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北本自然観察公園 自然観察記録 2002年2月

2002年3月26日更新
                                           埼玉県自然学習センター



【2002年2月28日(木)】
○木道脇の湿地に10pから20pぐらいの高さで、総状花序に3oぐらいの4枚の小さな白い花を付けたタネツケバナが可憐に咲いています。漢字で表すと「種漬花」で、イネの種籾を水に漬けて苗代を作る準備をする頃に、盛んに咲く花ということで名付けられたといわれています。昔の農村では身近な草木の開花が、日常の生活や農事の目安として、日本の農耕習俗の中に深く関わっていました。

【2002年2月26日(火)】
○この公園にも日本中を我が物顔で振る舞うハシブトガラスとハシボソガラスがいます。一般的にはハシブトガラスは林が続いている所や市街地に、ハシボソガラスは木立が点在する農村部に多いといわれており、残飯やゴミをあさって散らかすのはおもにハシブトガラスの方です。カラスは嫌われ者として人々に認識されておりますが、カラスを神様のお使いとして敬う神社が日本には数多くあり、平家納経で有名な厳島神社や和歌山の熊野大社(本宮・新宮・那智)、名古屋の熱田神宮、東京府中の大国魂神社などがとくに有名です。
 
【2002年2月23日(土)】
○朝来館した方から「園内に動けないタヌキがいる」との情報があり、駆けつけてみると左後脚が不自由な様子。保護して傷病野生鳥獣を扱ってくれる獣医さんに運びました。レントゲンを撮ったところ大腿骨単純骨折とわかり、大腿骨にスチ−ルのポ−ルを入れる大手術をしました。その後センターで引き取り、術後の回復を期待したのですが、月曜日に死んでしまいました。残念です。最近センターの二階から3頭で移動するタヌキが何度か目撃されていました。もしかするとその中の1頭だったかも知れません。

【2002年2月21日(木)】
○公園になる以前から栽培されていたウメの花が、馥郁(ふくいく)たる香りを風に運ばせる季節になってきました。ウメは中国大陸の長江流域が原産で日本へは奈良時代に招来され、「万葉集」では中国文明を象徴する憧れの花として、ハギに次いで2番目に多い119首の歌が詠まれていますが、この時代のウメの花は白梅のみだといわれています。それが平安時代になると紅梅が中国から招来され、「源氏物語」に「紅梅」の帖が登場するなど、白梅に替わって紅梅が王朝貴族の憧れの花になります。ウメといえば菅原道真を思い出すほど「東風吹かば匂ひおこせよ梅の花あるじなしとて春なわすれそ」の歌は有名ですが、俳句では嵐雪の「むめ一輪一りんほどのあたたかさ」が、また、絵画では尾形光琳の「紅白梅図屏風」がよく知られています。

【2002年2月19日(火)】
○公園の園路ぞいに生えている落葉広葉樹の簡単な冬芽図鑑を作りました。ポケットに入るサイズの大きさで、公園の代表的なクヌギ、エゴノキ、ハンノキ、ムラサキシキブ、コナラの5種類の木を取り上げました。自然学習センターの受付にありますので、公園を散策する際に御活用ください。

【2002年2月16日(土)】
○公園のあずま屋付近の湿地のアシ原で、クチバシが長めで下の方が赤いクイナが見られました。園路にたたずんで見ているとアシ原を出たり入ったりしています。クイナを漢字で表すと「水鶏」で、水辺に棲息するニワトリに似た鳥ということになります。クイナの「ナ」は鳴くことを意味し、クイと鳴く鳥であると新井白石は「東雅」という書物に書いています。また日本の詩歌などで「鳴く」とはいわず「たたく」と表現される鳴き声は、夏鳥のヒクイナであるといわれています。

【2002年2月14日(木)】
○園内でコゲラのほかアカゲラやアオゲラが観察できます。さらに今年はオオアカゲラも一夜堤付近で数回観察されています。キツツキの仲間は垂直な幹に垂直に止まります。二本の強い足の爪を樹皮に食い込ませ、堅い尾羽を垂直な幹にぴたりと付け、この三点で体を確保して体をささえます。話は変わりますが私たちの岩登り登山の場合にも、キツツキのように両手両足のうち三点で体を確保して岩を登っていきます。


2002年2月11日(月)】
○今日は、初心者向けの「バードウォッチング」と「鳥ひこうきと紙工作」の行事がありました。ちょっと寒かったものの、きれいに晴れて絶好の鳥見日より。マガモ、カルガモ、コガモ、オオタカ、キジバト、コゲラ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、ツグミ、シジュウカラ、カシラダカ、アオジ、シメ、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ベニマシコ、ホオジロ、カワウ、カワラヒワ、カケス、カイツブリの24種が観察できました。

○【2002年2月9日(土)】
ミニ展示「冬虫夏草をさがせ!」を始めました。冬は虫で、夏は草。いったいどんな生き物を想像しますか。実は、キノコの仲間なのです。カメムシタケやセミタケ、ガヤドリキイロツブタケなどの標本や模型、写真を展示しています。どんな生き物なのか、ぜひ自分の目で確かめてください。3月中旬まで展示する予定です。
○なお、「植物の旅−とぶたね、くっつくたね−」も引き続き展示しています。

【2002年2月7日(木)】
○この朝高尾の池にマガモが140羽、コガモが90羽、カルガモが3羽、オナガガモが8羽、ハシビロガモが1羽確認できました。何日か前はトモエガモが見られましたが、今日は見あたりません。マガモのオスは頭から頸にかけて光沢のある緑色をしているのでアオクビとも呼ばれ、この時期は散弾銃の標的にされる狩猟鳥の代表格で、北陸金沢の冬の味覚「治部煮(ジブニ)」はこのカモ料理のことです。マガモを漢字で表すと「真鴨」で、カモを代表する一般的なカモということがいえます。また野生のマガモを改良して家畜にしたのがアヒル(家鴨)で、その原産は古代メソポタミアといわれ、中国や日本でも古くから家畜化されております。

【2002年2月5日(火)】
○早いものであずま屋付近の水溜まりに、ニホンアカガエルの卵が丸い塊に産み付けられていました。ニホンアカガエルは平地ないし丘陵地性のカエルで、繁殖期は真冬の1月〜3月ですが、親は繁殖後春眠して5月ごろ活動を再開します。このカエルは真冬でも暖かい日は活動しているので、冬眠するかどうかは疑問視されています。
○カエルは水田耕作が発達するとともにその棲息範囲を拡大させ、「万葉集」にも「河蝦(カワズ)」として掲載されているほか、京都高山寺所蔵の「鳥獣戯画」ではカエルはウサギやサルと共に面白可笑しく描かれており、カエルが身近な存在だったことが伺えます。

【2002年2月2日(土)】
○昨日から、公園内の自然環境調査を始めました。総合的な調査は、開園直前の平成3年度、5年後の平成8年度に調査をして以来です。この間、どのように自然環境が変化しているのかを調べます。里山という人間の生活と密接に関わってきた自然は、人間の手が入らなくなれば、まったく違った姿に変わっていきます。里山という自然環境に適応してきた生き物の中には、この変化に対応できず、レッドデータブックに載るほど数を減らしている生き物もいます。公園内の植生をどのように管理していったらよいかを考える上でも、自然環境の変化を調べることはとても重要です。またこの2月、3月には植生調査や春植物の調査を行う予定です。

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