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北本自然観察公園 自然観察記録 2003年11月

2004年1月7日更新
                                           埼玉県自然学習センター


【2003年11月30日(日)】
○今シーズン公園で観察された冬鳥は以下の22種で、出足は例年に比べて遅いようです。この中には公園を通過しただけの冬鳥も含まれています。マガモ、コガモ、トモエガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、ホシハジロ、アリスイ、アオゲラ、アカゲラ、ジョウビタキ、アカハラ、ツグミ、エナガ、コガラ、ヤマガラ、カシラダカ、アオジ、ベニマシコ、ウソ、シメ、カケスです。
○早いもので明日から師走です。この自然観察記録も12月から来年2月まで、通常より少ない週3回でお届けをする予定です。

【2003年11月29日(土)】
○今日は朝から雨が降り、イベントの「里山ボランティア」が中止になりましたが、上空ではハシブトガラスがカアァ、カアァと元気な声で鳴いていました。ハシブトガラスはもともと森林に住んでいたのが、近年は都市部に進出しています。森林の木の上に止まり下を見下ろすハシブトガラスの習性が、都市のビルに止まり下を見下ろしゴミなどをあさる生活にうまく適応して、都市に住むようになったといわれています。新座市の平林寺が東京周辺では最大のカラスのねぐらとなっており、毎朝一万羽近いカラスが東京方面へ通っているといわれています。「鴉啼いてわたしも一人 種田山頭火」

【2003年11月28日(金)】
○公園の木々の葉っぱもだいぶ落ちて、木の枝に架かっている大きさが5〜6pの楕円形の朱色のカラスウリの実が熟して、風に揺れているのがよく見えるようになりました。中には朱色の皮だけで中身を鳥に食べられた実もありました。カラスウリの和名について牧野富太郎は「樹上に永く果実が赤く残るのをカラスが残したのであろうと見立てた」とカラスに関係づけて解説しています。この公園の中では大きさが1pぐらいの球形の小さいスズメウリの実も白く熟しています。

【2003年11月27日(木)】
○この時期、公園の草原や雑木林の中を歩くと、いろいろなタネがズボンなどにくっついてきます。チヂミザサ、アメリカセンダングサ、イノコズチ、メナモミ、ミズヒキなどのタネで、これらのタネにはくっつく仕掛けがあります。仕掛けはカギやトゲで引っかけるタイプと、粘液を出して張り付くタイプがあり、ズボンなどに付いたタネを落とそうと思っても簡単には落ちません。これらのタネは動物などにくっつく事により、子孫を四方に分散させ分布を拡げていきます。

【2003年11月26日(水)】
○センター前の枯れかかった草の上に翅の破れのないきれいなウラギンシジミが飛んできて止まり、橙色の表の翅を広げて陽の光を浴びていました。ウラギンシジミは成虫で越冬することが知られていますが、秋の末に羽化して余り活動しないでそのまま越冬するので、翅が破れていたりすることは意外に少ないようです。常緑樹の葉裏で越冬するウラギンシジミの姿は翅を閉じているので、派手な箔を押したような銀色に輝いて、鳥などの天敵に見つかりやすいと思われますが、どうなんでしょうか。成虫で越冬するキタテハやキチョウなどは、翅を閉じると保護色になり周りにとけ込んで判らなくなってしまいます。

【2003年11月24日(月)】
○交尾の時にメスに頭を食べられてしまったのか、頭のない褐色のコカマキリのオスが草の茎に止まりながらうごめいていました。頭が無いのに動くカマキリの生命力の強さには驚きを感じます。カマキリはメスが交尾後にオスを食べる習性があると言われていますが、スズムシやコオロギ、キリギリスなどもメスがオスを食べることが知られており、カマキリだけがこの習性を印象づけられ悪者にされたのは、ファーブルの「昆虫記」にこのことが記載されているせいではないかと思います。「雌が雄食ふかまきりの影と形 西東三鬼」

【2003年11月23日(日)】
○この朝は冷え込み、二十四節季の一つの「小雪」の名に恥じず、関東地方の山沿いからも雪の便りが届き、本格的な冬の到来を告げています。
○9月から10月にかけて公園の中でヨシなどの他の植物などに巻き付きながら、黄色や淡紅色の蝶形花を咲かせていたノアズキやヤブマメ、ツルマメにも長さ2p〜4pぐらいの豆果がついて一部の豆果は弾けています。豆果の中には3個〜6個ぐらいの黒く熟した種子が入っています。畑の肉と言われるダイズはツルマメを改良したものといわれています。

【2003年11月22日(土)】
○手作り実験教室5回目が無事終了しました。
○10時に集まってもらい、公園内で飛びそうな種を拾ってもらいました。その後研修工作室で種がどのように運ばれていくかなどの話をし、公園内で拾った種を二階から落として楽しみました。最後に飛ぶ種の模型を4種類作りました。二階から種の模型を落として飛んだ距離や滞空時間などを競って終わりました。少ない時間でしたが盛りだくさんで、世界最大のフタゴヤシの種(重さ6.7キログラム、縦・横約30センチメートル)まで登場し、とても目を引きました。この種は、インド洋セーシェル諸島特産のヤシで大きい物は重さ20キログラムにも達するそうです。成熟に約10年、発芽にも3年かかります。

【2003年11月21日(金)】
○日中の気温が24度を超え、少し暑いぐらいの日になりましたが、何を間違えたのかクビキリギスのメスがセンターの中に入っていました。クビキリギスは頭の方が著しく尖っていて、赤い大きな口が特徴のキリギリスで、何かに噛み付くと離れず、無理に放そうとすると首が抜けるので「首切りギス」の名があります。成虫は緑色と褐色の個体があり、成虫で越冬し春早々に「ジィーン・・・」という鋭く高い音で、虫とは思えない声で鳴きます。

【2003年11月20日(木)】
○今シーズン始めて高尾の池でトモエガモのメスが1羽見られました。居たのはコガモのメスにそっくりの姿をしていますが、クチバシの付け根に小さな丸い白色紋が確認できました。トモエガモはコガモよりやや大きなカモで、オスは黒色と緑色、淡黄色と白線を組み合わせた独特の巴模様の顔立ちで、日本全国に冬鳥として渡来しますが、個体数は全体として余り多くありません。

【2003年11月19日(水)】
○昨日に引き続き小春日和になり、暖かい日溜まりのサクラの木の枝に鮮やかな緑色の葉っぱの形をした、アオマツムシのメスが一匹止まっていました。アオマツムシは明治時代に中国から入ってきたコオロギの仲間の帰化昆虫で、オスの翅は茶色がかった凹凸があり、樹上からリィー、リィー、リィーとかん高く響く声で鳴きます。今では日本に昔からいたマツムシをしのぐ勢いで増え続け、「あれ、松虫が鳴いている・・・」の童謡で有名な本家のマツムシはめっきり減ってしまいました。マツムシなどの昔からいる日本の虫の声を聞くには「日本の音100選」で選ばれた、荒川押切橋付近がよさそうです。

【2003年11月18日(火)】
○昨日はここ十年来で最も遅い木枯らし1号が吹き荒れ、木々の紅(黄)葉に染まった葉を引きちぎるように吹き飛ばし、園路に枯れ葉の吹きだまりを方々に作っていました。木枯らしも日本で作られた国字「凩」の字を使うと、字を見ただけで何となく木々の葉が風に吹き飛ばされる状況の風というのがわかります。そして今日は一転して小春日和になり、高尾の池にはマガモが70羽、コガモが55羽、カルガモが3羽、ダイサギが1羽いるのが確認できましたが、数日前にいたオナガガモは確認できませんでした。

【2003年11月16日(日)】
○気温が20度を越えた小春日和の陽に誘われたのか、センター2階ロビーのガラス戸越しや白壁に沢山のテントウムシが集まっていました。集まっていたのはナミテントウで、2紋型や4紋型が大部分で斑紋型や紅型もほんの少し混じっていました。今日みたいな小春日和の日に公園のナミテントウが、センター2階のガラス戸越しに集まり、どこか集団で越冬場所へ移動するのが、この十年来の年中行事になっています。なぜ、バラバラにいるナミテントウが毎年同じ場所に集まってくるかはよく判っていません。なお、ナナホシテントウはせいぜい7〜8匹ぐらいで草むらや落ち葉の下で越冬します。

【2003年11月15日(土)】
○昨日、近くの獣医さんが治療を終えたアオバトを持ってきて、観察公園内で放してくれないかということで、気温も上がった午後、定例自然観察会の参加者が見守るなか草原で放しました。アオバトは頭部から背中にかけて緑灰色、額から胸が緑黄色の美しい鳥で、中国の一部と日本でしか棲息していない、極めて棲息範囲の狭い、また生息数も少ない鳥で、広葉樹の林を好んで住みかとしており、この公園でも何回か観察されています。アオバトの変わった習性として、集団で磯に飛んできて海水を飲むことが知られていますが、その理由はよく判っていません。神奈川県の大磯が集団で飛来する磯として有名です。

【2003年11月14日(金)】
○今日は県民の日なので「県民の日記念イベント」として「自然かんさつオリエンテーリング」を実施しました。観察公園をあらかじめ決められた順序で設問に答えながら回り、途中で決められた色の葉っぱを1枚拾ってセンターに戻ります。答え合わせをしてから、拾ってきた葉っぱで「しおり」を作り記念としました。大人63人、子供60人、幼児13人の合計136人の参加を得ました。

【2003年11月13日(木)】
○公園の木道脇の水路に2pぐらいに成長したアメリカザリガニの子供が沢山います。まだ、赤褐色の色は付いていませんが、人が近づくと蜘蛛の子を散らすように逃げます。名前のとおりアメリカから来た外来種で、ハサミや脚が取れてもすぐに再生するという、強い生命力と旺盛な繁殖力によって、瞬く間に北海道の一部を除く日本全土に進出しています。小川、池、水田など流れの少ない泥底に住み、石などの障害物の陰や土手に穴を掘って住みつき、冬など水が枯れたりするとその穴で休眠します。

【2003年11月12日(水)】
○公園の一画でフユノハナワラビが胞子葉をもたげて白い胞子を飛ばしています。淡茶褐色の胞子葉があたかもつぶつぶの花のように見えることから、フユノハナワラビと命名されたといわれています。ヒガンバナと同じように、通常の草花が生育しない秋から春までの冬の期間、地上に姿をあらわし夏には枯れます。地上に姿を現した冬の間に光合成をして十分生育するために、大陽の光を受けるこの期間に、他の草があまり生育しないか、刈り取られた場所である必要があります。この様な場所は人が活動する人里であることから、フユノハナワラビは人里の代表的な植物であるといえます。

【2003年11月11日(火)】
○センター入口のロータリーに植えてある3本のクスノキに冷たい雨が音もなく降りそそいでいます。今年はクスノキの実がよく育ち、緑のままの実もまだ一部にありますが、黒い丸い実が沢山付いています。クスノキの実は通常二個ずつ付きますが、センターのクスノキの実は一個の実が多くあるので、花の時期に訪れる昆虫が少なくうまく受粉出来なかったものと思われます。また、クスノキの葉は主脈と分かれた2本の側脈が明瞭であるので三行脈と呼ばれ、しばしば主脈と側脈の分岐点に小さな膨らみのダニ室があります。このダニ室の中には樟脳を好む一種のダニが住み込んでいます。「楠の根をしづかにぬらす時雨かな 蕪村」

【2003年11月9日(日)】
○やさしいフリルの白い花冠と中央の紅色が美しく調和した、可憐な筒状の小さな花を真夏の公園で咲かせていたヘクソカズラが、黄褐色の5oほどの球形の実を秋の陽に輝かせています。果皮のように見える部分はガクが変化した偽果皮と呼ばれるもので、実をつぶすとヘクソカズラ独特のいやな臭いがします。以前はこの実をつぶしてしもやけの薬として使われていたので、鳥は当然この実は食べないものと思っていたら、ルリビタキなど冬鳥は結構食べていると報告されています。

【2003年11月8日(土)】
○一夜堤付近の用水路のヨシの枯れ枝に、長さ3pほどの褐色の体をしたイトトンボの仲間のホソミオツネントンボが斜めに止まっていました。11月に入っても日中は20度を越える例年にない暖かさに、時々周りを飛んでいる小さな虫を捕食しては元の枯れ枝に戻って止まっています。全部で4匹のホソミオツネントンボが確認できました。このトンボは名前の通り成虫で越冬し、今は目立たない保護色の褐色の体をしていますが、春になるとオスは鮮やかな美しい青色の体に変わります。

【2003年11月7日(金)】
○朝晩はめっきり寒くなってきましたが、センター事務所のすぐ裏側でキジバトが子育てをしていて、親鳥がエサをやる姿が間近に見られます。通常、鳥の繁殖期は春が中心ですが、哺乳類のミルクのようなタンパク質に富んだピジョンミルクを吐きもどして育てるので、キジバトは一年中繁殖の記録があるそうです。もうだいぶ大きくなり巣立ちの日も近いものと思いますが、無事に育つまで見守ってやりたいと思います。

【2003年11月6日(木)】
○センターの自転車置き場付近のヤマモモの木の前の舗装された地面に、直径10pぐらいのなにやら動く塊がありました。近寄ってみると、数百匹はいるであろうケバエ類の幼虫の塊でした。ケバエの種類は判りませんが長さ1.5pぐらいの幼虫が絡み合って動いていて何か不気味な感じがします。舗装の上なので食べるものもないし、このままどこかへ移動するのでしょうが、ケバエはハエの中でも原始的な部類に属し、幼虫で越冬し翌年の春遅くに羽化します。

【2003年11月5日(水)】
○公園の中でムクノキが黒い実を熟させています。この果肉は甘味があって人が食べても大変美味しいのですが、とくにムクドリが大好物の実で、ムクドリの名前の由来はムクノキの実を好んで食べるからだといわれています。また、ムクノキの葉は伝統工芸では作品を磨くヤスリとして使われ、今でも江戸指物や鼈甲、撥褸(バチル)、樺細工などの工芸品のつや出しには、なくてはならない重要な道具の一つであるだけではなく、かっては幻の焼物といわれた木の葉天目を、陶芸家の木村盛和氏は、ムクノキの葉を用いることにより見事に復元させています。

【2003年11月3日(月)】
○秋から冬に公園に渡ってくる渡り鳥の代表格のジョウビタキが、数日前から頻繁に目撃されています。オスの頭は銀白色で顔が黒、翼には黒に白紋があり、お腹から尾にかけてオレンジ色の美しい鳥です。その他公園に来ている冬鳥は、マガモ、コガモ、クイナ、アリスイ、アカゲラ、ジョウビタキ、ヤマガラ、アオジ、クロジ、アトリ、ベニマシコ、ウソ、シメ、カケスなどが来館者やセンター職員により目撃されています。

【2003年11月2日(日)】
○公園の中で「ジェー ジェー」とうるさくわめくカケスの鳴き声が目立っています。体は淡い葡萄色、頭が白と黒のごま塩頭で、翼の一部が美しいコバルトブルーに輝いています。秋になると山からこの公園などの平野に下りてきて冬を越します。好物のドングリなどの実の成る雑木林や広葉樹林を住みかとし、フワァとした特色のある飛び方をする鳥です。カケスの英語名は「Jay」で、鳴き声から付けられていますが、和名のカケスという名前は樹木に枯れ枝で巣をかけるから「懸巣」と名付けられたと、大槻文彦編の「大言海」ではいっています。

【2003年11月1日(土)】
○センターの館内でミニ展示「ドングリはおいしい!?」が始まりました。今回の展示では、動物たちにとって貴重な食糧である「ドングリ」のいろいろな不思議を紹介します。そして樹木の種であるドングリが、どのような過程を経て大人の木になるのか、それがいかに困難であることかをケームで体験してもらおうと思います。皆さんぜひドングリになったつもりで挑戦してみてください。

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