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北本自然観察公園 自然観察記録 2001年11月

2001年12月20日更新
                                           埼玉県自然学習センター




【2001年11月30日(金)】
○高尾の池のガマの葉はほとんど枯れてしまいましたが、穂が木枯らしを受けてはじけ飛んでいます。中国ではガマの葉を編んで敷物にしていましたが、この敷物を「蒲団」といったことから、夜具のふとんの語源になりました。
○明日から12月、師走です。この自然観察記録も12月から春先までは、火・木・土の週3回の記録になります。よろしくお願いします。

【2001年11月29日(木)】
○センターの中にいてもコジュケイのけたたましい鳴き声が、雑木林から聞こえてきます。
「チョットコイ、チョットコイ」と聞きなされているとおり、聞こえなくもないところが面白いです。これはわたしたちの耳が、コジュケイという鳥の鳴き声を、日本語という文化の中で聞いていることを示しています。中国人はこの鳥の鳴き声を何と聞いているか興味がわきます。コジュケイは大正時代に中国から移入された鳥で、旺盛な繁殖力によって瞬く間に積雪の多い地方を除く日本全土に広まったといわれており、日本に来てから百年も経たない帰化鳥です。

【2001年11月28日(水)】
○今年は例年になく紅葉の色がさえ、園内の雑木林も紅(黄)葉色や朽葉色の葉、それに紅葉しない緑色の葉がアクセントを添えて美しく彩られています。また、園路にはたくさんの色とりどりの落ち葉が引きつめられています。紅葉色や朽葉色という色名は平安時代には確立されており、とくに江戸時代になってからは「朽葉四十八色」といわれ、朽葉色だけで黄朽葉、赤朽葉、青朽葉、濃朽葉など四十八色に使い分けるほど、日本人の色彩感覚は豊かになりました。また、「枯れ野見」といって冬枯れの景色を見て歩く江戸庶民の年中行事があり、向島の百花園周辺はその名所でした。

【2001年11月27日(火)】
○高尾の池の水辺にガマと一緒に群生しているアシの穂が、ススキの穂のように風に揺らいでいます。晩秋の青空とともに水面に影を写すアシの穂は、なんともいえず風情を感じます。アシは古くから詩歌に詠まれ「万葉集」では五十余首を数えるほか、雅楽の「笙」や「ひちりき」などに使われています。また、アラビア文字の装飾書体を描く筆は、アシの茎の先端を削り落としたものを使っています。

【2001年11月25日(日)】
○昨日の里山管理体験講座では、高尾ふるさとの森のフジやクズの蔓を採ってもらって、午後はその蔓に飾りとしてヒイラギやモミノキの枝、松ぼっくりなどを加えてリース飾りを作ってもらいました。草木で作ったリース飾りは、植物の生命力を移そうとした感染呪術の一種の名残で、古代人は実際に草や蔓でリースを作り頸にかけたり、家の入り口に吊したりして草木の持つ生命力を移そうとしていました。

【2001年11月24日(土)】
○今日は里山管理体験講座(三回目)の日です。雑木林を雑木林として維持していくためには、人間の手である程度の管理をする必要があります。今日は、高尾ふるさとの森で雑木林の下刈りをしました。シラカシなどの常緑樹がだいぶ大きくなっている場所があり、このままでは、将来、照葉樹林に遷移(せんい)してしまいます。常緑樹の大半やササを除くことでこの遷移を止めようという訳です。ただ、昔ながらの雑木林の管理とちょっと違う点もあります。ヒサカキやアオキは、ある程度残しました。鳥などの餌になる実を付けてくれるからです。

【2001年11月23日(金)】
○小春日和のぽかぽか陽気に誘われて、オオスズメバチの女王バチが陽の暖かさを求めて園路に出てきました。しかし、オオスズメバチにとっては、このぽかぽか陽気も寒いのでしょう。ふらふらと2〜3mの高さに飛んでは墜落を繰り返していましたが、そのうち草むらの中に消えてしまいました。虫たちにとって冬を越して春を迎えることは命がけの仕事なのです。

【2001年11月22日(木)】
○高尾の池には、鳥の苦手の人でも一度見たら忘れられない色彩の美しい鳥のカワセミが周年生息しています。背のコバルトブルー、翼の金属光沢のあるみどり、胸のだいだい色に喉と頸側の白色の小さなとりあわせなど、すばらしい配色の鳥です。運が良ければ高尾の池付近で見られますので、ぜひ公園にお立ち寄りください。

【2001年11月21日(水)】
○今朝、高尾の池にヨシガモが3羽いました。まだ、頭の緑色の金属光沢ははっきりしていませんが、特徴的な胸のうろこ模様はよくわかります。一時は500羽近くのカモがいた高尾の池ですが、ここ一週間ほどは200羽程度になっています

【2001年11月20日(火)】
○自然学習センターのすぐ南東側にあったコガタスズメバチの巣が消えてしまいました。夏から秋にかけて柵をして、ちょっと遠くから生きているコガタスズメバチを観察できるようにしていた巣です。寒くなったので働きバチは死に、来年の女王バチも越冬のために巣を離れたはずなので、「空き屋」になった巣をはずして、来年の館内展示用に保存しようと思っていた矢先なのですが・・・。

【2001年11月18日(日)】
○イノコズチが園路の日陰に生えていました。実には、針のように尖った付属物があって動物の体にくっついて種を散布します。名前の由来は亥の子槌、すなわち亥の月(旧暦十月)にワラで作った亥の子槌で、子供たちが地面を打って稲の生産性の向上を願う、小正月に似た民俗行事があり、そこで使う亥の子槌に似ているので名付けられたとも、またイノシシの子の膝の椎(つち)に見立てて名付けられたともいいます。

【2001年11月17日(土)】
○お腹の膨らんだオオカマキリが園内のあちらこちらで見られます。産卵してまもなく死んでしまいます。
○昆虫たちは相手を捜して繁殖するために、いろいろな方法を考えています。チョウは羽の模様を使い、ホタルは光を利用し、ガは匂いで、セミやコオロギ、キリギリスなどは音で。また、ミツバチのオスは特定の空間に群れ飛んで女王蜂を待ち、トンボのオスは特定の空間をパトロールして、飛んでくるメスを待ちます。

【2001年11月16日(金)】
○風のない小春日和のうららかな日差しが公園内を照らし、この柔らかい日差しに誘われて成虫で越冬するキチョウやウラギンシジミが、陽の暖かさを求めてセンター前の草原を飛び交っていました。成虫で越冬する昆虫は意外に多く、一部のトンボ、ハチ、ハエなどのほか、テントウムシやカメムシがいます。

【2001年11月15日(木)】
○昨日、園内で観察できた鳥類は、高尾の池でカワウ、ゴイサギ、ダイサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、トモエガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、バン、カワセミ。池のそばの小川ではキセキレイ、ハクセキレイ。草原や林ではキジ、キジバト、アリスイ、コゲラ、ヒバリ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、シロハラ、ツグミ、ウグイス、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カシラダカ、アオジ、カワラヒワ、ウソ、シメ、スズメ、ムクドリ、カケス。空にはハイタカも舞っていて賑やかな一日でした。

【2001年11月14日(水)】
○今日は県民の日です。センターではイベント「ドングリと竹工作」で、ドングリの笛やコマ、ヤジロベイ、それに竹の虫笛を作ってもらいました。また、「カキの葉のフクロウ」や「ケヤキの葉のしおり」作りにも挑戦してもらいました。鳥を中心とした自然観察会では、一般にシラサギといわれているダイサギも見られ、来館者は満足した様子でした。

【2001年11月13日(火)】
○日曜日にボランティアの人々が、園内のゴミ拾いをしてくれました。自然の「ゴミ」(落ち葉、虫の死骸、フンなど)はそのまま腐って分解されたり、オオヒラタシデムシなどの生きものが食べたりして、自然の循環の中で無くなってしまいます。その仕組みが自然のリサイクルです。カンやビニールは自然の循環の仕組みでは簡単にリサイクルできないものですから、それを作った人間が後始末しなければ、自然の豊かさは保てません。公園を気持ちよく利用するために、ゴミの持ち帰りに御協力ください。

【2001年11月11日(日)】
○子供公園付近の雑木林にウソやジョウビタキ、ヤマガラが来ています。これらの小鳥が好んで食べる秋の実が、たくさん園内には実っています。紫色の実を付けるムラサキシキブや赤い実を付けるコマユミ、ニシキギ、ツルウメモドキ、ガマズミやノイバラなど。また、キツツキの仲間でアリを好んで食べるアリスイも、あずま屋付近の草地に来ていました。

【2001年11月10日(土)】
○園内の草原や林の中を歩くとズボンにチヂミザサの実が多数付きます。野生植物の中には動物にくっついて種を移動させる種類があります。代表的な植物がオナモミとメナモミで「ナモミ」とはくっつくことを意味する「なずむ」が転訛したと云われています。漢方の世界ではオナモミは虫さされ、頭痛、解毒などに、メナモミは疼痛、急性肺炎、解毒などの治療に用いられていました。

【2001年11月9日(金)】
○園内の所々にカラスウリが2度目の勤めをしています。1度目は夏の夜、美しい純白の花のレースを咲かせます。2度目は草木が枯れ始めてきた晩秋の今、つるの先に小さなニワトリの卵ぐらいの大きさの鮮やかな朱色の実を付けて人目を楽しませます。また、カラスウリの種子の形が結び文に似ていることから、別名、玉章(たまずさ)とも呼ばれています。

【2001年11月8日(木)】
○今日は、職場体験に来ている北本市立東中学校の生徒4人と、ドングリの畑を作りました。畑を開墾して、コナラとクヌギのドングリを埋めました。来春、ちゃんと芽が出るかどうか楽しみです。将来、雑木林のエリアを増やしたり、更新伐採をしたときに萌芽しなかった場所に植えようと思います。また、今後、ハンノキの苗木も作っていきたいと思います。

【2001年11月7日(水)】
○園内の湿地に群生していたミゾソバの花もそろそろ終わりを告げていますが、ミゾソバの花には閉鎖花という面白い性質があります。花は昆虫の媒介により他花受粉しますが、他花受粉に成功しなかったときのために、花を咲かせないで自花受粉する安全策を採っている花があり、このような花を閉鎖花と呼んでいます。開く必要のない花は地上に出る必要がないという事で、ミゾソバの閉鎖花は土の中の根に生えて実を結びます。

【2001年11月6日(火)】
○今朝、高尾の池には合計400羽以上のカモが入っていました。半分ほどがマガモ、コガモが4割くらい、残り1割がオナガガモ。そのほかハシビロガモが2羽いました。昨日、一昨日と、トモエガモのオスが1羽いたのですが、今日は見つかりませんでした。顔のトモエ模様は、まだ完全ではありませんでした。

【2001年11月4日(日)】
○園内のエドヒガンやニセアカシヤ(ハリエンジュ)の葉も、日一日と散る葉が残り少なくなり、センター入口の街路樹として植えられたユリノキも、黄葉して葉を落とす季節となりました。園内は秋色一色に染まっています。朝晩はめっきり寒くなり、高尾の池には北国からコガモやマガモが共に百羽以上飛来しています。

【2001年11月3日(土)】
○ベニカナメの枝にミノムシがぶら下がっていました。ミノムシはミノガの幼虫の俗称で、日本には約20種が生息しています。「枕草子」によるとミノムシは鬼が捨てた虫で、秋になると「ちちよ、ちちよ」とはかなげに鳴くといわれ、また、芭蕉の句に「蓑虫の音を聞きに来よ草の庵」が知られているように、古来からミノムシは鳴く虫として数えられています。現在でも俳句の世界では「蓑虫鳴く」が秋の季語になっていますが、ミノムシは実際には鳴きません。

【2001年11月2日(金)】
○あずま屋付近の園路やその他の園路に、小粒ながら明るい紫色の実を付けた、ムラサキシキブが目立ってきました。実がなければただの藪の雑木に過ぎないムラサキシキブが、優雅な紫色の実を付けているがために美化され、王朝時代の「源氏物語」の作者、紫式部にたとえられました。しかし、名前の由来は紫敷実(ムラサキシキミ)からきたという説の方が有力です。

【2001年11月1日(木)】
○高尾の森で動物調査を行っています。雑木林本来の姿を取り戻すために伐採した区域です。今回は昆虫相と鳥類についての調査を行いました。昆虫の調査方法としてはビーティングやスウィーピングで直接採集し、ピットホ−ルトラップやボックスライトトラップを用いて次の日に回収します。鳥類は定点観測です。去年の調査結果とどう変わるのか楽しみです。

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