北本自然観察公園日記 2021年11月
【2021年11月30日(火)】
- 公園で初氷を観測! 高尾の池は7割ほどが薄い氷に覆われ、その上をセグロセキレイがちょこちょこと歩いていました♪ また、センター近くのモグラ塚の周りでは見事な霜柱が観察できました。
- 市内から南小学校2年生と中丸小学校3年生のみなさんが来てくれました! テーマは「北本の自然」。雑木林に降り積もった落ち葉やどんぐり、湿地のガマの穂に触れながら歩き、地元に残された自然の豊かさを感じました。
【2021年11月28日(日)】
- キッズ生きもの研究室5回目は「足元に広がるミクロワールド」がテーマ。園内の雑木林から土を採取し、そこにどんな小さな生きものがいるのか? 土の深さによって種類や数は変わるのか? を調査(写真)。最後にみんなの集計結果をひとつの棒グラフにして、研究のまとめ方についても学習しました。
- 冷たい北風で上空のチリや水蒸気がかき消され、真っ青な空が広がりました。桜土手に上がれば、富士山から奥多摩の大岳山、さらに奥武蔵や秩父連山までを一望。そんな寒空の下でも、風の当たらない日向ではムラサキツバメが翅を広げていました。
【2021年11月27日(土)】
- 標柱10番の梅林から湿地方面を望むと、オギの白い穂が陽光を浴びて銀白色に輝いて見えます(写真)。遠目にはススキとよく似ていますが、オギは河川敷などやや湿った場所に生育します。
- 風が強かった一日。飛ばされた黄金色のカマツカやコナラの葉で、園路が美しく彩られています。一方で、錦秋の雑木林はモノトーンへと姿を変えていきます。
【2021年11月26日(金)】
- ふじみ野市立福岡小学校3年生のみなさんが校外学習のため来園しました。クラスごとに公園を巡り、オオカマキリの卵や真っ赤なカラスウリの実を発見&観察! 八ツ橋の池をのぞきこむと、た〜くさんのミナミメダカが泳いでいました♪(写真)
- 鳥たちはせっせと食べもの探し。巡視中、ムクノキの実に群がるシメやヒヨドリ、地面を歩きながら草の実をついばむキジバトに出会いました。そして、どんぐり好きのイメージが強いカケスが今日はカマキリを捕まえて食べていました!!
- ★野鳥情報★ 地蔵口付近でキクイタダキを今シーズン初確認しました。
【2021年11月25日(木)】
- ボランティアのみなさまとの園内管理作業で、めだかのT字路付近に仮設木道を敷設しました(写真)。冬期の園路の凍結や、霜柱によるぬかるみ対策です。あわせて、外来種のセイタカアワダチソウの抜き取りも実施。作業中、晴れ渡った空を悠然と旋回するノスリやトビ、湿地を動き回るベニマシコやヤマガラを観察できました! ご協力ありがとうございました。
- センター近くのススキの株を上からのぞきこむと…。むむっ、何者かの視線! 中に2匹のツチイナゴが潜んでいました。今は枯れ草に溶け込む茶色ですが、幼虫時代は鮮やかな緑色でした。
【2021年11月24日(水)】
- センター横の温度計で今朝の最低気温は3℃。今シーズンいちばんの冷え込みで、初霜となりました(写真)。つかの間、八ツ橋の手すりはパウダーシュガーを振ったように真っ白に! 朝日が差し込むと、みるみるうちにとけていきました。
- 木々の葉の裏側や、重なり合って陰になっているところを探すと、越冬準備中の昆虫たちが見つかります。標柱8番付近にいたのは、エサキモンキツノカメムシとオオツノカメムシ。どちらも葉や茎にしがみつくようにして、じっとしていました。
- ★野鳥情報★ めだかのT字路で20羽ほどのアトリの群れと出会いました。
【2021年11月23日(火)】
- 来園者の方に教えていただき、急いでふれあい橋へ! すると、木の梢を動き回る2羽のサンショウクイを発見(写真)。空中で昆虫を捕らえる“フライングキャッチ”を繰り返していました! 公園では秋〜冬に記録がある「亜種リュウキュウサンショウクイ」です。初夏に見られる「亜種サンショウクイ」とは、額の白い部分が狭い、胸が灰色っぽい、鳴き声が単調…などの違いがあります。今日はシジュウカラ、エナガ、コゲラの群れに混じっていました。
- 黄葉が進んでいる今日このごろ、木の上だけでなく下にもご注目。標柱19番と標柱15番には、ケヤキの実がついた小枝がた〜くさん落ちています。小枝には葉っぱも付いており、風が吹くと回りながら飛んでいくようになっています。
【2021年11月21日(日)】
- 清水建設株式会社関東支店のみなさんが来園。社会貢献活動の一環として公園管理作業を行っており、今回で10回目になります! 今回も雑木林の中に拡大・侵出してしまっているモウソウチクの伐採をしていただきました(写真)。これまで、竹を伐採したところにはコナラやエノキが生えてきており、少しずつ多様な生きものがすむ環境になりつつあります。ご協力ありがとうございました!!
- 園内各所で、ムクノキの実が熟しています。見た目はブルーベリーのようで、ほのかに甘い香りがします。標柱15〜16番では、そんな実を食べに鳥たちが集まってきており、さながらレストラン♪ シメは立派なくちばしを使って器用についばんでいました。次に来たのはメジロ。小さなくちばしでは実をまるごと食べられないので、何回もつついて汁をなめているようでした。
【2021年11月20日(土)】
- 生きものいきいき隊で、高尾の森のお手入れをしました(写真)。林床に繁茂するアズマネザサを刈り取り、地面に日の光が届くようにすることで希少植物の生育環境を整えました。作業中には、冬眠間近のニホンアカガエルや成虫で越冬するクビキリギスなどにも出会えました♪ ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。
- ★野鳥情報★ 標柱6番でルリビタキとの嬉しい出会い♪ かわせみ池付近からはウソの声が聞こえてきました。また、錦のような黄葉を背景に、高尾の池の上空を4羽のダイサギが悠然と飛んでいました。
【2021年11月19日(金)】
- 晴れ渡った青空に広がる雲がきれいでした(写真)。今夜はほぼ皆既月食に近い部分月食。日本全国で観測されるのは140年ぶりとのことです。さて、赤い月は見られるでしょうか?
- 標柱16番付近の木の幹にキノカワガが止まっていました。他にもいないかな? と辺りの木を見ると…いました! 一回り体が大きいミドリハガタヨトウです。キノカワガがほぼ一年中見られるのに対し、ミドリハガタヨトウは晩秋のみ見られます。
【2021年11月18日(木)】
- 標柱6番付近でイヌシデの果穂が見られます(写真)。シデ(四手)とは、神社などのしめ縄に垂れ下がる細長く切った紙のこと。果穂が四手に似ていることが名前の由来とされています。
- 高尾の池が水鳥達で大にぎわい! アオサギにカワセミ、マガモやコガモはおなじみの常連さん♪ その中に今日はハシビロガモが1羽、オカヨシガモが3羽見られました! どちらもマガモより一回り体が小さな種類です。
【2021年11月17日(水)】
- 枯草色のヨシ原に色付いた雑木林の木々、そして奥には青空! 湿地に足を向けると、この時期らしい色の取り合わせが楽しめます(写真)。
- 暖かな日ざしに誘われてか、チョウの仲間が活発に活動していました! 桜土手付近にいたのは、ベニシジミにキタテハ、コミスジ。それぞれ色や大きさが違うのはもちろんですが、じつは種類によって飛び方も異なります。ベニシジミは地面の近くを忙しなく飛び回っていることが多く、キタテハはスピード感のある羽ばたきが特徴! コミスジは羽ばたいた後にひゅ〜っと滑空するので、何となく優雅な感じです♪
【2021年11月16日(火)】
- 晩秋を彩る色鮮やかな実は、木の枝先など高いところだけでなく意外と足元でも見つかります。写真はヤブラン。黒真珠のような光沢が美しい♪ 北里の森沿いでは、ヤブコウジやジャノヒゲの実も深く色付いてきています。今の時期は落ち葉に隠れていることもあるので、そっとかきわけて観察してみて下さい。
- ★野鳥情報★ めだかのT字路でベニマシコが2羽。上空からは亜種リュウキュウサンショウクイの鳴き声が聞こえてきました。また来園者の方からは、標柱13番付近の湿地で撮影したセッカの情報が寄せられました。公園内での記録は久々です!
【2021年11月14日(日)】
- 「初級者のための写真講座」を開催しました(写真)。今回のテーマは「黄葉が映える」。まずは順光や逆光のもとで、黄葉をより美しく写すための露出補正やホワイトバランス、撮影モードの選び方を解説。さらに、黄葉がより印象的になる構図や偏光フィルターの使い方もお話ししました。公園の黄葉はこれからが本番! ぜひ、傑作写真を狙いにご来園ください。
- 標柱20番の近くで、ふわふわ飛ぶ小さな枯れ枝…? を発見。そ〜っと近づいて見てみると、正体はホソミイトトンボでした。本種は成虫で冬を越すという、トンボの中では珍しい生態。公園では、同じく成虫で冬を越すホソミオツネントンボも確認されています。
【2021年11月13日(土)】
- 野あそび教室「色もカタチも!イロイロはっぱ」を開催しました(写真)。光がこぼれる林は、歩いているだけでもワクワク! ギザギザのクヌギや、大きなうちわのようなホオノキ、小さなタネ付きのケヤキなどなど…。色々な種類の落ち葉を拾って違いをくらべました。落ち葉をたくさん集めてふかふかにしたら、お布団にしたりシャワーにしたり♪ 全身で秋の自然とふれあいました!
- 標柱20番付近でヒオドシチョウを見つけました。この時期に見られるのは初夏に羽化した個体。暑い夏は休眠して、秋に活動を再開します。このあと冬をまた休眠して過ごし、春に産卵して次の世代へバトンタッチ。およそ1年も成虫の寿命がある、長寿なチョウです!
【2021年11月12日(金)】
- 朝、「ヒッ、ヒッ」という鳴き声とともに、センター2階の窓に向かってアタックを繰り返す1羽のジョウビタキを発見! どうやら、窓に映った自分の姿を縄張りに侵入したライバルと勘違いし、攻撃を仕掛けているようでした(写真)。毎年、その可愛らしさで人気のジョウビタキですが、今日は勇猛果敢な新たな一面が見られました。
- ひとつ、ふたつと、ツルウメモドキの黄色い実が割れて、中の赤い種子が顔をのぞかせ始めました。子供公園口の近くや、標柱15〜16番にかけての頭上で見られますが、いずれも高さや距離があるため観察には双眼鏡がおすすめです♪
【2021年11月11日(木)】
- 木々の葉の赤・黄・オレンジが、日に日に鮮やかさを増しています。今のイチオシは、ケヤキやムクノキ、コナラやクヌギ。カマツカやクワも美しく染まってきました。そんな雑木林を背景に、真っ赤なカラスウリをパチリ!(写真)
- 気持ちのいい青空でした。巡視中、頭上を舞っていたのはトビとツミ。湿地からはベニマシコの声♪ 数羽のカシラダカも見られました。
【2021年11月10日(水)】
- 昨日の雨できのこの仲間がニョキニョキ! 枯木から出ていたのはチシオタケやアラゲキクラゲ。標柱16番近くではツチグリが5つも開いていて、まるでお花畑のようでした♪(写真) よ〜く見ると、開きかけのものがもう1つあるのですが…見つけられるでしょうか?
- オレンジと黒の派手な色合いが目立つゴマフリドクガの幼虫を発見。毒をもつこの幼虫を食べようとして毒針毛に刺された捕食者は「この模様はキケンだ!」ということを覚えて、それ以降は襲わなくなります。ドクガの仲間には、違う種類でも幼虫がよく似た模様のものが複数います。こうして姿を似せ合うことで、種類の垣根を越えて捕食されにくくする効果があると考えられています。
【2021年11月9日(火)】
- 一日中、ザーザー降りでした(写真)。強い雨音に混じって、めだかのT字路付近でクイナの大きな声。また、お昼くらいにふれあい橋を歩いてみたら、わずかにケラの「ビ〜〜ッ…」という鳴き声も聞こえてきました。
- 標柱3番近くの雑木林沿いを歩いていると、2羽のヤマガラが木の根元からひょっこり出現。エゴノキの実をくわえたまま、近くの枝から枝へ飛びまわったり、園路に降りてきたりしていました。
【2021年11月7日(日)】
- 今日は二十四節季の「立冬」。暦の上ではもう冬です。「日が落ちるのも早くなったなあ…」と外を眺めていると、間もなく茜色の見事な夕焼けが広がりました(写真)。
- 標柱5番近くの北里の森沿いの倒木から、スギタケの仲間が出ていました。茶色味を帯びたオレンジ色の傘は薄暗がりでも鮮やかで、裂け目も虫くい跡もなくフレッシュ! 表面には白い毛の束がまだら模様をつくっていました。なんとも心がウキウキするような、予期せぬ出会いでした。
【2021年11月6日(土)】
- 巡視中、チャバネセセリが足元にとまりました(写真)。後ろの翅だけを広げる独特の体勢は、セセリチョウの仲間に見られる特徴。南方系のチョウで、世代交代を繰り返しながら北上し、公園では夏から秋にかけてよく見られるようになります。ただ、埼玉県では寒さに耐えられず冬を越せません。それだけに、この時期に本種と出会うと「寒くなってきたけどがんばれ…!」と、思わず応援せずにはいられません。
- 鳥たちの気配が濃くなってきました。木の梢ではモズが盛んに鳴き、雑木林沿いを歩くと、どこからともなく「コツ、コツ…」とコゲラが木をつつく音が聞こえてきます。ヨシ原からは“声はすれども姿は見えず”のウグイスやクイナ。水面を一直線に飛んでゆくカワセミもよく見られます。
【2021年11月5日(金)】
- 風が吹くたびに、どんぐりがポトポトと落ちてきます。標柱3番近くにはコナラのどんぐりが地面にいっぱい♪ また、センター付近では帽子の形がちょっと変わっているスダジイのどんぐりも見られます(写真)。
- 雲一つない秋晴れ! 日当たりのいい場所ではキタキチョウやキタテハがひらひら飛び交い、標柱16番では枯れ葉に紛れるクロコノマチョウも見られました。
【2021年11月3日(水)】
- 「家族で楽しむバードウォッチング 〜水辺の鳥たち編」を開催! 室内で双眼鏡の使い方を練習してから出かけました。晴天に恵まれたおかげで、出発してすぐに数羽のトビが低空飛行の大サービス! 高尾の池では、黄葉を背景にのんびりと泳ぐコガモやオナガガモ、カイツブリをじっくりと観察しました(写真)。
- 標柱11番付近を巡視中、林の中から“ある生きもの”の鳴き声が聞こえてきました。「ジリジリジリ…」と過ぎ去りし夏を連想させるその声の正体は、なんとアブラゼミ!! あと数日で「立冬」を迎えるこの時期に、まさかの出会いでした。
【2021年11月2日(火)】
- 標柱7番付近にメナモミが群生しています。その近くを通りかかったとき、ちょうど逆光でメナモミに日が当たり、総苞(そうほう)の腺毛(せんもう)や茎の白い毛が美しく輝いて見えました(写真)。光の演出の妙に感激です!
- 南口の上空を舞うオオタカを発見。また、めだかのT字路では湿地の中で「フィッポッ、フィッポッ♪」と鳴くベニマシコに出会いました。
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