北本自然観察公園日記 2023年7月
【2023年7月31日(月)】
- 標柱5番付近の地面や倒木上でモエギザトウムシ(写真)が見られました。細く長い脚とこじんまりした体が特徴のザトウムシ。この種は体色が黄緑色がかった黄色で、成体では背面が少し褐色味を帯びます。移動の際には、細い脚は背景にまぎれ、あたかも体だけが宙に浮いているかのようです。
- ミズキの果実が熟してきました。同じ房でも黄緑色から紫色、濃紺と色合いも様々。この不揃いさが絶妙な配色を生み出しています。観察しやすいのは八ツ橋を渡る途中。ハシブトガラスがよく集まっていますが、今日通った時には不在でした。でも、周りに落ちているフンや散らばった実から、その人気ぶりがうかがえます。
【2023年7月30日(日)】
- センターの前に4月から設置しているプランタービオトープ。埋土種子から芽生えた植物たちが茂ってきました。タコノアシやミズアオイ、水際を好むヒメミズワラビなどの希少植物を複数確認! 今日は来館した子どもたちが、ビオトープをのぞきこんで生きものさがしをしていました(写真)。水の上を歩くクモやトンボのヤゴを発見し、夢中で観察していました。
- 桜土手で、黒地に黄色いスジの入ったトックリバチのような虫が飛んできて葉裏に止まりました。飛ぶ気配がないのでこれはチャンス! と、そっと葉表側に移動したところ、止まっていたのはコスカシバ。透明な翅を持つハチそっくりのガでした。
【2023年7月29日(土)】
- 今日の写真は、あずまや付近の園路際でひっそりと咲くヒメキンミズヒキの花(写真)。よく似たキンミズヒキの花が先端にギュッとまとまっているのに対して、こちらは花の位置がまばら。花びらも細くてより繊細な感じがします。
- 高尾の池の真ん中に、1羽のカイツブリがたたずんでいました。何やらキョロキョロと落ち着きのない様子。しばらく観察していると、その理由が分かりました。水面すれすれを飛び回っているチョウトンボやシオカラトンボが近くに来るたびに、首を伸ばして反応! もしかして、食べようとしていたのでしょうか…?
【2023年7月28日(金)】
- 「夏の夕暮れ観察会」を開催(写真)。昼と夜の狭間の生きものたちの様子を観察しました。ショウリョウバッタやモンシロチョウなど、昼間に活動する昆虫たちが葉の隙間や裏にとまってじっとしていた一方…。ギンヤンマなど大型のトンボ類が、虫を捕えようと活発に飛び回る様子が見られました。林に響くセミの鳴き声も、ニイニイゼミから時間が進むにつれてヒグラシが増えてゆき…。夕空を背景に、ねぐらへと群れをなして飛んでゆくハシブトガラスたちも見られました。
- 各所でクモの仲間が目立つようになってきました。白い隠れ帯が目立つ網を張るナガコガネグモ、松葉のような細長い体のオナガグモ、鮮やかな緑色のワキグロサツマノミダマシなどなど…。ジョロウグモも脱皮を繰り返してだいぶ大きく成長。今年も秋の遠足シーズンで子どもたちの人気を博すことでしょう。
- ★第9回ホタル調査★ 公園全体で446匹でした。まだ数は多く、見頃が続いています。混雑時は短時間での観察にご協力をお願いします。
【2023年7月27日(木)】
- 園内各所の草刈りが終了しました(写真)。めだかのT字路もすっきりと青空が広がり、足元では日光浴をするニホンカナヘビや成虫のショウリョウバッタが見られました。
- 標柱7番から南口に行く途中、クズの葉にコミスジの初齢幼虫がいました。生まれたばかりの小さな幼虫がなぜ見つかるのでしょうか?それはこの仲間が独特の食べ跡を残してくれるからです。ミスジチョウやイチモンジチョウの初齢幼虫は、葉の先端から食べる習性があり、その際、葉脈を残します。そんな状態の葉を探したところ、わずか8mmほどの幼虫が見つかりました!
- ★野鳥情報★センター上空を20羽ほどのムクドリの群れが飛んでいきました。
【2023年7月26日(水)】
- 巡視中、園路の上を黒いものが動いていると思ったら、ニイニイゼミの翅を運んでいるクロヤマアリでした(写真)。帆のように風にあおられ何度も体ごと飛ばされそうになりながらも、1匹で巣に運ぼうと格闘中。エールを送りたくなりました。
- 標柱4番近くの湿地側で、高さ1.5mくらいに生長したヤブマオ。ギザギサの大きな葉の付け根から伸びる白い花穂が、噴水のよう! 猛暑の日が続いていますが、涼しさが感じられるこの時期おすすめの花です。 (7/26更新の記事に誤りがあり、メヤブマオ→ヤブマオに修正しました。申し訳ありません。7/27)
【2023年7月25日(火)】
- 巡視中、葉の上をちょこちょこと歩き回る1cmほどのガを発見。止まったところを見ると、金や銀の帯がきらびやかなコウゾハマキモドキでした(写真)。ハマキモドキの仲間はダンスを踊ることが知られていて、素早く歩いて円や8の字を描いたりします。踊ってくれないかな? と期待していましたが、残念。どこかへ飛んで行ってしまいました。食樹のヒメコウゾやクワの近くで見つかります。
- センター近くのクサギが次々と開花。辺りに漂うあま〜い香りに、暑さも忘れてうっとり。惹き付けられたのはスタッフだけではなく、蜜を求めてクロアゲハやナガサキアゲハがやってきました。
【2023年7月24日(月)】
- 今日からセンターは月曜日もお休みなし! 夏休み期間に合わせて8月27日まで毎日開館します。館内クイズラリー、スタッフお手製の竹ぽっくり(写真)、竹けん玉などなど…。いつ来ても楽しめる遊びがた〜くさん♪ ぜひぜひ、お待ちしてます!
- 梅雨が明けて数日。直射日光と照り返しでうだるような暑さでした。温度計で日向の園路を測ると、なんと50℃以上! 長時間の観察はなかなか厳しいものです。そんな時は日陰でトンボ探しがおすすめ。今日はコノシメトンボがミズヒキの花の先で翅を休めていました。
- あずまや近くでヒメカマキリモドキを見つけました。カマキリに似た前脚で虫を捕まえて食べますが、ウスバカゲロウに近い仲間という変わり者。埼玉県で準絶滅危惧の昆虫です。
【2023年7月23日(日)】
- 一夜堤の水辺で、日本最大のアメンボ、オオアメンボ(写真)が多数見られました。6本ある脚のうちひときわ長い2本の中脚が、日本に20種あまり生息する他のアメンボ類とは一線を画す特徴です。緑陰を渡る風で細波立つ水面をゆくその姿は、まるでオールを漕いでいるかのよう。薄暗く流れのない池沼を好みます。
- 二十四節気の「大暑」を迎え、ますます暑さが厳しい季節。公園のあちこちでつる植物が花を咲かせています。めだかのT字路でガガイモとヘクソカズラ。センター横のグリーンカーテンのヤブガラシには、ジャコウアゲハが吸蜜に訪れていました。
【2023年7月22日(土)】
- 「セミのぬけがら調査」の1回目を開催しました。園内の2地点をそれぞれグループごとに調査。木の幹の下や足元の草に付いているぬけがら探しは、子どもたちの目が大活躍! その後はよく似たぬけがらの見分けにやや苦戦しつつも、無事に種類分けが完了(写真)。結果は、ニイニイゼミ292匹、アブラゼミ128匹、ミンミンゼミ1匹、ツクツクボウシ1匹、ヒグラシ9匹の合計431匹でした。梅雨のさなかでも暑い日が多く羽化が早かったためか、昨年よりもぬけがらの数が全体的に多くなりました。次回、8月12日の調査結果はどうなるでしょうか?
- センターから標柱16番の草はらへと向かう坂道の途中に、今年も冬虫夏草のオサムシタケが出ていました。背を低くしてまち針のような形の白い粒を目印にすると見つけやすいです。
【2023年7月21日(金)】
- 春先に日本に渡ってきたツバメ。子育てシーズンが終わり、ふれあい橋の上空を「チュビチュビ…」と鳴きながら飛び交う群れが見られるようになりました(写真)。さて、ここからは双眼鏡の出番。よく見ると尾羽の長さに違いがあり、大人のオスは長い燕尾型ですが、メスや今年生まれの子どもはそれよりも短めです。真夏に双眼鏡をしまい込んでいる人はもったいない!「子ども同士で遊んでいるのかな?」「あれっ、いま虫食べた…?」 と、想像を巡らせながらの観察も楽しいものです。
- 色付き始めたシロダモの実に、胸部にトゲがあるカメムシたちが集まっていました。クスノキやシロダモを好むミナミトゲヘリカメムシです。温暖化により北上している種類で、関東地方の各所で確認されています。柑橘類の実の汁を吸うこともあるので、みなさんのお家の庭でも見られるかもしれません。
- ★第8回ホタル調査★ 公園全体で502匹。見頃が続いています。混雑時は短時間での観察にご協力をお願いします。
【2023年7月20日(木)】
- ボランティアのみなさまとの園内管理作業(写真)。今回は、連日多くの人が訪れているヘイケボタル観察エリアの園路のメンテナンスを行いました。標柱5〜6番間の園路の凹凸や張り出した根の周りには砂を入れ、一夜堤の簡易木道はがたつきを調整。また、足元の草刈りも行いました。暑い中ご協力ありがとうございました!
- 今日はゴマダラチョウと2回遭遇しました。まずはセンター前でまだ翅のきれいな一匹を目撃。そして次は桜土手で。こちらも羽化したてのようでした。数的にはアカボシゴマダラが圧倒的に優勢ですが、ゴマダラチョウもまだまだ踏ん張っています。
【2023年7月19日(水)】
- 一日曇り空でしたが、蒸すような暑さとなりました。そんな中、湿地際の草むらから顔を出したのはニホンカナヘビ。辺りを気にしつつも少しずつ水辺へ近づいて、舌を使って水を飲んでいました(写真)。
- 公園を代表する鳴く虫といえばクツワムシ。大きな体でガチャガチャと鳴くその様子は迫力満点です。そんなクツワムシも当然幼虫時代があります。今日は標柱17番付近で、体長3cmほどに大きくなった幼虫に出会いました。まだ翅は「翅芽(しが)」と呼ばれる未熟な状態。それでも特徴のある楕円形の体で、すでにクツワムシらしさがありました。成虫になるのは8月の上旬〜中旬頃です。
【2023年7月17日(月)】
- 朝から強い日ざしが照り付け、厳しい暑さに。とめどなくしたたり落ちる汗をぬぐいつつの巡視となりました。こんな時、ひと息入れられるのがシラカシやスダジイといった常緑広葉樹が葉を広げる木陰(写真)。コナラやイヌシデなどの落葉広葉樹よりも緑陰が濃く、一層涼しく感じられました。
- 湿地のヨシの葉裏にとまるオオトリノフンダマシを見つけました。標柱19番〜かわせみ池にかけての木道沿いで、今日は全部で3匹のメスを発見。そのうちの2匹のすぐそばにオスもいて、「定例自然かんさつ会」の参加者のみなさんと一緒に観察しました。夏祭りを彷彿とさせる、提灯(ちょうちん)のような形の卵のうがぶら下がるのも、間もなくかもしれません。
【2023年7月16日(日)】
- 昨日見つけたウラギンシジミの蛹。翅の部分が白っぽかったので、あと2、3日で羽化するかなあ、と思っていました。今朝、見に行くと色味が変わっていたので、これは羽化の兆候? と思いよくよく見ると…。背中に穴が空いており、すでに羽化し終わっていました(写真)。予想以上に早かったなあ。
- 色とりどりの夏の花が咲いては散ってゆきます。一週間ほど前に盛りを迎えていた、標柱16番の草はらのクズはそろそろ終盤。湿地のコナギ、キツリフネ、ダイコンソウ、林沿いのミズヒキ、ハエドクソウは、引き続き見ごろでした。
【2023年7月15日(土)】
- 「生きものいきいき隊」でヒメアカネ湿地の草刈りを行いました(写真)。埼玉県で少なくなっているヒメアカネが産卵し、幼虫がくらせる水辺を目標に、ヨシやミゾソバを刈り取って開放水面を拡張。作業中には、体長2cmほどのシュレーゲルアオガエルの幼体がぴょこんと登場。大切に見守ってきたタコノアシの花も咲いていました。蒸し暑い中、ご協力ありがとうございました。
- 湿地沿いを巡視中に足元から飛び出した薄茶色のガ。止まったところを観察すると、翅に細かな縦すじ模様があることに気付きました。クサシロキヨトウです。まるでイネ科の植物の葉が枯れたような模様だなあ、と思いながら図鑑で調べると、幼虫の食草はイネ科の植物。生息環境に適応した見事な擬態に、感心させられました。
【2023年7月14日(金)】
- 園内各所でセリの花が満開に。かわせみ池の近くの木道脇や八ツ橋の池でも咲いていますが、見ごたえがあるのは標柱20番先の開けた湿地。真っ白な花が一面に広がり、蜜を求めてやってきた虫たちで大にぎわい! せわしなく飛び回るアブの仲間やキタテハ。花から花へと優雅に舞うスジグロシロチョウやアオスジアゲハが見られました(写真)。
- 午前中はポツポツと優しい雨が降っていました。湿地に広がる波紋を眺めていると、活発に動くマツモムシの姿がありました。常に逆さまの状態で生活し、オールのような後ろ脚を使って水面付近を泳ぎ回ります。他の昆虫や、小魚を捕食する肉食性の水生昆虫です。
- ★第7回ホタル調査★ 公園全体で494匹でした。引き続き見頃です。混雑時はなるべく短時間での観察にご協力をお願いします。
【2023年7月13日(木)】
- このところ梅雨明けしたかのような暑い日が続き、元気いっぱいの水草や藻で水面が緑色に覆われていた高尾の池ですが…。昨夜ザッと降った雨で洗い流されたのか、久々に一部に水鏡が戻っていました(写真)。カルガモやカイツブリが気持ち良さそうに泳ぐなか、アオサギの幼鳥もやってきていました。
- 初夏、ブラシのような白い花を咲かせていたウワミズザクラとイヌザクラ。両者は花もそっくりなら実もそっくりで、熟す前の今時期は遠目から見ると黄色いぶどうがなっているようです。見分けのヒントになるのは葉の形と質感。ウワミズザクラの葉は先端が伸びた卵型で柔らかい感じ、イヌザクラはそれよりも細長く、光沢があって硬そうな感じがします。前者は八ツ橋の階段のあたり、後者はあずまや近くが観察しやすいです。
【2023年7月12日(水)】
- 昨日のオオアオカミキリの出現には驚かされました。そして今日は、すでに公園内で生息が確認されている近縁種のアカアシオオアオカミキリが登場!(写真) 体形や脚の色などに違いがあるほか、捕まえると独特の甘酸っぱい芳香を放ちます。
- 一夜堤の池に低く伸びるムクノキの枝に、カワセミが2羽やって来て止まりました。親鳥らしき1羽はすぐにどこかへ飛び去り、残された羽色がくすんだ幼鳥らしき1羽は落ち着きなくきょろきょろ…。少しして、鋭い鳴き声と共に親鳥らしきカワセミが戻って来ると、すぐに2羽は連れ立って森の中へ。幼鳥の周囲を見回すあの仕草は、親鳥を一生懸命に探す姿だったのかもしれません。
【2023年7月11日(火)】
- 巡視で一夜堤を通り過ぎようとしたとき、キラリと輝く何かが見えた気がしました。立ち止まってその方に目をやると、コナラの幹に止まっていたのはオオアオカミキリ(写真)。園内初確認です。3cmほどの体長にそれよりも長い触角。そして木漏れ日に照らされた体は七色に輝き、その美しさにしばし見とれてしまいました。本来山地性の種類のはずですが...。いったいどこからやって来たのでしょうか?
- 標柱5番の林縁でアキノタムラソウが咲き始めました。長く伸びた茎に階層状に蕾を輪生させていて、下から順に開花して行きます。今日見つけた株は、3段目まで青紫色の花弁をのぞかせていました。明日は何段まで咲くでしょうか?
【2023年7月9日(日)】
- 生きもの調べ方講座「変形菌」は、東京農業大学の田留健介氏を講師に迎えて開催しました(写真)。参加者のみなさんが待ち望んでいたフィールドワークでは、林沿いの朽木や落ち葉を丹念に見て歩き、オオムラサキホコリやホソエノヌカホコリ、公園では珍しいヤリミダレホコリを見つけることができました。講義では、動物とも植物とも異なる変形菌の生態や分類についても触れ、その不思議な魅力の一端を感じるイベントとなりました。
- 標柱16番草はらの奥のクズが花盛りです。近づくと甘い香りが漂ってきます。花びらに小さな丸い穴が開いていたら、それはウラギンシジミの幼虫の食痕。さあ、今日の写真をクリックして、隠れている幼虫探しにチャレンジしてみましょう!
【2023年7月8日(土)】
- 野あそび教室「水辺のなかまと どろんこあそび」を開催しました。どろの感触を全身で楽しむのはもちろん、網を持って生きもの探しにもトライ!(写真) 子どもも大人も、メダカの群れやアメンボを追いかけて夢中でバシャバシャ…。中には、腰や肩までどろに浸かっている子もいて、帰り際には「え〜、もうおしまい〜?」と名残惜しそうな声があちこちから聞こえてきました。
- 一夜堤の辺りで、ひも状の生きものが緩慢な動きで移動していました。全体が黄土色で背中には3本の筋、体長が約30cmもあるこの生きものは、オオミスジコウガイビル。プラナリアなどに近縁な扁形(へんけい)動物で、最大で1mに達します。
- 標柱16番の林にキヌガサタケが3つ、近くには明日レースが開きそうなものが1つありました。普段は立ち入れない林の奥のエリアですが、明日14時からの「定例自然かんさつ会」で見に行く予定です。ぜひご参加下さい♪
【2023年7月7日(金)】
- 青空が広がり、真夏の日差しが降り注ぐ猛暑日となりました(写真)。木道沿いの水辺ではコナギが開花。センター周辺ではキンミズヒキやメハジキなどの夏の花が競うように咲き、季節の進みが感じられました。
- 今日は七夕ということで、アズマネザサが茂っている標柱6〜7番で生きものさがしをしてみました。茂みの中からはウグイスのさえずり。葉の上には孵化したばかりのササキリの幼虫や、それを狙うオオカマキリの姿も。ササの枝の付け根だけをかじったような痕は、希少種・ヒサゴクサキリの食痕。夜行性のため昼間に出会うことはありませんが、確かにそこにくらしている証拠です!
- ★第6回ホタル調査★ 公園全体で327匹確認でき、見頃です。混雑時はなるべく短時間での観察にご協力をお願いします。
【2023年7月6日(木)】
- 標柱7番近くのニガカシュウの葉に直径2mmほどの卵が産み付けられていました(写真)。ヤマノイモ科の植物に産んであることやその大きさから、これはきっとキイロスズメというガの卵です。そのうちイモムシが見られるといいな〜と、楽しみに思った瞬間、裏から現れたのは小さな寄生バチ(写真をクリック)。卵が既に寄生されているとしたら、この後出てくるのはガの幼虫ではなくハチの成虫。こうしてイモムシが増えすぎないよう、自然界のバランスが保たれているのです。
- 標柱16番付近ではリョウブの花が咲き進み、林縁に涼し気な白を添えています。木の前に立つと、ほんのりと甘い香りが。それに誘われてか、ときおりスジグロシロチョウやヨツスジハナカミキリがやってきていました。
- ★野鳥情報★ めだかのT字路の湿地からヒクイナの鳴き声が聞こえました。
【2023年7月5日(水)】
- 先月紹介したエサキモンキツノカメムシの親子。幼虫はどれくらい成長したかな? と、標柱20〜21番にあるミズキを見てビックリ! びっしりと集まる新成虫たちの姿がありました。別の葉にも集団があり、見える範囲で何匹いるか数えるとなんと200匹以上! 中には幼虫や、羽化して間もない色の薄い成虫もいました。たくさんのハートに囲まれて、なんだか運気が上がったような気がしたスタッフでした。
- センターの駐輪場近くのカラスウリのつるに、今夜咲くであろう蕾がいくつかありました。そこにとまっていたのはクロウリハムシたち。2匹並んで葉ではなく蕾を食べていました。レースのような花弁が丸まったところは、まるでふわふわの綿菓子のよう。ひょっとして葉っぱよりも柔らかくて美味しいのでしょうか?
【2023年7月4日(火)】
- ジリジリと真夏の太陽が照りつける一日。こんな日は林沿いの木陰がありがたく感じます(写真)。歩きながら木の葉や幹を見ていると、すっかり成虫になったナナフシモドキがここにも、あそこにも! 体の色は緑色と茶色の両方が見つかり、どちらもすみかである森の中で見事になじんでいました。
- 標柱4番の近くでふわりと漂ってきた、どこかで嗅いだことのある香り。まるでニッキを思わせるような独特さです。その出どころをさがすと、その正体はオニドコロの花。花のひとつひとつは3〜4oと小さく薄緑色で目立ちません。標柱6番〜7番の間や、標柱19番でも見られます。
【2023年7月2日(日)】
- ヒクイナよ、ふたたび、の思いを抱いて、巡視の最後に八ツ橋の池へ向かいました。そこで目にしたのは、腹部が鮮やかなレモンイエローに彩られたキイトトンボのオス。公園では実に十数年ぶりの登場です。なんとか写真に収めましたが、その後、ヨシの合間を縫って奥へ奥へと飛び去りました。…ちなみに、ヒクイナの幼鳥は別のスタッフが今日も目撃しました。
- クワの葉の上を体長5mmほどの小さな虫が歩いていました。一見アリかと思いましたが、頭には長い触角が。図鑑で調べるとニイジマチビカミキリだと分かりました。カミキリムシの仲間としては日本最小級です。
【2023年7月1日(土)】
- 7月1日はセンターと公園の31才の誕生日! 館内で13〜16時までオープンしていた「七夕屋台」では、記念に竹の枝をみなさんにプレゼントしました。屋台は常時盛況! 家族やお友達と「短冊に書く願いごとは何にする?」「その折り紙ちょっとちょうだい!」と、わいわい飾りつけを楽しんでいました(写真)。明日も同じ時間に開催します♪ 竹の枝の配布は無くなり次第終了ですので、ぜひ、お早めにお越しください。
- 薄暗い雨の林で、抜群の存在感を放つガを発見。クロメンガタスズメです。朝、センター付近のクヌギの幹で見つけてからず〜っと動かずにいたので、午後の「定例自然かんさつ会」でもご紹介しました。名前の由来となった胸の“面形(めんがた)模様”も、園路から数十センチの距離でバッチリ観察できました。
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