陵地などに生育しています。高さは0.5〜1mで、枝には短毛が生えています。葉は短葉で互生し、枝先に直径1cm位の頭花を1個ずつ付けます。花は希に淡紅色もありますが、通常は白色で筒状花が十数個集まったものです。花弁はリボン状で近づいて見ると、なかなか美しく雰囲気もあります。名前の由来は、昔高野山でこの枝をホウキの材料にしたことからだそううです。高野山では、利潤を得る行為を戒めるという意味で、竹、梨、胡桃、桃などの栽培が禁じられていたためコウヤボウキを用いていました。また、京都伏見の酒倉では、酒桶に付いた「にごり」をこの枝で作ったホウキで取り除いたそうです。なお、別名はタマボウキといいます。

【2004年10月29日(金)】
○今日高尾の池に、ミサゴが飛来しました。低空飛翔をした後、何度も池へ飛び込んで魚を捕らえていました。ミサゴの主食は魚で鳥類は襲いませんが、大型猛禽の出現で、高尾の池のコガモ達はパニック状態のようでした。ミサゴはワシタカ類の留鳥で北半球全体に広く分布し、我が国では全国で確認されますが、主に北日本に繁殖しているようです。海岸や大きな湖などで餌を捕ることが多く、当公園での確認例はあまりありません。ミサゴは、全長が55〜64cmで、翼は細長く尾は短いです。また、頭部は白くて、過眼線は黒く、体の上面は黒褐色、体の下面は白色です。そして、胸に黒褐色の帯があり、翼の下面も白色です。ところで、ミサゴというと、江戸川柳の「売り歩く 花の波間の ミサゴ鮨」が思い浮かびます。ミサゴは海岸の岸壁に巣を作り、捕えた魚を蓄え、古い順に食べるという変わった習性があります。貯蔵され古くなった魚が自然発酵し、これを人間が横取りして「ミサゴ鮨」にしたということです。

【2004年10月28日(木)】
○今日センターの職員が、高尾の森から隣の草原に出てきたタヌキを目撃しました。今頃の時期は、子供が親から離れて独り立ちをするので、目撃されることも多いようです。そういえば、10日ほど前には、キツネも目撃されています。ところで、公園内に棲息している動物も生活環境が厳しくなっているようです。今年は桜堤でタヌキが交通事故死しているのが3頭発見されました。このうち、いずれも損傷が少なかった親ダヌキと子ダヌキ2頭を剥製にしてセンターに展示しています。また、台風で木道付近が増水したときに親からはぐれた子ダヌキを保護しましたが、残念なことに衰弱が激しく死亡してしまいました。

【2004年10月27日(水)】
○エドヒガンに向かう園路際の林地に、フユノハナワラビが艶やかな緑色の胞子葉を付けています。本州から九州にかけて分布している多年生のシダ性植物で、日当たりのよい山地や低地の林、林縁に生育します。葉はセリに似ていますが、シダ植物です。夏は枯れていますが、秋になり涼しくなると胞子葉を伸ばし、冬になると花のように見える小さな黄金色の丸い胞子を付けます。冬に穂を付ける野草はめずらしく、緑と黄金色のバランスがよいため、床の間を飾る盆栽として有名です。そのため、別名はトコワラビといいます。茹でて灰汁抜きをしたものは食用になるそうです。また、腹痛や下痢止めに薬効のある漢方薬にもなるそうです。

【2004年10月26日(火)】
○秋の七草のひとつでもあるススキが、公園内各所に白い尾のような花穂を付けています。本来は秋の月見(中秋の名月)に添える花とされているので、時期的には少し遅いような気もします。今年の記録的な猛暑が影響でもしているのでしょうか。ところで、ススキの生育している野原には樹木が侵入してくるため、美しいススキの群落を残すためには、1年に1度焼き払った方が良いとされています。奈良の若草山、箱根の仙石原や山口県の秋芳洞などでは、毎年焼き払いを行っており、テレビのニュースなどで報道されています。なお、ススキと非常に似ていて間違いやすいのがオギです。主にススキは山野や路傍に生育し、オギは湿地に生育するという違いがあるといわれていますが、公園内ではこの違いはよくわかりません。オギの花穂の方が大きくふっくらとしているようです。

【2004年10月24日(日)】
○草原近くの標柱16の園路際に、ガガイモが長さ10cm位で角状の表面が凸凹の小突起のある果実を付けています。ガガイモは北海道から九州に分布するツル性の多年草で、河原や路傍に生育しています。夏に、見た目が肉厚の感じのする淡紫色の花をかたまって咲かせます。花の後に果実を付けますが、熟すると裂開し、中から絹糸状の白い毛を付けた扁平な種子が出できます。種子の先には長毛があり、風に乗って遠くまで飛びます。昔は、この長毛を綿の代用としたそうです。また、種子を乾燥したものは漢方の生薬である「羅摩子」(ラマシ)といい、強精の薬効があるそうです。ガガイモの命名には諸説ありますが、古名のカガミと地下に芋があることから転じたとか、古名のカガミと種子の絹毛が銀色に光る、輝く実から転じたとの説などがあります。センターのホワイトボードも見てください。

【2004年10月23日(土)】
○木道付近に、チヂミザサが小穂を付けています。イネ科の1年草で、林地の木陰、藪などに生育しています。高さ10〜30cmで山野の下草として生える雑草です。笹のように見えること、成葉の縁が波打つように縮れていることから名付けられたといわれています。小穂に長いノギがあり、ノギの部分から粘る液を出し、動物や人間に引っ付き、遠くに運んでもらうことにより、その勢力を広げます。よく見ると、花穂や茎に毛が生えています。ということは、ケチヂミザサかもしれません。

【2004年10月22日(金)】
○今日センター近くの園路に、成鳥のアイガモが捨てられていました。アイガモはマガモとアヒルを交配してできたもので、一部農家ではアイガモ農法といって、アイガモを使って雑草などを取る無農薬栽培を実施していることで知られています。人間を恐れず近づく様子から判断すると、おそらく近くの家庭で小さい頃から飼育していたものの、大きくなりすぎてもてあまして捨てたものと思われますが、ペットとして飼育していた動物には最期まで責任と愛情を持って欲しいと思います。また、公園に動植物を持ち込むことは生態系を乱したり、場合によっては捨てられた動物にとってかわいそうな結果となってしまうので、絶対に止めてください。

【2004年10月21日(木)】 
○高尾の森へ向かう園路際に、メナモミが黄色の花を咲かせています。日本全土に分布しており、山野、原野、道端などに生育する1年草です。高さ90〜120cmで、茎の上部に白い毛が密生し、触るとふさふさしています。茎の上部が分枝し、直径2cmほどの黄色の頭花を散房状に多数付けます。頭花の回りに見られる5本のヘラ状の総ほう片にはベタベタした線毛があり、動物や人間に引っ付いて遠くまで運んでもらいます。ナモミは、ナズムという離れずにまとわりつくという意味からきたといわれています。メナモミはオナモミに対する名前です。なお、若葉は食用になるそうです。

【2004年10月20日(水)】
○木道付近に、ヌカキビが濃緑色の小穂を付けています。日本全土に分布し、平地から山地に生育するイネ科の1年草です。高さ1m位で、茎の先にまばらに小穂を付けます。葉の長さは20cm位、幅6cm位の線形で、葉縁が真っ直ぐで、葉脈がはっきり見えます。枝や小枝は非常に細く、枝は横に大きく広がり、小枝は下に垂れ下がります。茎の切り口は中空の円です。秋には実を疎らに付け、種子は埋土種子となります。発芽してからの成長が早いのが特徴です。

【2004年10月19日(火)】
○標柱15番先の公園出入り口付近に、コスモスがピンク色の花を咲かせています。コスモスは熱帯アメリカ原産のキク科の1年草で、我が国には明治時代の始めに渡来しました。渡来当時は、主に秋に咲き、花弁の形が桜に似ているところから秋桜と呼ばれていたとのことです。コスモスの名前は、「秩序、飾り、美しい」という意味のギリシャ語に由来するそうです。関連して、星が綺麗に並んでいる状態をとらえて、宇宙のこともコスモスといいます。花の色も白からピンク・赤が一般的ですが、品種改良によりカラフルな黄色などもでき、「花畑」としてはいいのですが、自然公園には似合いません。埼玉県内では、岡部町のコスモス街道、吹上町の荒川コスモス街道、加須市の利根川河川敷のコスモス畑、美里町下児玉地区コスモス畑などが有名です。

【2004年10月17日(日)】
○エドヒガンへ向かう園路際に、チャノキ(茶)が白い花をやや下向きに咲かせています。チャノキ(茶)はツバキ科の常緑低木で、ツバキやサザンカと同属で、花も約2cmとツバキの花を小さくしたような可愛い花です。高さは1〜6m、原産地は中国で、我が国には奈良時代に中国から薬用として渡来しました。花は、管理された茶畑ではほとんど咲きません。管理放棄して野生化したものや、生垣などに花を咲かせます。ところで、茶の栽培と飲茶が一般的になるのは、臨済宗開祖の栄西が宋より茶の種子と栽培法、茶の製法を持ち込んでからのことだそうです。また、茶道は室町時代からはじまりましたが、安土桃山時代に千利休が大成させました。一句紹介「茶畑に 隠れんぼする 雀哉」(一茶)。

【2004年10月16日(土)】
○あずまやに近い北里の森に、シラヤマギクが白色の花を咲かせています。北海道から九州に分布し、山地や丘陵の草地などに生育する多年草です。高さ1m以上で、濃い茶色の花茎を長く伸ばし、散房状の頭花を付けます。花は2cm位で、ノコンギクなどに比べて花びらが不揃いで、舌状花の数も少ないですが、力強く、素朴な美しさがあります。上と下の葉がまるで違います。下の葉は長い柄があり心形で鋸葉縁です。上の葉は柄も短く次第に狭くなっています。命名は、白い花を付けて山に生えるところから付けられたといわれています。別名はムコナといいますが、若葉もムコナと呼び食用にするそうです。

【2004年10月15日(金)】
○公園内各所に、アメリカセンダングサが黄色のブラシのような1cm位の小さい花を咲かせています。北アメリカ原産のキク科の帰化植物で、我が国には大正時代に渡来しました。高さ1m位で、河川敷、荒地、道端などに生育しています。果実は平らで、2本の歯のような形の刺があり、動物や人間に引っ付きます。そのため、昔は子供が遊びに使ったそうです。葉の形が樹木のセンダンに似ていて、原産地がアメリカであるところが命名の由来です。別名はセイタカウコギ、クンショウグサといいます。

【2004年10月14日(木)】
○高尾の森に向かう園路際に、ベニバナボロギクが朱赤色の花を咲かせています。アフリカ原産のキク科の帰化植物で、我が国には太平洋戦争後渡来し、北海道を除く日本全土に勢力を広げています。高さは30〜120cmの1年草で、山地、空地、道端などに生育しています。筒状花のみの頭花は下向きに付きます。葉は柔らかく、春菊の香りがし、食べることができます。太平洋戦争中には、兵士達が南洋春菊、昭和草と呼んで食用にしたそうです。花が終わった後に、果実が綿のような長い冠毛がほころばせます。これがボロ布(クズ)に似ているところと花の色から名前がつけられたようです。

【2004年10月13日(水)】
○公園内各所に、ゲンノショウコが白色の花を咲かせています。フウロソウ科の多年草で、山野で普通に目にすることができます。苦い薬としてお馴染みですが、整腸、腹痛、強壮などに薬効があるそうで、飲めばすぐ効果があるところから「現の証拠」と名付けられたそうです。高さ30〜60cmで、茎は横にはったり、斜上したりします。根生葉は長い柄があり5裂していますが、上の葉は3裂し葉柄も短いです。全体に白い毛が付いています。葉腋から花柄が出て、5弁花を咲かせます。秋に実を付けますが、細長い実です。

【2004年10月11日(月)】
○センターの周辺に、アキノノゲシが白と黄色のやや大きめな花を咲かせています。日当たりのよい野原や荒地に生育するキク科の大型雑草で、遠くからでも目立ちます。花は昼間咲いて、夜になると閉じてしまいます。高さは1〜2mで、葉は互生していて、柔らかい羽状に深い切れ込みがあり、先は尖っています。葉の裏は白っぽく、両面とも毛がありません。葉も茎も切ると白い乳液がでます。そのためか別名を、チチクサ、ウサギクサなどといいます。茎も太く、昔は子供がチャンバラゴッコの刀として使ったそうです。遠い昔、中国からニワトリのエサとして我が国に持ち込まれ、それが野生化したそうです。

【2004年10月10日(日)】
○今日あずまやの先の方で、キビタキを目撃したとの情報が寄せられました。よく似たムギマキやマミジロキビタキの可能性もありそうですが、春・秋の渡りの時期には、この公園でも出会うことがあります。キビタキはスズメ位の大きさで、背中と翼、頭と頬が黒色、腹と翼の一部が白色、目の上と喉から胸にかけてが黄色の鳥です。夏鳥として日本全国に飛来し、山地や丘陵地の雑木林などで見ることができます。キビタキは美しい鳥ですが、特に喉の部分のオレンジ色は目の覚めるような鮮やかさです。また、「ピッ、ピッ、ピッ、クルル」という、朗らかな鳴き声も魅力的です。キビタキの英名は、「ナルシス フライキャツチャー」といいます。自分の美つくしさの虜になったギリシャ神話のナルシスは、まさにキビタキの美しさと愛くるしさにふさわしい名前だと思います。フライキャッチャーとは、飛びながらエサを獲る習性からだそうです。

【2004年10月9日(土)】
○公園内各所に、セイタカアワダチソウが直径5mm位の黄色の頭花を穂のように付けています。北アメリカ原産のキク科の帰化植物で、日本では太平洋戦争後に各地で大繁殖をしています。日本全土に分布し、空地や土手などに生育する多年草で、茎が直立するため高さは2.5m位になります。花粉症の原因とされ嫌われていますが、虫媒花のため花粉の量も少なく、花粉も大きいので、これは誤解のようです。ただ、アレロパシーという発芽を抑制する物質を出して在来の植物を追いやってしまうため、問題になっています。花はよく見ると素朴な美しさもあり、生け花の材料としても使われます。命名の由来は、背丈が高く、花が酒を醸造するときの泡立ちに似ているところからだといわれています。なお、日本産のアキノキリンソウ(別名アワダチソウ)は、黄色の花で高さ50cm位です。

【2004年10月8日(金)】
○今日は二十四節季の一つである「寒露」です。意味は「露が寒さで凍ろうとする」です。たしかに、朝夕は寒くなってきましたが、凍るのにはちょっと早いようです。ところで、涼しくなると同時に高尾の池に各種のカモの飛来が多くなりました。最も多いのはコガモで、今朝は120羽確認できました。ちなみに昨日は205羽でした。次に多いのはカルガモの15羽ですが、カルガモは留鳥なので一年中見ることができます。他にはヒドリガモが2羽確認できました。ハシビロガモも昨日1羽確認されました。数日前にはトモエガモも1羽確認されています。カモ以外ではカイツブリとゴイサギも見ることができます。これからカモは勿論ですが、その他の冬鳥の飛来も多くなると思われます。センターの2階は望遠鏡も備えてあり、絶好の観察ポイントです。野鳥に興味のある皆様、是非観察にお出かけください。

【2004年10月7日(木)】
○北里の森に、ノコンギクが薄紫色の花を咲かせています。本州から九州に分布し、野原や山野の道端に生育する多年草で、高さは50〜100cmです。名前は、そのものズバリ、野に咲く紺色の菊から付けられました。秋の野山を飾る野草のひとつで、別名をノギクといいます。花は2.5cm位で、5mmほどの綿毛があり、頭花の外側を乱状花がぐるりととり巻き、中央部に黄色の筒状花が多数集っています。仲間のヨメナによく似ていて区別がむずかしいですが、ノコンギクは葉の両面に短い堅い毛があり、ざらついています。なお、ノコンギクは食用になります。ロゼット葉や花を用いて、おひたしやあえものが作られます。

【2004年10月6日(水)】
○公園内各所に、イヌタデが円形柱の花穂に1〜5cmの紅紫色で米粒のような頭花を密生させて咲いています。北海道から沖縄に分布し、道端、畦道、庭地などに生育する1年草で、高さは20〜50cmです。昔の子供達は、紅紫の米粒状の花を赤飯に見立ててママゴト遊びをしたため、別名をアカマンマ、オコワグサといいます。薬用の効能もあり、食用にもなりますが味がないため、美味しくないそうです。そのため、役に立たないと言う意味でイヌという名前を付けられたそうです。ちなみに、辛味のある若葉を刺身のツマとして使われるのは、栽培種のヤナギタデです。なお、特徴のある花穂のため、生け花の材料としては好まれているそうです。

【2004年10月5日(火)】
○エドヒガン先の歩道際に、ヤブタバコが黄色の小さな花を咲かせています。日本全土に分布していて、人家近くの藪や林などに生育する高さ50〜100cmのキク科の1〜2年草です。太い茎から数本の横枝が伸び、横枝の葉の腋から直径1cmほどの黄色の頭花を下向きに並んで付けます。花は管状花で柄がなく、茎に直接付くため目立ちません。花期には枯れて残りませんが、大きなしわのある根生葉がタバコの葉に似ているところが、命名の由来だそうです。果実は臭気があり、粘液を出します。この粘液で動物や人間の服などに付いて遠くまで運んでもらいます。また、果実は条虫(ジョウチュウ)の駆虫薬に使われます。葉の搾り汁は腫れ物や打ち身に薬効があるそうです。

【2004年10月3日(日)】
○公園内各所に、ホウキギクが白系の小さな花を咲かせています。北アメリカ原産の帰化植物で、明治の末頃我が国に渡来しました。高さ1m位の1年草で、葉は長さ8cm位で細長く艶があり、互生しています。荒れ地や河原で普通に見ることができます。多く枝分かれした茎の上部に小さな頭花を多数付けます。花は舌状で薄い紫を帯びた白色です。多く枝分かれした茎を、ホウキに見立てたのが命名の由来です。別名をハハキギクといいます。花が終わると、綿毛(冠毛)を付けて種を飛ばします。

【2004年10月2日(土)】
○八ッ橋近くの道路際に、キツネノマゴが薄紫色の小さな花を咲かせています。本州から九州の野原や道端に分布しており、高さは10〜40cmで、花は上下二つに分かれていますが、下の花びらの方が長めです。花の大きさは8mmくらいで可愛い花です。名前の由来ですが、長く伸びた花序がキツネのシッポに見えるからといわれています。そういえば、花が終わって種子を散らした果実穂はさらに長く伸びますので、キツネのシッポに似ているかもしれません。マゴというのは小さいものの総称です。見た感じがシソ科の植物に似ていますが、キツネノマゴ科の植物です。
 
【2004年10月1日(金)】
○センター入口に通じる園路際に、ツルマメが淡紫色の花を咲かせています。本州から九州に分布し、明るい草地や路傍に生育するマメ科の1年草です。茎がツル性で、黄褐色の細毛が密生し、他の植物に絡みつきながら長く伸びて繁殖します。花は葉の腋にごく短い総状花序を出し、小さな蝶形花を数個付けます。果実は小さな枝豆のようです。ツルマメとダイズはよく似ています。ツルマメはダイズの原種といわれており、改良されたものがダイズになったそうです。命名の由来ですが、ツル性のマメということからです。別名をノマメといいます。

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