北本自然観察公園日記 2016年8月
【2016年8月31日(水)】
- センター裏でアサマイチモンジが、ひらひら飛んでは止まってを繰り返していました。どうやら食草のスイカズラに卵を産み付けているようでした(写真)。イチモンジチョウとそっくりなこのチョウは、幼虫の形までそっくりで食草も同じ。そのためスイカズラで幼虫を見つけても、どちらなのかはなかなか分かりません。母チョウが去った後を見ると、葉の表にはクリーム色の卵が…アサマイチモンジの幼虫が出てくるのが楽しみです。
- 北里の森の林縁で、ツリガネニンジンが咲いていました。釣鐘型の薄い紫色の花が何とも涼やか。またそのそばでは、もうコウヤボウキが咲き始めました。通常だと目立つようになるのは10月ごろ。応援団のポンポンのような形が特徴的です。
【2016年8月30日(火)】
- 今日も朝から雨が降りました。空気の水分もたっぷりで、今日の写真はモヤがかかった幻想的な風景となりました。
- 一夜堤〜標柱7番までの園路にあるハダカホオズキ。花が終わり、緑色の実を鈴なりにつけています。秋になったら真っ赤になって綺麗なんだよなぁと思いつつ、株を見ていたら、形と模様が特徴的なクロメンガタスズメの4pくらいの幼虫発見。あれ? このシチュエーション…7月にちょっと似ている!? 以前の個体はその後成長して巨大なイモムシになったので、今日見つけたのは別の個体ということになります。
【2016年8月29日(月)】
- 雨が降ったりやんだりと落ち着かない一日。巡視中に見つけたのは、元気モリモリ! と言わんばかりに子実体(しじつたい:胞子を飛ばすところ)を伸ばしたツクツクボウシタケ。ツクツクボウシの幼虫に角がたくさん生えて、まるでトナカイ(!?)のようになっていました。
- 園内管理作業では、7月に続いて10番梅林付近の園路のメンテナンスを行いました。木の杭を新しいものと交換し、園路脇の土留めを補修(写真)。時折雨がパラつく中、作業を進めました。ご協力いただいたボランティアのみなさま、ありがとうございました。
【2016年8月28日(日)】
- 一日中曇り空でした。肌にふれる空気がすずし〜い! 湿地ではツルマメが咲き、ヨシの穂も出てきました。センター前のススキは小さな花をつけています。徐々に近づく秋の気配…。
- キッズ生きもの研究室8月は「セミのぬけがら調査」。園内で鳴くセミの声に耳を傾けながら、採取したぬけがらの同定結果を表とグラフにまとめました(写真)。ここで終わらないのがキッズ研究生たち。どうして種類によってぬけがらの数に差があったのか、理由をみんなで意見交換しました。研究の要となる「考察」を学ぶ回となりました。
- 日本樹木医会埼玉県支部の研修会が開催されました。テーマは「カミキリムシ」。分類や生態をスライドで解説しました。また、近年、問題となっているクロジャコウカミキリ(アロミア・ブンギ)の標本を使い、外来種による樹木の被害についてもお話ししました。
【2016年8月27日(土)】
- 午前中に降った強い雨のおかげで、園内はしっとり♪ 午後に巡視に出てみると、園路脇の落ち葉からハナオチバタケがニョキニョキ生えていました。ほとんどが傘が茶色い褐色型でしたが、木道方面で発見したのはピンク色のかわいらしい紅色型!(写真) 時間がたつと黒ずんだ紫色になるので、雨が降った直後にしかこの色合いは見られません。
- 夕方、湿地から聞こえてきたのはケラの「ビィーーーーー…」という鳴き声。さらに、雑木林からは「スィーッチョン スィーッチョン」というハヤシノウマオイの声も聞こえてきました。
- 大雨の影響で、一夜堤から標柱8番にかけて通行止めにしています。来園者のみなさんにはご不便をおかけしますが、ご協力をお願いします。
【2016年8月26日(金)】
- カメムシ界のスーパースター、アカスジキンカメムシの若齢幼虫(写真)がここ数日、ふれあい橋近くでよく観察されています。成虫と模様や大きさがだいぶ異なりますが、宝石のような美しさは生まれつき! 黒白の終齢幼虫とも違い、脚や体の縁の赤がとても目立ちます。
- 外来種ムネアカハラビロカマキリの生体展示を始めました。8月18日に初めて公園で採取されたものです。このカマキリの存在はあまり知られていないため、いつの間にか増え、もともとすんでいた生きものに影響を与える可能性があります。在来種のハラビロカマキリとオオカマキリも並べて展示。見分けに挑戦してみましょう。
- ヒメアカネ湿地先の木道の通行止めを解除しました。木道沿いの湿地ではミズアオイが今年いちばんの花盛りです!!
【2016年8月25日(木)】
- もこもこした体がなんとなくぬいぐるみのようで愛らしいカラスハエトリのメス。こう見えてなかなか敏捷な捕食者で、小さな虫をすばやく捕らえます。ですがやっぱりかわいらしく感じるのは、お腹の模様が笑っている人の顔に見えるからかな?(写真:クリックすると拡大)
- 自然学習センターのまわりにあるビオトープ見本園は、1996年に「トンボとミドリシジミのビオトープ」として整備され、数年後にはミドリシジミの生息が確認されるようになりました。今年も池のまわりのハンノキでミドリシジミの卵を発見。幹の太い木より、やや細めの木の樹皮によく生みつけられています。
- エノキの実がカラフルに色付きはじめました! 熟すと甘い実は、鳥たちにとってごちそうです。
- ★第9回ホタル調査★ 公園全体で3匹を確認。今年のホタルシーズンは、どうやらおしまいのようです。
【2016年8月24日(水)】
- 全日本私立幼稚園連合会の関東地区教員研修埼玉大会の特別フォーラムのひとつ「保育に活かすしぜん体験講座」を開催。埼玉県内外から70人を超える先生方が来園しました。講義では“幼児期における自然体験の意義”“野外活動時に気を付けたい生きものへの対処法”などをレクチャー。公園での実習では五感を使った草花あそびや、昆虫とのふれあい方を実践形式で解説しました(写真)。最後は、子どもたちにたくさんの自然体験をしてもらえるよう、大人はどうしたらいいのか? を一緒に考えました。
- 先週、センター付近のクズの花で見つけたウラギンシジミの幼虫。台風の後、どうなったか心配になり見に行くと、同じ花の房で一回り大きくなっていました。まわりに数匹のシリアゲアリがまとわりついていて、しばらく見ていたら、いかにもうっとうしい、というようにお尻にある一対の筒から、ぱっと糸状の突起を放射状に広げました。外敵を脅すために出すもののようで、薄暗い背景にあたかも打ち上げ花火が広がったかのように見えました。
【2016年8月23日(火)】
- 台風が過ぎ去り、スタッフは園路や水路の安全確認と復旧作業を行いました。写真は、一夜堤付近で浮いて流された木道を引き上げている様子。これも、生きものがくらしやすい土の園路を維持するために必要な作業です。なお、一夜堤から標柱8番にかけては、まだ一部が冠水中のため通行止めにしています。来園者のみなさんにはご不便をおかけしますが、ご協力をお願いします。
- 背の高い草の上に小さな生きものたちの姿が! どうやら台風による増水に備えて避難していたようで…。シュレーゲルアオガエルの幼体や、たくさんのクモ。普段は石の下など地面にいるアオゴミムシやハサミムシの仲間まで乗っかっていました。
【2016年8月22日(月)】
- 台風9号がやってきました。写真は2階から見た八ツ橋の池の風景です。強い雨風で波立つ水面に、数羽のカルガモが浮かんでいました。
- 入間市の小中学校の先生方による総合的な学習の時間の研修会がありました。テーマは「環境問題を授業で扱うために」。自然とは何か? という根幹の部分から、身近に起きている野生生物の絶滅の問題と、それらを学校教育の中でどのように組み込んでいくのかを紹介しました。荒天で外には出られませんでしたが、その代わりに野外における危険の回避方法について、先生方と確認しました。
- 林の中の園路で、薄紫色の花々がひときわ目をひきました。足元で小さな花をたくさんつけているのは ヤブランとツルボ。またコバギボウシは場所によっては10株ほどが集まって咲き、小さなお花畑をつくっていました。
【2016年8月21日(日)】
- 野外の危険学習講座「ハチヘの対処法」を開催しました。まずは室内で、ハチの分類や、野外で出会った時の対処法、応急処置に関する講義。そしてスズメバチの種類ごとの巣の形の違いを、標本を使ってお話ししました。さらに、生きた個体を見ながら種類の識別に挑戦(写真)。野外実習では、園路から離れた場所にある巣を双眼鏡で観察し、どのような場所に生息するのかを紹介しました。安全上、気を付けたい生きものではありますが、自然界の中では非常に重要な生きもの。秋の行楽シーズンの前に、上手な付き合い方を考えました。
- 久しぶりに聞こえてきた、チュリチュリ…ジュクジュク…とにぎやかな小鳥たちの声♪ シジュウカラ、エナガ、メジロが早くも混群をつくっていました。ハンノキの緑色の若い実の間を縫うように飛び回りながら、小さな虫をフライングキャッチ! おみごと!
【2016年8月20日(土)】
- 朝からスコールのような雨が降ったり、日が射したりの繰り返し。晴れるとアブラゼミが鳴き、雨雲で真っ暗になると、急にヒグラシの声が聞こえるようになるなど、セミたちの鳴き声もコロコロと変わりました。雨で薄暗かった時には、雑木林に「セミのなる木」が出現。一本のサクラの背丈より低い場所で、いろいろな種類のセミが合わせて14匹もとまって、じっとしていました。写真ではアブラゼミ3匹とヒグラシが写っています。
- 草はらでイチモンジセセリの姿がよく見られるようになりました。もともと南の地方に多い種。分布を広げるために夏から秋にかけて北へ移動するので、公園ではこの時期から数が増えてきます。そんな中よく観察してみるとチャバネセセリやミヤマチャバネセセリが少数混ざっていました。また、羽化したばかりのギンイチモンジセセリが、オギやススキの間をゆっくり飛んでいました。
【2016年8月19日(金)】
- 緑と青のコントラストが美しい公園(写真)。あちこちでつる植物の仲間が花ざかりでした。センター横の緑のカーテンでは純白のセンニンソウや、中心が紅色のヘクソカズラの花。めだかのT字路付近ではスズメウリやオニドコロが咲いています。
- 巡視中にササキリを見つけました。1ケ月前とは見違えるほど大きくなって、いまや立派な成虫! こちらのアツい視線を感じたのか、シリリリッと一声鳴いてくれました。
- ★第8回ホタル調査★ 公園全体で49匹を確認しました。そろそろ見納めです。
【2016年8月18日(木)】
- ミズアオイの咲く湿地付近で、希少植物のウスゲチョウジタデが小さな黄色い花をつけています。田んぼに多い近縁のチョウジタデが花弁、がく片とも4枚なのに対し、ウスゲチョウジタデではそれぞれ5枚ずつあり、花が一回り大きいのが特徴です(写真:クリックすると花のアップ)。埼玉県のレッドリストでは絶滅危惧U類になっています。
- 巡視中、ヒガシニホントカゲの幼体を見つけました。ニホンカナヘビと違い、つやつやした黒いからだに白いライン、青いしっぽが何ともオシャレ! 派手で捕食者に狙われそうですが、切り離すことのできるしっぽをあえて目立たせているのだと言われています。公園では数が少ないので、出会えたらラッキーです。
【2016年8月17日(水)】
- 台風一過で、抜けるような青空にまぶしい太陽! センター横の温度計は35℃を記録しました。久しぶりのまとまった雨で木々は潤い、池はたっぷりと水をたたえていました(写真)。ふれあい橋付近で水浴びをするタヌキと遭遇。勢いよく水しぶきを飛ばし、気持ちよさそ〜でした♪
- セミのぬけがら調査の2回目を実施。昨夜の雨で落ちていないかな…とハラハラしつつ、目を皿のようにしてぬけがら探し! 結果はニイニイゼミ25個、アブラゼミ548個、ミンミンゼミ40個、ツクツクボウシ28個、ヒグラシ23個の合計664個。1回目の調査にはなかったツクツクボウシも見つかりました。結果は後日館内で展示します。
【2016年8月16日(火)】
- 南入口付近でふわりと良い香り。突然のことで何の匂いかわからず、あたりをキョロキョロ見回すと、たくさんの黄色く染まったソメイヨシノの葉が舞い落ちていました。どうやら匂いの元はこれ。さくらの葉に含まれる香りの成分クマリン、つまりは桜餅の香りでした。
- センター前にあるハチ宿。竹筒で巣をつくるドロバチやアナバチの仲間を観察するために設置しています。今日は巣作り真っ最中のオオフタオビドロバチを2ヶ所で観察できました。泥で入口にふたをすると完成。まだまだ空き家が多いので、これからしばらく観察できそうです。
- 夕方、八ツ橋の池にゴイサギが大集合。成鳥と幼鳥を合わせて10羽ほどになりました(写真)。
【2016年8月15日(月)】
- 8月に入ってから初めて丸一日曇りの日となりました。そのせいか林の中ではヒグラシが朝からよく鳴き、夜行性のマダラカマドウマ(写真)が木のうろの周りでカサコソ。うろの中にはオスからもらった精包をぶら下げて、ジッとしているメスの姿もありました。不快害虫などと呼ばれてしまうこともあるカマドウマですが、よく見るとつぶらな目をしています。
- 標柱20番でクサギの花が満開! 公園の中で一番密生している場所だけあって、付近には甘い芳香が充満、頭がクラクラするほどです。ハチやチョウなど多くの虫が集まってくるので昆虫観察スポットとしてもおすすめ。今日はホシホウジャクやカラスアゲハがやってきていました。
【2016年8月14日(日)】
- 標柱19番付近の湿地で、ミズアオイの涼しげな青い花が見ごろです。見やすい場所で咲きはじめたので、定例自然かんさつ会の参加者の方々と一緒に観察しました(写真)。近くで咲いているタコノアシやヘラオモダカとともに、環境省や埼玉県のレッドリストで絶滅危惧になっている希少な植物。残していきたい自然について考えるきっかけになればと思います。
- 夜に鳴く虫の仲間が増えてきました。ガチャガチャ…という大きな声はクツワムシ、リリリリ…という鈴のような音色はエンマコオロギです。今月の20日(土)に、自然学習センターは「夜森ミュージアム」として21時まで延長開館します。“生”で鳴き声を聞くチャンス! 18時半からは、自然学習指導員によるトークイベント「くらやみのいきものたちのおはなし」も開催します。ぜひあそびに来てくださいね♪
【2016年8月13日(土)】
- 手作り実験教室3回目のテーマは「虫よけ成分の抽出」。センター前のクスノキの葉から虫よけ成分「樟脳(しょうのう)」の取り出しに挑戦しました(写真)。帰ってからも実験の続きができるようにと、蒸留装置に使った材料は、どの家庭でもあるようなブックエンドや鍋、クリップなど。実験中は部屋全体を包んだクスノキのにおいに盛り上がりました。ボウル山盛りの葉からできた樟脳は、ほんの耳かき1杯ほど。自然から恵みを受け取る難しさを実感しました。
- 木道方面の巡視中、しっぽを含めて20pを超えるくらいの小さなイタチに遭遇。しかも2匹! 大きさからして今年の春に生まれた個体です。水辺で「何か食べものないかな〜?」と探していたようで、2匹とも顔が泥だらけでした。
【2016年8月12日(金)】
- センター入り口に設置した「自由研究おたすけ! 顕微鏡コーナー」が大人気!(写真) 虫の図鑑でお馴染みの「チョウの鱗粉」や「セミの複眼」などを実体顕微鏡を使って、自分の目で確かめられます。スマホやデジカメで写真を撮ることもできるので、生きもの観察の記念にもピッタリ♪ 大人の方もぜひご利用ください。
- 林縁でヤブミョウガの実が熟し始めました。実が膨らんだばかりの時の色は純白、次いで薄黄緑、紺と変化し、完熟すると真っ黒になります。まだ花が残っていないか探していたら、やって来たのは赤とんぼの仲間のノシメトンボとナツアカネ。ヤブミョウガの花序のてっぺんにとまってくれて、さらに彩り豊かになりました。
【2016年8月11日(木)】
- いよいよ始まりました「ふるさと北本ウィーク」!! 通常、土・日・祝日にのみ行っている「定例自然かんさつ会」を、16日までは毎日開催♪ 本日は夏の昆虫をテーマに公園を散策しました(写真)。途中、カリバチの仲間がクモに麻酔をして、巣まで引きずっていく場面に遭遇。他にも生まれたばかりのカナヘビの赤ちゃんや、忍者のように隠れているナナフシを探してみるなど、自然豊かな「ふるさと」をたっぷり楽しみました。
- 北里の森の林縁でコバギボウシが咲き始めました。漢字で書くと「小葉擬宝珠」。若いつぼみが宝珠(ほうしゅ=橋の手すりに付いている玉ねぎのような形のお守り)に似ていることから名づけられたそうです。木漏れ日のスポットライトに紫色の花弁が透ける様子は、この時期の美しい光景の一つです。
【2016年8月10日(水)】
- 北本市主催の「子ども大学きたもと」が行われました。地元の文化や自然を学ぶ本イベント。埼玉県で盛んだった養蚕をテーマに、カイコのまゆから絹糸を取り出す実験や、カイコの幼虫の観察を行いました(写真)。多くの子が絹糸の光沢の美しさや、クワの葉をモリモリと食べ進んでいく幼虫に関心を持ったようです。
- 公園内の各所で見られるカラスウリ。毎夜美しい花を咲かせています。この葉を食べるクロウリハムシはだいたい円を描くように食べ跡を残します。ところが今日見つかったのは、どう見てもひらがなの「の」の字型の食べ跡。その見事なまでの「の」の字に思わず笑ってしまいました。
- ★第7回ホタル調査★ 公園全体で282匹を確認しました。まだ見応え十分です。
【2016年8月9日(火)】
- 立秋を過ぎてなお夏全開の公園。センター横の気温計は最高37.5℃まで上がりました。しかしそんな中で感じた季節の歩み。一夜堤で出会った数匹のナツアカネが、みんな真っ赤に染まっていました。
- 木にとまっているヒグラシを見てみたら、お腹に楕円形で真っ白い物が付いていました。知る人ぞ知る寄生性の蛾セミヤドリガの幼虫です。この蛾の幼虫は、木からセミの体に飛びつき、セミの体につかまって体液を吸い大きくなります。成熟すると糸を吐いて地表付近に降りて、下草などに繭を作って蛹になります。そこから黒っぽい小さな蛾が出てくるのです。
- 今日の写真はナラタケモドキ。“にょきにょき”というより“もじゃもじゃ”と顔を出すキノコです。キノコの仲間は地面や朽木から出てくることが多いのですが、本種は生きている木の表面から直に出てきます。公園ではちょうど今ごろ、夏休みの折り返し地点から見られるようになります。
【2016年8月8日(月)】
- 巡視中、クヌギの木の枝先でハイイロチョッキリを見つけました(写真)。ゾウの鼻のように長い口吻(こうふん)で若いどんぐりに穴を開け、中に卵を産みます。クヌギやコナラのどんぐりが枝ごと園路に落ちていたら、それは産卵を終えたメスのしわざ。この個体は、卵を産むためのどんぐりを選んでいる途中でしょうか、それとも出会いを求めて歩き回っているのでしょうか…?
- 高尾の池に珍しいお客さん! イカルチドリが一羽やってきました。池のふちをトトト…と歩きつつ、立ち止まると泥の中にくちばしを差し込んで、なにやらパクリ。小さな虫やミミズを食べているようでした。
【2016年8月7日(日)】
- 日本野鳥の会埼玉の探鳥会がありました。記録された18種類のうち注目だったのは、センター上空の高い所で発見したノスリ。みんなで望遠鏡で観察しました。
- スイカズラの葉でイチモンジチョウの幼虫を探していた時に見つけたのが、イトカメムシ(写真)。名前のとおり、体も脚(あし)もほそーい虫で、一見、小さなガガンボのように見えるし、何の仲間か判断が難しい姿をしています。でも、各パーツを拡大して見ると、確かにカメムシらしい顔、口、翅(はね)をしていました。ちなみに右に写っているのは脱皮殻です。
【2016年8月6日(土)】
- 卵のうにぶら下がるメスのマメイタイセキグモを見つけました。投げ縄で獲物を捕まえたり、姿が黒糖の金平糖のような奇妙な形だったりと、とてもユニークな小さなクモ。昼間は葉っぱの裏でじっとしています。生息数も大変少ない、希少な生きものです。
- 夏の大人気イベント「ホタル観察オリエンテーリング」を開催。今回は120人の参加がありました。まっ暗な公園の探検は、大人も子どもドッキドキ! 写真はホタルや夏の大三角形を探している場面です。夜、暗い環境だからこそ感じられる自然の楽しさ、美しさ。これからも残していきたいですね♪ ご協力いただいたボランティアの皆さん、遅くまでありがとうございました。
【2016年8月5日(金)】
- 木漏れ日が揺れる園路に、セミの幼虫が出てきた穴がたくさん集まっている場所を見つけました(写真)。「おっ、これは結ぶと星座になるかな」 と思って色々な角度から眺めてみると…ちょうどつま先のあたりが、北斗七星にそっくり! でも、よくよく見ると向きが左右反転のうえ、ひとつ星が足りな〜いっ、惜しい!
- かわせみ池の対岸には、シンジュ(別名:ニワウルシ)の花。小さな薄緑色の花が多数開いて、遠くからだと煙のように白っぽく見えます。冬、落葉した後も枝先に残る“実”が花とよく見間違えられますが、本当は夏に咲きます。公園でもよく目立つ木ですが、日本にはもともと生育していなかった外来種です。
【2016年8月4日(木)】
- 今日の写真は園路脇の朽木から、ポコポコと生えていたホソエノヌカホコリ(という名前の変形菌の仲間です)。未熟な時は半透明のゼリーのような見た目ですが、成熟するとチアリーダーが応援の時に使うポンポンっぽい姿に変身します。
- トンボフィーバー! 高尾の池ではウチワヤンマとギンヤンマがなわばり争い。標柱5番近くの水路では同じくテリトリー巡回中のオニヤンマが行ったり来たりしていました。林の中で見られたのはマルタンヤンマ。木の枝につかまりじっとしていました。
- ★第6回ホタル調査★ ホタル観察にうってつけの夜でした。公園全体で466匹を確認しました。
【2016年8月3日(水)】
- 午前は小学校低学年、午後は高学年を対象に夏休み昆虫教室を開催しました。特に高学年向けでは、テーマを“環境と昆虫”として観察。ススキ原とそこに隣接した雑木林ではどのような違いが出るのか、ただの昆虫採取では終わらせず、種類と数まで調べました(写真)。夏休みはまだまだこれから。色んなところで、たくさんの昆虫とふれあってくださいね!
- 標柱16番付近の雑木林で「キノコの女王」キヌガサタケが数本生えていました。今朝の雨で生えてきたのでしょうか? 普段は昼ごろにはしぼんでしまうレース状の傘が、15時の段階でもまだ開いていました。きれいな傘が見たいなら、次の雨降りの朝方の予定はキヌガサタケ観察に決定です♪
【2016年8月2日(火)】
- 県内の高校の先生方が5年次研修に来てくださいました。この夏3組あるうちの2組目。スタッフと一緒に公園を巡視し、木道に被さるように伸びた、ワタラセツリフネソウやタコノアシなど、希少な植物をおさえる柵も設置しました(写真)。自然を守りつつ、来園者の方にも歩きやすい公園になるよう、協力して作業を進めました。
- ヒメアカネ湿地のある一部分で、なぜかショウリョウバッタに大人気のワタラセツリフネソウの群落があります。葉の上でのんびりとしているバッタの幼虫たち。以前見た時よりだいぶ大きくなったと思ったら、葉の上にはたくさんの脱皮殻が残っていました。集団脱皮会場!?
- センター前のメハジキの花に、ルリモンハナバチが連日やって来ています。多いときには5〜6匹も現れたため、多くのお客さんが青いハチの美しさを観察することができました。
【2016年8月1日(月)】
- 写真はめだかのT字路からの風景。吸い込まれそうな空に、わたあめみたいな雲。さらに公園の植物たちが太陽に照らされ、青・白・緑のコントラストが鮮やかです。
- 狭山シャローム教会のみなさんが来てくれました。クサギの花のふ〜んわりとした香りが漂うなか、公園を散策♪ 池にぷかぷか浮かぶカルガモや、周りを飛び回るギンヤンマを観察しつつ、ハリエンジュ笛やクズでっぽうなど、草花あそびにもチャレンジしました。
- 八ツ橋付近のアズマネザサ。葉裏を見ると白く粉を吹いたようになっていて、ササコナフキツノアブラムシが繁殖していました。そこへチラチラ飛んできてとまったのはゴイシシジミ。なんと幼虫はアブラムシを食べる肉食性のチョウです! ひょっとすると、卵を産みにきたのかもしれません。
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