今日の北本自然観察公園〜公園日記〜
【2024年7月15日(月)】
- 今朝、ふれあい橋で吸水をしながら、とびきり美しい翅をパタパタさせている大きなチョウがいました。しばらくすると翅を広げたので、その瞬間を激写! 後翅のエメラルド色に輝く帯からミヤマカラスアゲハかと思いましたが、その帯が上に向かって三角状に広がっていることや、後翅の裏に白帯がないことなど、全体の特徴からカラスアゲハと分かりました。
- 三連休最終日の「定例自然かんさつ会」では、ウラギンシジミの幼虫さがしに挑戦! ところが、今日はあっという間に見つかってしまいました。お尻についている2本の突起が花序からはみ出ていたおかげで、まさに頭隠して尻隠さず"状態(写真)。ひっくり返して全身を見ると(写真をクリック!)、「ウミウシみたい!」という海の日らしい感想をいただきました。
【2024年7月14日(日)】
- 生きもの調べ方講座「変形菌」を開催。今年も東京農業大学の田留健介氏に講師としてお越しいただきました(写真)。室内の講義では、不思議な変形菌の生態や分類、そして意外と世界で共通種が多いことなどについて触れました。野外実習ではマメホコリやツノホコリから始まり、シロウツボホコリやサカズキホコリの仲間、クダホコリなど13種類が見つかりました。特に人気だったのは、標柱4番付近の丸太についていたタマモチモジホコリと思われる種類。まるでミクロの花畑のような光景に驚きの声が聞こえました。
- めだかのT字路では、梢でさえずるホオジロをよく見かけます。今日は標柱5番付近を歩いている時、地面で何度も頭を振っている様子を目撃。「下に降りているなんて珍しいなぁ」と思い写真に撮ると、くちばしには羽化したてで柔らかそうなセミをくわえていました!
【2024年7月13日(土)】
- 野あそび教室「夏のみずべと どろんこあそび」を開催しました。シオカラトンボが飛び交う湿地がイベントの舞台。最初はおそるおそる…片足ずつそ〜っと池に入っていた子どもたち(写真)も、メダカやアメンボを追いかけているうちに全身どろんこ! 池の底からすくいあげたどろを、家族と体にくっつけ合ってひんやりパックを楽しんでいる子もいました♪ 梅雨の晴れ間の青空のもと、時間めいっぱいまで遊びました。
- 一夜堤を通りかかったとき、青緑色に輝くシルエットが見えました。昨年に続き、またもやオオアオカミキリを発見。本来は山地性の種類です。しかも今日はオニグルミの幹に産卵していました! 図鑑によると幼虫が食べる木の種類はサワグルミ。公園には生えていないのにどうしてるんだろう? と思っていましたが、こうして別の種類の木で命をつないでいたのですね。
【2024年7月12日(金)】
- 一日中雨模様。昼過ぎには風景が白く煙るほど激しく降りました。そんな中、公園のまわりの畑や草地の上を盛んに飛びまわっていたのは無数のツバメ。地面のスレスレを低く飛んで虫を追っていました。雨粒が乗った草の茎の上には、白いロウ物質でできた綿をくっつけたハゴロモの仲間の幼虫がいました。普段はまるで求愛中のクジャクのようにこの綿を広げていますが、今日は雨にぬれないようにするためか、シュッと閉じて歩いていました。写真は、セリの花で雨宿りをしていたツバメシジミです。
- 梅雨明けの発表もまだですが、ほんのちょこっとだけ秋の気配♪ シラカシの枝先にはたくさんのどんぐりの赤ちゃん! 標柱16番の林のふちには緑色のクリのイガ。センター周辺では秋の七草のひとつ、赤紫色のクズの花がモビールのように垂れ下がっていました。
- ★第6回ホタル調査★ 公園全体で345匹。見ごろが続いています!
【2024年7月11日(木)】
- 「木が傾いています!」と巡視中のスタッフから報告があったのが午前10時前。八ツ橋のたもとで日陰を作っていたコナラの大木が、13時半頃に倒れてしまいました(写真)。木の根元が腐っていて、横に張り出した枝の重さに耐えられなかったようです。人にも施設にも被害がなかったのは幸いでしたが、園路が枝で覆われてしまったため、通行止めにしました。現在、標柱2番から3番への通り抜けができません。明日の夕方の通行再開を目指して、撤去作業を進める予定です。
- 朝方にサーッと降った雨が止むと、きらびやか&カラフルな昆虫たちが現れました。南口には金ぴかのジンガサハムシ、標柱5〜6番のヤマユリの花の周辺には数匹のルリボシカミキリ。桜土手の細長いイネ科植物の葉にはアカハネナガウンカが5匹ほど集まっていました。
【2024年7月10日(水)】
- 初夏、八ツ橋の池のカイツブリのペアに3羽のヒナが誕生し、すくすくと育ちました。そして高尾の池のペアからもヒナが誕生!! しばらく姿が見られませんでしたが、今日は園路に近い場所に3羽そろって元気に泳いでいました!(写真)
- 林縁を歩いていると、トンボの仲間に出会う機会が増えました。いったん枝から飛び立っても、静かに待っているとまた近くに止まります。巡視中、最も見かけたのはナツアカネ。まだ未成熟でオレンジ色の体をしていました。他にもコノシメトンボやオオアオイトトンボ、ハグロトンボなど個性豊かな面々も登場。水平に止まったり、ぶら下がったり、翅を閉じていたり開いていたり... 種類ごとの過ごし方の違いも見どころです。
【2024年7月9日(火)】
- 標柱20番付近で、コナラの木積みの上にトカゲが現れました(写真)。園内でよく見かけるニホンカナヘビとは違い、全身がつやつやしたヒガシニホントカゲです。園内ではカナヘビより出会う機会の少ない種で、県内でも準絶滅危惧とされています。曇りの今日は、好みの木の上もあまり熱くなかったようで、しばらくじっとしていました。
- 陽射しはなくとも蒸し暑い日。標柱12番近くの湿地で吸水していた黒い影がヒラヒラと林の中へ。後を追うと、木の枝で大きな翅を開いて休んでいたのはクロアゲハのオスでした。吸水していたときは翅を閉じていましたが、休むときは開いて止まることが多いようです。
【2024年7月7日(日)】
- 連日の猛暑ですが、林沿いを歩くと時折心地よい風が吹いてきました(写真)。それに加えて、各所でヤブミョウガの白い花が見ごろを迎え、目でも涼を感じさせてくれました。
- センター前の身障者用駐車スペースの脇でアケビコノハの幼虫を2匹見つけました。片方は体が暗褐色で、緑の葉を背景によく目立ちますが、もう片方は緑がかった体色が葉にまぎれて難易度高め。とはいえ、トレードマークともいえる2つの目玉模様はクッキリ!
【2024年7月6日(土)】
- 館内で「七夕屋台」を開催しました。公園の竹の枝を使って、七夕飾りを作るイベントです。色とりどりの飾りや、願いを込めた短冊を作りつつ、公園にくらす竹に由来のある生きものについてスタッフが解説しました(写真)。みなさんの願い事がかないますように! 明日も開催します。
- 標柱5〜6番でヤマユリが大輪の花を咲かせました。しかも2輪! 辺りに甘い香りを漂わせていました。ナラ枯れで木を伐採し、日当たりが良くなったことが影響しているのでしょう。園内ではここにしかない希少な植物です。
- 標柱6番近くを巡視中、園路脇の草の上を飛ぶミドリシジミの姿が目に留まりました! 金緑色の輝きが見えたのでオスです。発生期の6月になっても姿が見られなかったので、一安心。止まったところを観察すると、翅は少し色あせている様子。しばらく前に羽化していたようです。
【2024年7月5日(金)】
- 花が好きな昆虫はチョウやハチの仲間ばかりではありません。めだかのT字路のしぼんだカラスウリの花にはクロウリハムシ。さらに標柱6〜7番では、クズの花が散った後のしおれた花びらをかかええて食べるササキリの幼虫に出会いました(写真)。ササキリは、幼虫も成虫も雑食性。自然の中ではイネ科の植物の穂や昆虫などの死骸を食べていて、飼育下では果物や野菜も食べます。
- 標柱3番付近で「ニーニー」とヤマガラの声がしました。あたりを探すと、枝の上でしきりに実をつついているところを発見。やっと大きくなってきたエゴノキの実の外皮をむしり、中の種子を出そうとしている様子。しかし、両足でつかんでいた実をぽとりと落としてしまいました。まだ食べごろではなかったのでしょうか…。
- ★第5回ホタル調査★ 公園全体で407匹。見ごろです!
【2024年7月4日(木)】
- 標柱15番のケヤキの幹で、羽化の最中のセミを見つけました! 昼間には珍しい光景。殻が泥をまとっていること、翅に色がついていることからニイニイゼミだとわかります。成虫の数が増え、公園中で「チィ〜」と合唱が聞こえるようになりました。
- 桜土手のソメイヨシノでクビアカツヤカミキリの成虫を確認しました(写真)。サクラ類やウメ、モモなどの木の内部を幼虫が食べ、木を弱らせたり、枯らしたりすることが問題となっている特定外来生物です。埼玉県内の各所へ分布を拡大していましたが、ついにここにも来てしまいました。公園内にもサクラ類やウメの木があるので、今後の動向に注意していきます。園内で見かけた際はセンターまでご連絡ください。
【2024年7月3日(水)】
- ボランティアのみなさまとの園内管理作業で、親子向けイベント「野あそび教室」の準備として、フィールドとなる湿地の整備を行いました。水際のガマやヨシ、ウキヤガラを刈り取り、周辺を草刈り。作業中には上陸間近のシュレーゲルアオガエルやギンイチモンジセセリが見られ、上空をヤマトタマムシが飛んでいきました。蒸し暑い中、ご協力ありがとうございました!
- 標柱5番でアキノタムラソウが開花。スジグロシロチョウが吸蜜に来ていました。ちなみに先月、多くの方の反響があったムラサキシキブは、花が終わって緑色の小さな果実ができています。秋に色付くのが楽しみです♪
- 南口の園路脇にいたニッポンマイマイ。草地や林のふちで見られる種類です。汗をかきかき巡視中だったスタッフには、山型に盛り上がった殻の形がまるでソフトクリームのように見えました!
【2024年7月2日(火)】
- ふじみ野市立福岡小学校3年生のみなさんが校外学習のため来園。野外観察はもちろん、工作や館内の展示見学を通して生物多様性について学びました(写真)。途中、夏の生きものたちとのラッキーな出会いも♪ 池を泳ぐカルガモの親子に、レースを広げたキヌガサタケ。ルリボシカミキリは子どもたちの目の前に飛んできました。お昼休憩をはさんで午後までの活動でしたが、さようならの直前まで活発に質問が出て、時間が足りないくらいでした!
- センター前の草むらの中から「プツン・ピチチ…ピチチ…」とツユムシの声が聞えてきました。近縁種のエゾツユムシやセスジツユムシに比べて鳴き声が小さいうえ、非常に高音のため聞き取りづらいです。頑張って探してみましたが、残念ながら姿は見つけられず。明るく開けた草地を好み、公園では初夏と秋の2回、成虫が発生します。
過去の観察記録
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