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北本自然観察公園 自然観察記録 2004年7月

2004年9月8日更新
                                           埼玉県自然学習センター


【2004年7月30日(金)】
○今日の夜、「夜の虫の観察会」と並び、当センターの人気イベントである「夜の自然観察オリエンテーリング」を開催しました。台風10号の接近により降雨が心配されましたが、幸い天候にも恵まれ、無事実施することができました。夜の虫の観察会と異なり、園内のポイント(ポイント毎に講師等が控えていて、解説などを行います)をグループ単位で回るイベントです。夜の虫の観察会と同じく、ホタルの幻想的な光、神秘的なカラスウリの開花、感動的なセミの羽化、アブラコウモリの生態などを観察してもらうことができました。実施後のアンケート結果も、ほぼ全員が満足とのことで、できれば次回も参加したいとの声も多く聞かれました。

【2004年7月29日(木)】
○今日は台風10号の接近により、雨が降ったり止んだりの一日でした。しかし、久しぶりの雨は、公園内の動植物にとっては恵みの雨になったようです。ところで、蒲桜へ向かう園路際に、ナツスイセンが大柄なピンク色の花を咲かせています。ナツスイセンは、古い時代に中国から渡来した帰化植物ですが、現在は日本全国の山地や人家近くに自生しています。また、園芸用としても多く栽培されています。高さ60cmほどの多年草で、地中球根から長い花茎を出し、漏斗状の花を5〜7個付けます。葉がスイセンの葉に似ていて、夏咲くところが命名の由来だそうです。ただし、スイセンに似た葉は5月頃に枯れてしまい、花を付ける時期にはありません。ナツスイセンはヒガンバナ科に属し、ヒガンバナやキツネノカミソリに似ています。なお、ナツスイセンはヒガンバナより1か月以上前に咲きます。

【2004年7月28日(水)】
○センター入口前のクスノキの周辺を、アオスジアゲハが飛んでいました。飛び方は敏捷で、アゲハの仲間のうちでは一番早いかもしれません。名前の由来である、黒い羽に青いブーメランのような筋が、よく目立っていました。アオスジアゲハは公園、山地の照葉樹林などに棲息し、オスは河原、水たまりなどでよく吸水をします。幼虫は、クスノキやタブノキなどのクスノキ科の樹木に蛹で越冬し、また、これらを食べます。成虫は、ヤブガラシ、ミカン、ソバなどの花から吸蜜をします。

【2004年7月27日(火)】
○木道際で、ヘラオモダカが白い小さな花を咲かせています。水田や池に生える多年草で、高さ0.4〜1.3m、葉の長さ30cm位、花は3弁で大きさは1cm程度です。日本全土に分布しています。命名の由来は、葉がヘラのような形をしているところからです。ヘラオモダカが繁茂すると、イネの生育を害するため、農家の方には嫌われる植物です。似たものにサジオモダカがありますが、違いは葉と柄が狭まりながら丸くつながっているのがヘラオモダカで、葉がほぼ円形で柄との境がはっきりしているのがサジオモダカです。

【2004年7月25日(日)】
○ふれあい橋際に、クサギが白い花を咲かせています。クサギは、陽当たりの良い林の縁などに生える落葉小高木で、高さが2〜3mです。枝や葉を傷つけると、薬品臭の独特の匂いがするため、その名が付けられたといわれています。花は、ジャスミンのような甘い香りがし、クロアゲハやカラスアゲハなどが集まります。秋に熟す実は、黒紫色でよく目立ちますが、鳥の好物らしく、すぐに食べられてしまいます。また、この実は染料として用いられます。クサギは救荒植物のひとつで、新葉を摘み、茹でて水に晒し、苦味をとると食べることができます。一句紹介「音をたてて くさぎの花に 山の雨」(長谷川素逝)

【2004年7月24日(土)】
○今日の夜、当センターの人気イベント「夜の虫の観察会」が開催されました。19グループ・64名が参加し、盛況のうちに実施することができました。これら参加者を、5グループに分け、それぞれ講師の先生が引率をして公園内の観察に向かいました。天候にも恵まれ、お目当てのヘイケボタルも多数観察され、セミもアブラゼミやヒグラシの羽化を観察することができました。また、夜咲く花で、レース編みの純白のドレスのようなカラスウリの開花も観察できました。観察終了後、アンケート用紙に記入していただいた後、解散となりました。参加者の感想を見ますと、多くの方がセミの羽化やホタルの幻想的な光に感動したと記入されていました。そして、この自然を守っていかなければいけないという思いを強くしたと記入された方もいました。

【2004年7月23日(金)】
○今日23日は、二十四節季の一つである「大暑」です。意味は「暑さが最高になる」ということです。というわけか、今日も非常に温度が高く、蒸し暑い一日でした。公園内の生物のためにも、一雨欲しいものです。ところで、高尾の森の園路際にヤブミョウガが白い小さな花を円錐状に咲かせています。ヤブミョウガは、関東以西の暖地に生育するツユクサ科の多年草で、高さ0.5〜1m、葉の形がミョウガに似ているところから名付けられました。花の大きさは、7〜10mmで一日花です。花が散った後に、瑠璃色の実を付けます。種子でも繁殖しますが、地下茎での繁殖の方が盛んです。長い地下茎を延ばし、遙か先の方に地上部を発生させることもあります。

【2004年7月22日(木)】
○こども公園に近い園内に、キツリフネが黄色い花を咲かせています。高さは、0.5〜1mで、沖縄地方を除く日本全国に分布しています。森林の湿地などで見ることができます。帆をかけた小舟を吊ったように花が咲くことが命名の由来です。ツリフネの花は赤紫色ですが、キツリフネは黄色い花です。白い花もありますが、こちらはシロツリフネと呼ばれます。実が熟すると、ちょっとした刺激で弾けるところから、英名では「Touch me not」(私にさわらないで)といいます。

【2004年7月21日(水)】
○葦原などの園路際に、農家の方に大変嫌われている大型の雑草ギシギシが淡緑色の小さな花を咲かせています。ギシギシは、高さ0.6〜1m、葉の長さ10〜25cmで荒れ地や田畑に生える多年草です。新芽は山菜として食用になるそうですが、食べた人の感想ではあまり美味しくないそうです。なお、根は「しのね」といい、水虫、湿疹などに薬効があるそうです。ギシギシには、アレチ、ナガハ、エゾの3種類があります。また、外見はスイバに似ています。

【2004年7月19日(月)】
○センター入口通路際に、マツヨイグサが黄色の直径約3cmの花を咲かせています。カラスウリと同様、夜の花で夕方開花し、朝は萎んでしまいます。マツヨイグサと同じく黄色い花を夜咲かせますが、直径約8cmと大きめなのは、オオマツヨイグサという別の種類です。さらに、オオマツヨイグサと同じ大きさの花ですが、昼間咲くのはアレチマツヨイグサです。マツヨイグサのことを、竹久夢二が宵待草と広めたため、名前を勘違いしている人も多いようです。また、オオマツヨイグサのことを、別名で月見草といっている人が多いですが、本当の月見草は、同属ですが白色の別種の花です。マツヨイグサと違い、野生化しなかったため、目にすることはまれです。以上、全て北米原産の帰化植物です。

【2004年7月18日(日)】
○公園内数カ所で、夜間、真夏のクリスマスツリーともいわれる白い美しい花が咲いています。夜の花、カラスウリです。夕方6時頃から咲き始め、真夜中に満開となり、明け方にしぼむため、実際に花を見た人は案外少ないようです。花は、星を思わせる五角形を取り巻くようにレース状の細く裂けた糸状の飾りがついています。この細いレース状のような花びらの繊細さが素敵です。また、匂いも芳しい、甘い香りがします。そのため、スズメガなどがこの香りに誘われて寄って来て、雌雄異株のカワスウリの受粉を助けます。命名の由来は、晩秋に赤い果実が残るのを、カラスが残したものだろうと見立てたとのことです。

【2004年7月17日(土)】
○数日前に、オオタカの鳴き声を聞いたとの情報が届けられました。場所は、こども公園付近だそうです。オオタカは、タカ科の中型の鳥で、体長は約50cm程度です。最近確認が減少気味で、国のレッドデータブックにも登載されています。オオタカは、狩りの名人で、鷹狩りに使われます。鷹狩りについては、古くは仁徳天皇の時代から記録があり、江戸時代中期に最も盛んに行われました。オオタカは、ドバト、キジバト、ツグミなどの小型の鳥を餌とします。一方、餌となる小型の鳥は木の実、昆虫、ミミズなどを餌としています。このように、オオタカは里山の生態系の頂点に位置しています。そのため、オオタカが生きていくためには、およそ30haの広さの、生物多様性に富む、健全な生態系の環境(里山)が維持されて、はじめて可能となります。
 
【2004年7月16日(金)】
○今日、あづまや付近で、センター職員が珍しいチョウを捉えました。ナガサキアゲハのオスの成虫です。体長約10cmで青みがかつた黒色をしています。本来は、名前の如く、九州以南や熱帯に棲息するチョウで、現在まで当公園で確認されたのは数回にすぎません。埼玉県内でも確認例は、そう多くないようです。暖かいところに棲息するはずのものがなぜ北上しているのか疑問も生じます。やはり、地球温暖化が影響しているのでしょうか。生態系を保持し、自然環境を守るためには、私たちひとりひとりが、ふだんの生活を見直して、身近なところこら温暖化を防止する努力をすることが必要ではないでしょうか。

【2004年7月15日(木)】
○センターの裏側で、シモツケが濃紅色の花を咲かせています。草の中に埋もれてしまうくらいの低木が多く、普段は目立たないですが、花が咲くと上品な色合いなので、遠くからでも目立ちます。下野の国(栃木県)に多いことからこの名前になったという説と、花が霜が降りたように咲くところから命名されたという説があります。庭や公園に植えられることが多いようです。また、生け花の材料としても使われます。白色の種類のものに、会津シモツケ、土佐シモツケがあります。名前が似ていますが、シモツケソウは多年草の草木です。

【2004年7月14日(水)】
○昨日、関東地方は梅雨明けをしました。昨年より20日、平年より7日早かったそうです。ところで、梅雨入り頃から、アカマクミドリムシが高尾の池をはじめとする公園内の池の表面を赤褐色に覆っています。今年は、空梅雨のようで、雨が少なく、雨量も例年に比べ半分以下でした。そのため、池の水位も低下しています。逆に、温度は例年よりも高いようで、真夏日が続いています。その結果、アカマクミドリムシが大量発生したようです。このままの状態が続くと、池に棲む生物にも重大な影響がでることが懸念されます。緊急対策として、井戸から水を汲み上げていますが、焼け石に水の如くです。早く雨が降って欲しいものです。

【2004年7月13日(火)】
○ヘイケボタル情報第2報です。7月4日に、今年初めて、トンボ池付近で約10匹確認されたましたが、連日の暑さのせいか、約1週間経過の7月11日現在、トンボ池付近で約30匹と増えました。また、あづまやから一夜堤へ行く園路際にも、新たに数匹確認されました。センターは夜間閉館ですが、玄関先にホタル情報を掲示してあります。また、ホタルの見える場所を記した公園内の案内図を自由に持ち帰ることができます。ホタル鑑賞の参考に御利用ください。

【2004年7月11日(日)】
○公園内の各所で、ヤブガラシの花が咲いています。白色のあまり目立たない花ですが、開花すると朱色を帯びてきて、それがアクセントになります。花の形状から「ロウソクバナ」といわれることもあるそうです。 ヤブガラシの名の由来ですが、ヤブを枯らしてしまうほど繁茂して覆ってしまうことから名付けられたそうです。さらに、このツル植物が繁茂すると樹木が枯れて、家が貧乏になるという意味から、ビンボウカズラ(ヅル)という凄い別名もあります。吉田冬葉は、嫌われものながら、可憐な花を持っているところから「やぶがらし 蔑視のうちに 花をもつ」の句を残しています。

【2004年7月10日(土)】
○木道近くの水辺で、アメリカザリガニが泳いでいました。アメリカザリガニの輸入については諸説があります。一説には、昭和5年に神奈川県境川支流の柏尾川流域に、北米ルイジアナ州ミシシッピー川から、それ以前に日本に持ち込まれた食用ガエル(ウシガエル)の餌として輸入されたとのことです。その後、数十匹が逃げ出し、約半世紀を経て、その強靱な生命力と繁殖力で今や日本全国に広がっています。通常は赤褐色ですが、白や青色の種類もあり、ペットとして人気があるようです。ところで、アメリカザリガニに限らず、公園内に在来でない各種の動植物を持ち込む方がいます。生態系を乱しますので絶対にお止めください。
 
【2004年7月9日(金)】
○梅雨明けはまだなのに、真夏のような暑さが続いています。さて、葦原脇の園路際で、直径3mm位で上部が赤、下部が白の小さな花が咲いているのを見つけました。名前を調べたところ、その可愛らしい花から想像もできない、ママコノシリヌグイと判明しました。この花は、茎に小さな硬いトゲを下向きにびっしり付け、触ると非常に痛いのですが、継母がこれで子供の尻をふいていじめるということから名付けられたといわれています。花には何の罪もないのに、継子いじめを象徴するような名前を付けられて、少々気の毒な感じがします。花は、ミゾソバと非常に似ています。また、別名はトゲソバともいいます。

【2004年7月8日(木)】
○今日も、昨日を上まわるような酷暑です。八ッ橋の先方左側に、チダケサシの花が咲いています。当公園のチダケサシの花は淡紅色ですが、白色の種類もあるそうです。山野のやや湿ったところに生える多年草で、高さ30〜70cmくらいで、径4mm程の5弁花を多数付けます。沢山自生していて迷惑がられますが、花は綺麗で、夏の暑苦しさを和らげてくれる風情があり、抜くに抜けない野草です。この花の茎は固く、きのこのチダケ(チチタケ)を採取したときに、この茎にさして持ち帰ったところから、名付けられたといわれています。

【2004年7月7日(水)】
○今日は五節句の一つである七夕です。また、二十四節季の一つの「小暑」でもあります。意味は、梅雨明けが近く、本格的に暑くなる時期ということです。そのためか、今日は朝から非常に蒸し暑かったです。ところで、センター横の園路際に、マサキが緑白色の小さな花を咲かせています。小さな花ですが、近寄ってみるとなかなか可愛い花です。マサキは常緑低木で、日当たりのよい所を好みます。刈り込みに強いので、生垣に使われことが多い木です。初夏の若葉の萌える美しさも良いですが、冬に赤色の実が弾ける風情も捨てがたいものです。マサキの語源については、マサオキ(真青木)又はマセキから転じた、あるいは芽を土にさすとよく根付く(メサシキ)から転じたとの説があります。

【2004年7月6日(火)】
○ヒヨドリの群れが、エドヒガンの先のイヌザクラの実を食べに集まって来ています。ヒヨドリは、スズメの2倍ほどの体長で、尾が長く、全身が灰色、目の横と翼の裏が茶色で、胸の部分に白い点があります。平地の都市部から山地の山林まで、樹木のある環境ならばどこにでも棲息しています。「ヒーヨッ、ヒーヨッ」というカン高い声で鳴きます。その鳴き声から「ヒヨドリ」と名付けられたといわれています。にぎやかな鳴き声から、虚心は「ヒヨドリが 花見の宴で おおはしゃぎ」の句を残しています。また、ヒヨドリは、大変器用な鳥で、羽ばたいたまま、ヘリコプターのようにホバリング(滞空飛翔)ができます。

【2004年7月4日(日)】
○今夜、トンボ池付近で、今年初めてのホタルが観察されました。ちなみに、昨年は7月8日でしたので、今年の方が数日早かったです。公園内に棲息しているホタルはヘイケボタルで、既に、マスコミ等を賑やかしているゲンジボタルより、発生が1か月ほど遅れるようです。ホタルについての関心は相当に高いようで、当センターにも、問い合わせが多数寄せられていました。公園内は夜間もオープンですので、ホタル鑑賞に是非お出かけください。おそらく8月の上旬くらいまでは、ホタル鑑賞が可能と思われます。

【2004年7月3日(土)】
○エドヒガンの先の園路際に、オオバジャノヒゲが小さな白い花を咲かせています。線のように細い葉っぱの形を蛇のヒゲにたとえたのが名前の由来といわれています。蛇ではなく竜にたとえて、オオバリュウノヒゲということもあるそうです。常緑で、冬に青い実を付けます。この実を子供が遊びに使ったところから、「弾玉(はずみだま)」の別名もあります。また、根のところが肥大してこぶ状になります。このコブを漢方で、「麦門冬(ばくもんとう)」といい、咳止めの薬効があるそうです。

【2004年7月2日(金)】
○センター入口前のクスノキの下に、ヤブカンゾウがオレンジ色の赤っぽい大きな八重の花を咲かせています。似た花にノカンゾウがありますが、こちらは花が一重です。ヤブカンゾウは、有史以前に中国から渡来しました。昔は寺院によく植えられていましたが、今は広く全国に分布しています。ヤブカンゾウの若葉や若芽は山菜として食べることができます。カンゾウの花は、古くは忘れ草と呼ばれていました。万葉集で大伴旅人は、「忘れ草 我が紐に付く 香具山の 古りにし里を 忘れむがため」(憂いを忘れさせてくれるという忘れ草をつけてみました。香具山のふもとにあるなつかしいふるさとをいっそのこと忘れられたらと思って・・・)と詠んでいます。
 
【2004年7月1日(木)】
○数日前から、公園内でスズメバチがいたとの情報が多く寄せられています。場所は、一夜堤付近とニホンミツバチの巣の周辺です。もし、スズメバチに遭遇した場合は、まず、動かないこと。頭(黒色)を隠し、姿勢を低くして、ゆっくりその場を離れてください。決して手などで払わないでください。ただし、たくさんのスズメバチが寄ってきた場合は、近くに巣がある可能性が高いので、走って逃げてください。予防策は、@スズメバチの好む黒色系の服装を避ける。A強い香りのする香水等はつけない。B大きな声を出したり、大きな動作をしない。公園内を散策する際は、十分注意をしてスズメバチの被害に合わないようにしてください。

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